昭和の時代、私は「職人」として鍛えられ、平成の時代、法人化、その後は「経営者」として鍛えられ、令和の時代、やっぱり現場が好きで職人として現場施工を中心にスケジュールを組んでいる千葉県野田市の必殺雨漏り修理人/職人社長の安藤です。
それでは、必殺雨漏り修理人の雨漏り調査記録の中から、今回ご紹介するのは埼玉県白岡市の雨漏り調査の現場です。距離的には、千葉県野田市から片道20kmくらいなので、最近調査に伺った東京都台東区浅草の現場よりもかなり近い気がします。
こちらの現場はALC外壁の3階建て、築35年位、1階が店舗、2階、3階が住居になっています。いつものように雨漏りしている室内から調査を始めさせていただました。
和室の壁に数か所の雨染みがありました。この日撮影した調査写真は結構多いので、全ての部屋の雨漏りの説明ではなく、その中の2部屋の雨漏り箇所についてご紹介いたします。
この部屋の天井は、雨漏りに結構やられていました。天井の中にある断熱材が見えています。
この写真は別の部屋ですが、天井部分は断熱材がはっきり見えます。それとはALC外壁も見えてます。内壁まで雨漏りにやられてしまったのでしょう。
今回は下から上へ、1階から階段、2階、階段、3階、階段、屋上、この順序で拝見させていただきました。
写真は屋上です。
屋上に上がると、保護コンクリが打設してありますが、黒い棒のようなものが飛び出していたり、波打っていました。
この縦横の黒いヤツ、これは伸縮目地です。
伸縮目地とは、コンクリートのひび割れや亀裂を防止、または最小限にすることを目的に施工されています。伸縮目地の材料として使用されているエラスタイトは残念なことに紫外線に強くない、というデメリットがあります。
写真を見てください。波を打ったり、反り上がったり、浮き上がったりしているのは、紫外線にやられてしまったためです。残念ですが、紫外線は強敵なんです。
昭和の時代の伸縮目地についてちょっと語っちゃいます。
当時は、保護コンクリに伸縮目地をつくる時は、左官屋さんが目地棒を入れて仕上げていました。目地棒は伸縮目地ではありません。念のため。
コンクリが固まったら、目地棒が除去されます。目地棒を除去すると、目地棒が入っていた所は、縦横、何もない目地のままの状態になります。
次の施工はシーリング職人による伸縮目地シーリングです。巾は25mm位だったと思います。もちろんもう少し広かったり、多少狭かったり、していましたね。
何もないこの目地にシーリングを施工、これが伸縮目地でした。
なぜそんなことが言えるのか、というと、当時私は実際にシーリング職人として伸縮目地シーリングをしていたからです。
さて、話を戻しましょう。
保護コンクリの下には防水層がありますが、保護コンクリがあるので、防水層の状態の確認ができません。ただ、3階の部屋の雨漏りは排水口側の天井なので、排水口側の平場と立上りの辺りに欠陥があるのかもしれません。
それと排水口廻りの防水材にも欠陥があるのかもしれません。お客様の話では、屋上のゴムシート防水が雨漏りしたので、保護コンクリを打設したとのことでした。
保護コンクリ打設は、建物を建ててまもなくのことらしいので、ゴムシート防水の施工に問題があったのかもしれません。
今では、雨が降れば、翌日まで天井から雨がポタポタ落ちてくるそうです。
今、現場の保護コンクリの下は、雨が降るとプール状態になっていると思いますので、今回の雨漏りを止めるには、ウレタン防水通気緩衝工法が適していると思います。
通気緩衝工法とは、通気シートを貼り付けて、ウレタン防水、通気シートを通過した湿気を小さな煙突(脱気筒)から抜く工法です。この工法だと、膨れにくい防水層を形成することが可能です。
今回の現場でウレタン防水密着工法を施工すると、100%膨れると思います。やってはいけない工法です。逃げられない湿気が防水層を持ち上げて膨れてしまうので、補修が大変です。
写真は屋上へ出るドアです。水切下をいつものように鏡を使用して確認すると、低い立上りと水切りとの間にシーリングは施工してありませんでした。
ただそこには大きな隙間があるだけでした。残念な雨水の進入口になっていました。
その他にALC版のひび割れです。ひび割れは見逃してはいけない雨漏り危険箇所です。
雨漏り調査で私が重要だと思うことは、まずヒヤリングです。現場の雨漏りを一番良く知っているのは、エンドユーザー様です。私の場合は雨漏り調査に伺う前の段階で、できるだけ細かく情報を得るようにしています。ただ雨漏り調査の時には変な先入観を持たないように気をつけています。
先入観を持たずに雨漏り調査をすることで、よりはっきりと雨漏りが見えてくるからです。それと調査の時は、写真をたくさん撮ること。事務所へ帰ってから何度も見るためです。だから写真は多いほうがいい。
次に鏡と小型の懐中電灯ですね。現場では必ず使っています。
雨漏りを止めるには、しっかりとした雨漏り調査が必要です。お問合せでいただいた住所を入力して、インターネットで現場の地図を見て、建物の大きさ、形状などを確認します。
時には航空写真で建物を何度も見ることもあります。もちろんプリントアウトして、現地調査の時に持参して、照らし合わせて確認をすることもあります。
「雨漏り調査」、私の場合、それは現場へ調査へ伺う前から既に始まっています。
雨漏り調査も本気で真剣!工事の時ももちろん本気で真剣、全力を尽くしています。
お困りの時は、お問合せください。
それでは、また。
雨漏りを斬る!
必殺雨漏り修理人 (2023.03.08)