昼休みを終えると、淡い水色の空が広がっていた。
ビルの谷間に目をやると、入道雲を気取った雲が幅を利かせてゆったりと流れている。
少しだけ蒸し暑さが増してきたのだろう。汗ばむまでの時間が短くなってきた。
信号が変わる。人の波が移動を開始する。
やがて信号は点滅して、人の波が短く・速くなっていく。
また信号が変わって、人が溜まっていき、溜まっていた車が流れを作っていく。
もう何十年も機械に操作されて、人の動きは止まったり始まったりしている。
繰り返し一方向へ向かわせていくと、ひとは無関心・無感動・無気力へと自然に追い込まれていくのかもしれない。
そんな妄想が湧いてきたけれど、「語らざれば憂いなきに似たり」とパチンと消えた。
秩序が生みだす無秩序の一端を垣間見た気がした。
時の流れは無秩序ながら一定方向へ進んでいく。
現代の科学ではタイムマシーンを作ろうとすると、地球と同じ大きさの装置が必要になると聞いたことがある。
そんな機械に頼らなくとも、意識に残っていないだけで、瞬間瞬間にタイムスリップしているのかもしれない。
デジャブ?!
日に一度は必ず勝手に消えてしまうこの意識を、どこまで信じていいのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます