うさぴょん

思いのままにマイペースに進む

ポジテイブに!!

気になることを発信!<自分で読んでなるほど~!!>

新型コロナ、「春に終息」と言えないこれだけの理由

2020-02-28 07:47:32 | 環境汚染


SARSとMERSに季節性の証拠なし、証拠に基づかない予測に専門家が警鐘


インフルエンザウイルスなど一部のウイルスは、気温が低く空気が乾燥していると感染が拡大しやすいが、今回の新型コロナウイルスも同じように天候に左右される性質を持っているかどうかはまだわからない。
 世界中で急速に拡大している新型肺炎(COVID-19)の流行は、インフルエンザのように春になれば終息するのだろうか。多くの専門家は、暖かくなってウイルスがどんな動きをみせるかを予測するのは時期尚早とみている。 
 コロナウイルスには多くの種類があるが、人間に感染するのは7種だけだ。そのうち4種が、軽い風邪症状を引き起こすことで知られている。目下流行中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含め、残りは新しいものとされ、致死率が高く、コウモリやラクダなどの動物から人間へ感染したと考えられている。(参考記事:「新型コロナウイルスに感染するとこうなる」) 
 夏になれば流行も収まるだろう、と考えたくなるのは理解できる。今月、米国のトランプ大統領は中国のウイルス封じ込め作戦について、「特にこれから暖かい季節になれば」成果を上げるだろうとツイートした。 
「季節性」とされるインフルエンザウイルスや、軽い風邪症状を引き起こすコロナウイルスであれば、確かに気温の上昇とともに終息するので、トランプ大統領のツイートにはある程度の科学的根拠はある。しかし、新型コロナウイルスも同様の反応を見せるかどうかはまだわからない。現在、この病気を研究している専門家も、ウイルスがこれからどうなるかを予測するのはまだ早いとしている。(参考記事:「新型コロナ、インフルやエボラと比べた危険度は」) 
 米メリーランド大学の研究者スチュアート・ウェストン氏は「これも季節性のものであればいいのですが、今は何とも言えません」と話す。同大学では、新型コロナウイルスの研究が急ピッチで進められている。 
 2月25日の時点で、感染者数は世界34の国と地域で8万人を超えた。専門家は、この先も感染拡大は続くだろうと警告している。 
なぜ一部のウイルスは季節性なのか 
 簡単に言うと、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは、タンパク質と脂質の集まりだと考えられる。直接触れることで人から人へ感染するが、硬い物の表面や、感染者の飛沫のなかにもウイルスは存在する。 
 だが、いったん人体の外に出たら、ウイルスは外部の力を受けて劣化する。手指の消毒用アルコールはタンパク質や脂質を分解するため、ウイルスは不安定になり、感染力が弱まる。 
 なぜ一部のウイルスは季節性なのか。その答えを探るために、主にインフルエンザウイルスを対象にした研究が過去に数多く行われてきた。昔からインフルエンザといえば冬と言われるように、その流行はだいたい10月に始まって翌年の3~4月まで続く。専門家は、様々な理由を挙げている。  MERSは、2012年9月に気温の高いサウジアラビアで発生した。SARSと違って完全に封じ込められることはなく、その後も新たな発症が時折報告されている。現在、その中東でもイランやアラブ首長国連邦で新型コロナウイルスの感染が報告され始めた。 

 SARSとMERSが本当に季節性だったのか、また今回のウイルスがSARSと同じようにふるまうのかはまだわからない。ウェストン氏の研究室では、治療法とワクチンの開発に向けて努力しているが、完成までには少なくとも1年はかかるだろうという。


今やるべきことは? 
 米ハーバード大学公衆衛生大学院の疫学者マーク・リプシッチ氏は、暖かくなってもウイルスの拡大が大幅に抑えられるとは思えないと話す。新型コロナウイルス感染症は、今や世界中で報告されている。このウイルスに、少しでも典型的なインフルエンザウイルスとの共通点があるなら、今度はこれから冬を迎える南半球で感染が拡大する恐れがある。 
 英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のデビッド・ヘイマン氏も同様に、予測は難しいと語る。「証拠に基づくことなく予測をすれば、もしそれが間違っていた場合、真実と取られて誤った安心感を与えてしまう恐れがあります」と、ヘイマン氏はメールで警告した。「今やるべきことは、ウイルスを封じ込めて、可能であれば消滅までもっていくことです」 
 米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、症状が出ているときが最も感染力が強い。しかし、公式に発表されている数よりも実際の感染者数はずっと多いだろうと懸念する専門家もいる。感染した人が全て深刻な症状をみせるわけではないので、感染しても検査されない人は多いはずだと、ウェストン氏は言う。 
 多くの専門家は、新型コロナウイルスが最終的にエンデミック(ある感染症が特定の地域内で一定の割合で発生し続けること)として定着するだろうとみている。そして、他の4種のコロナウイルスと同様に軽い風邪症状を起こすか、インフルエンザのように季節的な流行を繰り返して、人々の健康を脅かすことになるだろうという。(参考記事:「新型コロナ、都市の封鎖や移動制限はどうすべき?」) 
 世界保健機関(WHO)は、どんなウイルスでも感染を防ぐために、頻繁に手を洗い、咳やくしゃみなどの症状が出ている人との濃厚接触を避け、病気になったら医療機関を受診するよう勧めている(編注:日本では発熱や風邪のような症状がある場合、医療機関を受診する目安が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に示されています)。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