日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

ウニの発生ワークショップに参加してきました。

2023-12-01 20:36:36 | 生物教育に関すること

先月23日、きらら舎さん のワークショップに参加して、アカウニの受精と観察をしてきました。

まだ未受精卵。
精子を入れて、受精&卵割の様子が観察できます。


スマホ顕微鏡、恐るべし。
ここまで綺麗に観察できる&見られるのね。

ちなみに、双眼実体顕微鏡+スマホ(支えなし)だとこんな感じ。


受精8日目。まだ進んでいて4腕です。
海水の濃度調節で失敗したと思って、一度、諦めました。
片付けようと思って、シャーレに移して観察したら、うーん、たくさん泳いでいる。
急遽、3Lビーカーに移して、回転装置を作成。

ウインドモーターにストローとプラスチック容器のふたをつけたものを差しました。
稚ウニまで行かないかな、、、
珪藻が変態まで持つことを祈ります。


何を知りたいか?だよなぁ、、、酵素の反応。

2018-04-29 18:45:05 | 生物教育に関すること

久々に、酵素反応実験の実施を計画中。
で、予備実験前に検討する価値があるか予備実験。
 

定番の「だ液がデンプンを分解するよー」の実験です。

反応物のデンプンが分解されてなくなったよーを示すために


 

基準となるヨウ素デンプン反応。
左からデンプン溶液0.5% 0.25%・・・と、おぉ、見た目で分かるくらい色が違う。
よかった。続きができる。 

 


次に、分解されて生成物が増えてきたよーを示すために

 

ベネディクト反応。
左からマルトース溶液0.5% 0.25%・・・。
これも例の測定法でチャレンジすればなんとかなる?


実際にだ液でデンプンを分解して、ヨウ素反応とベネディクト反応。
0min, 3min, 6min室温で反応です。

 

ヨウ素反応はというと、青紫と赤紫寄りの色双方が存在。
(写真撮り忘れ)

ベネディクト反応は

うーん、黄色味が強い。

ベネディクト液に反応している生成物は、
マルトースだけではないからなぁ。
スクロースには反応しなかったけれど、
フルクトースやグルコースのみ、ではオレンジ色に。
マルトースのみの赤みとは少し違う。


マルトースだけの量を見たかったら、
デンプンの末端から切断していく酵素、
βアミラーゼのみを反応させれば、それなりに美しい結果が待っているハズ。

でも、「だ液」を自分から出すことに意味があるのか?
そうだとしても、口から出すって、何回やっても抵抗あるよなぁ・・・。

純度が高いβアミラーゼを最初から準備?
食品添加物として売られているβアミラーゼを準備?

でも、αアミラーゼとの比較で、こんなことが言われているので、
さて、どうしましょうかねー。

結局、何を知りたいのか、学習者が選択することが一番なのかも知れない。
受験勉強だけのためだったら、
エア実験でも問題ないし、
実験のお作法は入学後にもう一度プログラムされているだろうし。

ということで、
何となく方針は決定。

高校3年生はどう攻めるか。
ちょっと楽しみ。 

 

 






色の表現と定量が正確でないのはお許しください。 

 


 





 


煮干しから何を知りたいのか?

2017-12-21 13:44:30 | 生物教育に関すること

ぞろぞろと生物室に集まる1年生のみなさん38名。

今日はイカ解剖するんだっけ?
いやサカナじゃなかった?
先生、オレの教科書、見つかった?

何だかそれぞれ思い思いに話しているなぁ。。。。
でも、まったく離れている訳ではないようです。

今日の裏?内?テーマは「楽しむ」と「信じる」。

これまでだったら、
N田師匠からいただいたスライドをめくりながら、
一つ一つの臓器を、
きれいに高級メス(と呼ぶ爪楊枝)で取り出していきました。
40人一斉の観察です。

