「流行は繰り返される」と言うけれど、最近の雑誌やテレビで活躍するタレントさんやキャスターさんの髪型に、ボブスタイルが増えています。
でも、これって今から10年ぐらい前には考えられないくらいに嫌われていたヘアスタイルの一つでもあるように思うのですが・・・・・
その頃は、髪の量を極力減らすため「スカスカに削いで下さい」(当店ではお断りしていましたが)と言われボブのような重たいヘアスタイルは敬遠されました。
そのため、レザーやドライカットなどの技法が多用されました。でも、これらの技法は毛髪にストレスが掛かる事にお客様も気づき「レザーを使わないでくさい」とか「髪を削がないで下さい」など言われる事が増えました。にも関わらず、ご紹介で当店を訪れるお客様の大半は、今でもそのような技法により「髪がからまる」とか「すぐに枝毛になる」などの苦悩を訴えられます。
でも、これと同じような現象は過去にもあったのです。
実は私が美容師になりたての頃、ちょうどレザーカットに陰りが見えはじめ、その頃のお客様のご注文は驚く事に「ハサミだけでカットして下さい」と言う声が多かったのです。
その理由は、それまでの美容院(呼び方は古いけど)ではカーラーを巻き、お釜のようなドライヤーでセットをする事が主流でした。そもそもカーラーを巻いて仕上げる時には毛先の動きが出やすいようにとレザーを使っていましたが、それが毛髪にストレスを与え損傷しやすい事で必然的にレザーカットの需要が減りました。
しかし、それらの技法の消滅の理由を知らない世代の美容師さんや消費者(お客様)にとってはレザーカットやドライカットなどの毛先の動きが新鮮だったので流行になったのでしょう。しかし再び消滅して行ったのも皮肉な事に同じ髪が傷むと言う理由だったようですね。
歴史は繰り返されるものとは言いますが、流行は流行るにしても廃れるにしても、それなりの理由があるものなのですね。
そして、最近ではボブスタイルやワンレングスが現代の若者にも新鮮なのでしょうか?とても多くなりました。
実はクレールのスタッフ(奥さん)は長年ボブスタイルですが最近になって「そんなスタイルにしてください」とか「今流行のスタイルですね」なんて事を言われます(今更?ですが・・・)
そんな時に私は何時も奥さんに「ほらほら流行が向こうからやって来たよ」って言ってます(笑)
流行は繰り返させると良く聞きますが、その中でも再び流行になるのには、シンプルな中にも本当の美しさがあるからではないのでしょうか?
そんな意味においても再び流行のボブスタイルなんかもシンプルだけど女性らしさを象徴する魅力があるのかもしれませんね。
もしかしたら、この次はソバージュやフラッパー?それとも聖子ちゃんカット?なんかを今風にアレンジして流行るのかも知れませんね(音楽番組もやたらと70~90年代の曲をテレビで放送しているからね)
もしかしたら「昔取った杵柄」って事でベテラン美容師の活躍の日が来るかもしれませんね?そうなるとパートさんの美容師さんも増えるかな~?