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縮小

2016-07-06 08:36:22 | 日記

南極のオゾンホール縮小を初めて確認

フロン規制の効果実る、「歴史的快挙」と研究者

 
南極上空のオゾンホールが縮小傾向にあることが科学的に初めて確認された。

 南半球のオゾンホールを30年にわたって観察してきた科学者たちが、ついに南極のオゾンホール(オゾン層の穴)が縮小していることを確認した。

 オゾンホールの大きさは気象や火山活動の影響を受けて毎年変化するため、回復の傾向を見てとるのは難しい。科学者たちは、オゾン層は2000年前後から比較的安定していて、徐々に回復する傾向にあると考えていたが、2015年10月にはオゾンホールの大きさが過去最大になってしまった。

 そんな中で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の大気化学・気候科学教授のスーザン・ソロモン氏が率いる研究チームが、オゾン層の回復を示す複数のデータを『サイエンス』誌に発表した。MIT、米国立大気研究センター、リーズ大学の研究者からなるソロモン氏の研究チームがオゾン層回復の厳密な証拠を初めてつかんだかたちだ。

 米カリフォルニア大学アーバイン校の化学者マリオ・モリーナ氏とシャーウッド・ローランド氏が『ネイチャー』誌に論文を発表し、フロンガスがオゾン層への脅威になることを警告したのは1974年のことだった。フロンは当時、スプレー用のガスや冷蔵庫の冷媒として広く利用され、大気中に急速に蓄積されていた。

 時期に注目

 オゾン層の破壊が意識されるようになった1980年代、大気中のオゾン濃度は急激に低下していった。1987年にモントリオール議定書が採択され、フロンの製造と使用が強力に規制されるようになると、オゾン濃度の急激な低下はなくなったが、濃度は低いままだった。

 現在も南極上空には毎年オゾンホールができている。南極の冬である8月にオゾンホールはできはじめ、その大きさは10月にピークに達する。2015年の例もあり、10月の大きさはばらつきが大きいため、ソロモン氏のチームは、気球と人工衛星で測定した9月のデータを、オゾン層の状態を計算する統計的シミュレーションの結果と比較した。

 すると近年は、オゾンホールの面積が1200万平方キロメートルを超える時期が遅くなっていることが明らかになった。これはオゾンホールの成長を示す強力な指標であり、つまり、オゾンホールが縮小していることを示している。研究チームは、オゾンホールは以前より400万平方キロメートル以上も小さくなったと考えている。オゾンホールの深さも、以前より浅くなっている。

「重要なのは、オゾン層に穴があきはじめる時期が遅くなったという事実です」とソロモン氏。「オゾンホールが形成される時期が遅くなり、穴自体も小さく、浅くなってきているのです。独立に行われた観測のすべてがオゾン層の回復を示唆していて、それ以外の説明をするのは困難です」

 研究チームは、実際に観測された結果が気候モデルによる予測とも一致し、オゾンホール縮小の半分以上が大気中の塩素成分の減少による可能性も示した。

 カリフォルニア大学アーバイン校の化学教授ドナルド・ブレイク氏によると、今回の研究は、南極のオゾン層の研究としてはこれまでで最も徹底したものであるという。

 なお、ソロモン氏は、2015年のオゾンホールが異例の大きさになった主な原因は、同年4月にチリでカルブコ火山が噴火したことにあると考えている。火山の噴火により大気中に微粒子が撒き散らされたせいで、極域における成層圏の雲の数が増え、この雲の表面で大気中の塩素原子が活性化してオゾン層を破壊したという大きな環境問題にも希望はある

 今回の発見は、オゾン層の回復が、期待されていたスケジュールにのってきたことを意味している。ブレイク氏の説明のとおり、オゾン層を破壊するガスが減少してきたのだ。

 ソロモン氏もブレイク氏も、オゾン層の回復のペースは遅く、完全な回復は今世紀半ばになるだろうと予想している。フロンの製造は1990年代に終わっているが、その寿命は50~100年と長いため、1970~80年代にできた不安定な形の塩素がいまだに大気中に残っているからだ。

 オゾン層の回復は、世界中の科学者、技術者、外交官による数十年間の努力の成果だ。

「大きな環境問題に挑むことを恐れるべきではないと教えてくれた、歴史的快挙です」とソロモン氏は言う。

 ブレイク氏も心から喜んでいる。「私たちの期待したとおりの成果があったことが、厳密に証明されたのです。シェリー(シャーウッド・ローランド氏の愛称)が生きていて、この論文を読むことができたら、どんなにか喜んだことでしょう」


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