ちなみにメニューは、

水晶体・脳・えらとさいは・心臓・肝臓・胃・卵巣または精巣・背骨・筋肉+耳石
と盛りだくさん。

当然、器用さと当たった煮干しによって差が生じていました。


今回は、

「まず、自分のテーマを決めてから進めてください。」

「自分の知りたいことでもいいし、達成したいことでもOKです」
「手順書どおりに全部クリアする必要はありません」
「最後に、後ろのWBに展示してください。」

この指示だけで、
思い思いに解剖(解体?)&観察をしていた様子。

2匹目発注多数。

とにかくきれいに取り出し全クリを目指す生徒もいれば、
ひたすら背骨をきれいに取り出して神経を探したり、と様々。

先生、先生、と呼びつけもたくさんあったけれど、
心臓わかんねーの声に、他の声で説明が入っていました。

うーん、何かしら試している感じ。

手順書がしっかりできているから、
あとは趣旨説明で何とかなる、のです、きっと。

 

今までの煮干し観察で、
一番、声を張りあげずに穏やかに終わった授業でした。

次回からは、無理をせず老眼鏡を使います。堂々と

 

 


ブタの呼吸器&循環器の観察

2017-12-10 14:12:50 | 生物教育に関すること

  

カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版【電子書籍つき】

クリエーター情報なし

日本医事新報社


3年ぶりにブタの心臓&肺の観察実習を実施しました。
大動脈・大静脈付き心臓1つ
気管・肺付きの心臓一つを芝浦臓器さんから購入し女子ばかり7名での観察です。


以前と同じく、平面では伝わりきらない立体構造を補助する模型(②)も活躍。


以前と大きく変更した点は、
細かい誘導をせず、質問づくりから生徒が実施したところです。

あなたは何を知りたいのか?

と投げかけ、レポート評価の枠組みを記したルーブリックと、リンクした資料(ヒト用)を渡すだけです。



自分は何を知りたいのか?


自分の何故?にアクセスを始めたら、
あとは生徒同士で連鎖反応を起こして問いを作っていきます。



以前はパワポで説明&誘導しながら、構造から機能を学ばせようとしていました。
指示についていくのが精一杯、という感じです。

今回は調べたいことを調べて楽しんでいた様子でした。
レクチャーしないからと言って学びが浅いと言い切れるものではなく、
部位ごとに強度を比べたり、お互いに名称を確認したり、
また、卵円孔(胎児期に右心房と左心房をつないでいた穴)を見つけるなど、
レクチャーしようと思っていたことは自分たちで得ていたみたいです。


自分は何を知りたいのか?


これに尽きるよなぁ。。。。





 

 

 


中心体の役割

2017-10-28 18:07:06 | 生物教育に関すること

 

国立遺伝学研究所の公開講演会に行ってきました。

講演お1人目は、中心体生物学研究部門の北川大輝教授。

中心体って細胞小器官の中でも特に注目した記憶はありませんでした。
「動物細胞では紡錘体の起点となる」ぐらいで。

正常な細胞では中心体に異常があると、G1期で分裂が止まってしまいます。

では、癌化した細胞の中心体の機能を無くしたらどうなるのか?
残念ながら分裂を続けてしまうそうです。

おそるべし、癌細胞。

しかし、中心体+紡錘体を除けば、突然、細胞死するそうです。

現在の抗がん剤の一部は、この中心体の働きを特異的に抑えるもの、
でも、中心体のもう一つの側面、
つまり、分裂期でない時の働きである、シグナル受容に影響を及ぼし、
副作用を起こすとのことでした。

全ての時期の中心体に特異性を持つのではなく、
分裂期の中心体に特異的に働く薬の開発かぁ。
へぇー、そうなんだ、と思いながら聞いていました。

また、何故、卵子は発生過程で中心体を失うのか?
の問いに対して、
1)受精後の染色体の数の問題、
2)卵子の単為発生を防ぐ
と説があるそうで、しかも、全ての卵子で中心体がないわけではない。 
へぇーX2 


最近、一方的?な知識伝達型の講演会にあまり参加していなかったので、
へぇー、そうなんだと、比較的穏やかに、
きっとあまり思考せずに聞いていました。
そして、なぜ?どうして?と意図的に疑問を持たないと、
なんとなく楽しい時間が過ぎていたことに気づきました。

講演お2人目は、植物遺伝研究室の佐藤豊教授。

植物の形作りと作物育種というタイトルの講演でした。
イネのお話です。
大雑把な科学史の中でイネの育種が行われてきた背景を大雑把に知りました。
聞き手のターゲットはどの層だったのかな・・・?

