ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

にぎわいのクリスマス&親愛幼稚園の思い出

2016-12-06 | にぎわいの家・奈良関連
町ではクリスマスグッズが華やかですが、今年は奈良町にぎわいの家も、クリスマスリース&ツリーをしつらえました。リースは全部、スタッフの手作り、ツリーはオーナメントは全て手作り。リースは藤蔓などで形作ったかなり大きなもの。格子につけると木の町家もなんとなく、彩りがあって華やぎます。このところ、道ゆく人たちの撮影スポットになっているんですよ。ツリーのオーナメントもなるべく今あるもので工夫して作りました。いただきものにかかっていたリボンを使ったり、家にあった毛糸を使ったり…。こういう手作業をしながら、こうかな、こっちが素敵かな、など話しながら手を動かすのは楽しいですね。小学生の時から編み物が好きでしたが、もうずっと編み針を持ったことがなく久々に今回、飾りを一つ作りました。ちょっと気持ちがほっこりしました。
さて、クリスマスはそもそもキリストの生誕を祝うもので、どちらかというと、日本ではハロウィンやバレンタインと一緒で、イベント的な感覚があります。それが、なんとなく暮らしに身近になったのは、息子たちがお世話になった、親愛幼稚園のおかげでした。
親愛幼稚園は、近鉄奈良駅すぐの東向き商店街の中にあります。何気に商店街を歩いていると通り過ぎてしまいますが、石段を上がると、そこはもう別世界。木の礼拝堂に保育室。興福寺の真下にあたり、園庭横の小さな森のような空間で隠れん坊すると、すぐそこが商店街とはとても思えない、不思議な感覚になります。
この幼稚園は1930年に設立されました。その頃の木造の建物です。教会というと、洋風なイメージがありますが、こちらの礼拝堂は、なるほど、奈良だなと思わせる建築です。「ノアの箱船」を返した形と聞いたのを記憶していますが、本当に、まるで船のような大きな空間で、息子たちはここで礼拝を受けながら、いろんな言葉や歌を共にうたいました。毎週土曜日は親子礼拝があり、私たちも子どもと一緒に歌いました。その中でも特に心に残る歌があります。それは
「1 空の鳥は 小さくても お守りなさる 神さま 2 わたしたちは 小さくても お恵みなさる 神さま 3 悪いことは 小さくても お嫌いなさる 神さま 4 愛の業は 小さくても 喜びなさる 神さま」という歌で4番まであります。1番から4番まで、「小さくても」という歌詞があります。この「小さい」という言葉、小さいものこそ恵まれるよう、というような祈りを、園児と共に歌う中で感じたものです。
こうした時間を子育て中に過ごせたことは、とても有り難く、結局、この幼稚園で出会ったお母様たちとのつながりが今もずっと続いています。そもそも、小町座という演劇集団も、この幼稚園から始まりましたが、それはまたの機会に。
興福寺の真下に、重要文化財の教会があるということ。奈良ならではですね。そういえば、長男のころ、幼稚園のマラソンは興福寺の境内を走っていました。のんびりとした時代でした。そういえば、幼稚園の石段を登るタモリさんがいましたね。昨年のブラタモリのワンシーンでした。
にぎわいのクリスマスは25日まで。格子のリースと通り庭(土間)のツリーを見にきて下さいね。

 親愛幼稚園礼拝堂

 格子のリース

 にぎわいの家ツリー