海の犠牲者:死んだマッコウクジラ 体内から30キロのゴミ スペイン
今年2月、スペイン南東部のリゾート地に、まだ若いマッコウクジラの死体が打ち上げられた。マッコウクジラの寿命は60〜70年と人間と変わらないくらいだが、解剖の結果、不法投棄されたビニール袋やロープなど30キロ近くのゴミが体内から見つかった。
クジラが打ち上げられたのは今年2月27日、地中海に面したムルシア州のパロス岬に立つ灯台付近で波打ち際に漂着していたという。
ムルシア州政府環境省は、エルバレー野生動物保護センターにマッコウクジラの死体解剖を依頼し、今月4日、「消化できないプラスチックなどのゴミを大量に摂取した影響で、腹膜炎を起こした」と死因を発表した。
マッコウクジラは、歯がある動物では世界最大で、巨大な東部を持ち、ヤリイカやダイオウイカ、スケソウダラなどを噛まずに丸呑みする習性がある。
漂着したクジラはまだ若いオスで、胃の中からはビニール袋をはじめ、漁網やロープにハサミ、果てはおもちゃのドラムまで見つかった。
州政府のコンスエロ・ロサウロ自然環境局長は「海岸に不法投棄されたゴミによって、クジラやイルカ、ウミガメなど多くの海洋生物が犠牲になっている」として、市民が参加する海岸の清掃活動を実施する考えを示した。
海洋汚染の専門家によると、2015年時点で世界の海には861万8255トンのゴミが存在しており、このまま放置すると、2025年には2倍の量に増えると考えられている。ただちに行動を起こさなければ、犠牲者は後を絶たない。
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