講演会の様子は、Youtubeで配信されるようです。
webサイト内にリンクがあるそうなのですが、
まだ見つけていません。。。。探します。 

 


 


 

 

 


持続可能な開発目標(SDGs)のカードゲーム実施

2017-10-26 21:01:52 | 生物教育に関すること

SDGsカードゲームとは


生物基礎の生態系分野では「カワウ教材」を扱っていました。

カワウの専門家、遠藤さんが教材化した「カワウ問題」を、
私の勤務校用にカスタマイズしたものです。

一昨年の異動時、ペーパークラフトのカワウも一緒に異動してきました。
しかし、カスタマイズを試みましたが思うようにいかず、、、、、。 

諦めました。


で、どうしたかというと、
「カワウ問題」という一視点だけではなく、
経済や社会との関わりまでに範囲を広げ、SDGsについて扱いました。

私にとっては、
高校生物を担当してから学ぶことが多かったこの分野。
この単元でSDGsを扱うために、
イマココラボさんの講習を受けてきました。

単にカードゲームのレクチャーだけでなく、
SDGsに関するこれまでの取り組みも学ぶことができ、
さらに、ファシリテーション方法もトレーニングしてきました。

授業では、
生態系とその保全に関して、
「地球とのつながりを考えよう」という大きなタイトルで学習をスタート。
SDGsカードゲームを実施することで、
生態系の保全を「自分ごと」として捉える生徒が確実に増えました。

授業担当者のファシリテーション能力も勿論大切ですが、
やはりコンテンツの強みってスゴイ、と思いました。

ただ、カスタマイズにそれなりに苦労することは、 
どんな教材でも同じということも、改めて確認しました。 

 

 

 





 


続・カワウ

2014-02-18 20:19:43 | 生物教育に関すること
カワウを題材に生態系を学ぶ取り組み2クラス目、

やはり「カワウ」を知らない生徒がほとんどです。

身近にいながら気づかない。

VTRを見せた時の反応は、
地衣類の写真を見せた時に似ています。

あゝ、コレね!!という感じ。

教科書ではシンプルに書かれている「炭素の循環」ですが、

「カワウ」を具体的に中心において矢印を引くと物凄いことになります。

身近で起こっている題材、
いいかも。

2年目にも味が染み出てきた感じです。


ちなみに2クラス目も
「カワウ」というと、すかさず「ソ」と言う生徒が数人いました。

カワウソの方が知名度高い?

カワウで生態系のバランスを考える。

2014-02-17 20:33:46 | 生物教育に関すること

カワウの専門家、遠藤さんに教材を提供をしていただいた生態系の授業です。

カワウとはどんな生き物?から始まり、

カワウを中心とした生態系、

カワウの激減・増加の歴史をたどり、

保全とは何かを考えます。

 

今年は実施2年目。

遠藤さんが直々にお越しいただいた昨年と違い、

何か、さらっと2時間過ぎてしまいました。

さらっと。

カワウVTRの音量、何とかあがらないかな・・・。

 


青い光で赤くなるパセリ汁

2014-02-12 22:10:45 | 生物教育に関すること

 
光合成で吸収されるスペクトルは緑じゃないのよ~、の実験です。

エタノールで抽出したパセリ汁が青色発光ダイオードのライトで赤く見えます。

この演示と物理科からお借りする分光器で吸光の観察がセットで10分のネタです。


ニワトリの脳の観察

2014-02-10 21:51:38 | 生物教育に関すること

  

今は手に入らない鶏頭水煮「ワンモア」

ニワトリの頭がこれでもかっというぐらい缶詰されていました。
柔らかくにてあるので簡単に頭骨を剥がすこともできました。

脳や眼球、視神経が観察できます。
小脳なのに大きいのね~が良く分かります。
焼き魚でも分かりますが、
煮ると透明なタンパク質・クリスタリンも白く変性するねーを確認。

この後はしばらく、ツナ缶を避けていました。
匂いはそんな感じです。

脳と目などの器官とのサイズ比較
魚類との比較も楽しいかな。

何か代わりになるものないか検索中です。