日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

授業者自らが「教科する」例・・・気孔の開閉モデル

2017-05-14 08:57:31 | 中学理科2分野(生物)

 

 

高校生物(4単位)の授業にて。
気孔が開閉するためには、孔辺細胞がくねっと曲がる必要があります。

そのしくみはとってもシンプル。

細胞壁の厚さが均一ではないため、
吸水した時に、厚いところより薄いところの方が膨張し、
くねっと曲がるのです。

教科書にも分かりやすい図が載っているのですが、
なんとなくモデルで実演。

材料はバルーンアート用の風船とセロハンテープ。

吸水(空気を入れる)と細胞(風船)が自然に曲がるよ〜、
を実演したいだけです。

空気を入れる前の風船に、
三分の一幅でカットしたセロハンテープを貼るだけ。
細胞壁が厚いところ(セロハンテープを貼った部分)は伸びないから、
ほら、くねっとするでしょ?

高3のみなさんは、へぇーと言う感じで見ていましたが、
一番楽しんだのは私。

以前、京都大学の石井先生の講演にて、
教材開発に熱心になる教員は、
自分自身で「教科する」傾向にある、と話されていたことを思い出しました。

ま、たまにはいいか・・・。
熱心とは程遠いし・・・。 

 

今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影 (日本標準ブックレツト)
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以下引用

教科指導における「真正の学習」の追求は、「教科を学ぶ(learn about a subject)」授業と対比されるところの、「教科する(do a subject)」授業(知識・技能が実生活で生かされている場面や、その領域の専門家が知を探究する過程を追体験し、「教科の本質」をともに深め合う授業)を創造することと理解すべきでしょう。
思考したり、実践したり、表現したりすることは、実際にやってみないと伸びて行きません。故に、「教科する」授業を創るには、まず学習の主導権を子ども自身に委ね、活動的で共同的な学びのプロセスを組織することが必要です。 (pp39-40)