衆院予算委員会で30日に始まった平成28年度第2次補正予算案をめぐる論戦で、民進党は蓮舫代表が掲げた提案路線をよそに政権攻撃を過熱させた。細野豪志代表代行が安倍晋三首相による所信表明演説の際に多くの自民党議員がスタンディングオベーション(立ち上がっての拍手)をして演説が中断されたことを批判し、首相が憤慨する場面も。建設的な議論にはほど遠かった。

 細野氏は質問の冒頭、「民進党は批判だけにとどまっていると国民にみられている側面がある。変わらなければならない」と豪語した。だが、次に口から出てきたのは批判だった。

 26日の所信表明演説では、首相が自衛隊員らをたたえ、自民党議員が同調して起立し、拍手した。これに細野氏は「首相に促されて拍手するのはどうなのか」と違和感を表明。「自民党議員は安倍首相に拍手しているように見えた」「この国の国会ではないような錯覚すら覚えた」と主観を交えて首相に迫った。

 すると首相は「促していない。どうしてこれが問題になるのか、よく理解できない」と反論。また「『批判だけに明け暮れない』という言葉とは全然違う」「単に侮辱に明け暮れているとしか思えない」と声を荒らげて細野氏を批判し、「補正予算案の建設的な議論をしよう」と訴えた。

 憲法改正では、衆院憲法審査会幹事でもある辻元清美氏が自民党憲法改正草案について「丸ごと憲法改正案を出している国を知らない。異例であり異常であることを首相は認識したほうがいい。押しつけ草案だ」と撤回を求めた。

 首相は各党が案を持ち寄り憲法審査会で議論するよう提案している。辻元氏の発言は「事実上の“民進党改憲案”取りまとめ拒否だ」(自民党中堅)と受け止められた。

 補正予算案に関連予算が盛り込まれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)では、福島伸享氏らが自民党の福井照衆院議員による「(TPP承認案は)強行採決」との発言や、輸入米入札で発覚した業者による不透明な取引に関する疑惑などを取り上げたが、予算案の具体的な中身の議論には至らなかった。

 民進党はこの日の質問に計7人を投入。細野氏は質問後の記者会見で「『民進党ここにあり』というのを示せた一日だった」と胸を張ったが、従来通りの「批判型」に終始した印象はぬぐえなかった。


民進党…ねぇ。

代表が変わっても、やっぱり民進党の体質は変わらないんだなぁ。