ワニと遊びたくなったカバの子、結末は…
誰だって働いてばかりで遊ぶ機会がなければ嫌になる。カバだって例外ではない。
アフリカ、ジンバブエのワンゲ国立公園で、1頭のカバが遊び相手になってもらおうと、ワニを悩ませていた。その光景を動画に収めたのはマーグリット・ハリス氏。彼女はアフリカの野生動物保護団体「Nikela」の設立者だ。
【動画】ワニと遊びたくなったカバの子、結末は…
動画を見ると、水場で若いカバがワニを追いかけている。うんざりして水から出たワニの後ろには、カバが張り付いていた。結局カバは数匹のゾウに追い払われ、遊んでもらえなかった。
「ワニにつきまとうカバというのも珍しいですが、その相手をしないワニの態度も変わっています」と、ハリス氏は語る。
ハリス氏夫妻は、このカバの行動を見て、遊んでもらいたいのだろうと解釈した。一方、YouTubeにアップした動画を見た視聴者の多くは、ワニを追い払おうとしていたのではないか、と思ったようだ。
「私たちには、カバがワニと遊びたがっているように見えました。ワニは水場を泳ぎ回って振り放そうとしますが、離れてくれないので、仕方なく水から出てしまいます」と、彼女は説明する。
カバは敵意を示していないため、おそらくじゃれているだけだろうと語るのは、アフリカのモザンビークで哺乳類の生態学と保護に取り組んでいるジェン・ガイトン氏。彼女はナショナル ジオグラフィック協会が支援するエクスプローラーでもある。
「犬などの動物の相手をしたことがある人なら誰でもわかるでしょうが、あれは遊んでいるのです。あの種の行動は、哺乳類にはよく見られますからね」。ワニを追い払うつもりだったら、鳴き声を発し、歯をむき出しているはずだ、とガイトン氏は指摘する。
哺乳類が爬虫類と遊ぶ光景は珍しい。哺乳類はもっぱら哺乳類同士で遊ぶからだ。
「遊び相手にしたくても近くに若いカバがいなかった、とも考えられますが、哺乳類は単なる好奇心から付近にある物や他の種と遊ぶことがあります」とガイトン氏は言う。ハリス氏によると、動画に撮られる前までこのカバは、1本のパイプで遊んでいた。
ワニが子どものカバを捕食する例は多い。今回のカバは運よく身体が大きかったために、悲運に見舞われずにすんだのだ、とガイトン氏は考える。
「このカバにとって、とても有意義な経験だったと思います。メスのカバでしたら、いずれ子どもを産みたいと思うかもしれません。その場合、ワニは脅威になります。子どもの頃にワニと遊んだ経験があれば、ワニの行動や反応の仕方の見当がつきますからね」
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