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太陽観測衛星

2019-03-20 07:52:08 | 日記

月が挙動不審!太陽の前を行ったり来たり「逆再生か?」NASA

月
太陽の前を通り過ぎる月(NASA SDO)

 

 今月7日、米航空宇宙局(NASA)の太陽観測衛星「ソーラーダイナミクス天文台(SDO)」が、月が太陽の前を行ったり来たりする不思議な動きをとらえた。月は太陽の前を通り過ぎたあと、一瞬止まって、再び元来た方向へ戻っていった。いったいなにが起きているというのか?

 

 この動画は、月が太陽の前を通過し始めた7日午前7時(世界標準時6日午後10時)から、太陽を完全に通過した7日午前11時9分まで約4時間かけて撮影した画像をつなぎあわせたもの。

動画のなかで、月は左から右上へ進んだ後、立ち止まって、もと来た方向へ戻っていく。まるでリバース動画のように見えるこの動きは、SDOと月の周回速度の違いが引き起こした現象だ。

 

 SDO衛星は、地球から高さ3万6000キロ上空を秒速3キロで周回しながら太陽を観測しているのに対して、地球から38万キロ先にいる月の平均軌道速度は秒速1キロ。

 

 そのため、SDOが周回軌道上で月を追い抜き、地球の夜側を回っている間に月に追いつかれると、月が衛星から逆方向に離れていくように見える「逆行」という錯覚が起こるのだ。

 

 この現象を理解するには、天文学者のクリストファー・クロケット(Christopher Crockett)さんの説明を引用しよう。「高速道路で追い越し車線に入って前を走る車を追い抜くとき、ほんの一瞬だけ、その車が後退して行くように見える瞬間がありますが、走り続けるうちに、自分と同じ方向に前進していることがわかりますね。これと同じことです」

 

 同じことが地球より遅い動きをするほかの惑星にも言える。たとえば、地球が水星や木星、土星を追い越すときも、これらの惑星は地球よりもゆっくりと公転軌道を動いているが、地球から見た場合に、見かけの動きが逆行しているように見える。

 

 この見かけの逆行運動は、コペルニクスが太陽中心説を唱えるまで、地球が宇宙の中心だと考えていた古代の天文学者の頭を悩ませ、「惑星」という名前の由来となった。ギリシャ語で「惑星」は「さまようもの」を意味する言葉だ。


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