『茶庭』 群馬県太田市 赤松山林を抜けたとある山頂に佇む茶室『半月亭』周囲の山々に自生する雑木を茶庭に添えて・・・
茶道には茶室があり、方丈という小さな草庵があり、その作りは日本建築の美しさがあり世界より注目されています。岡倉天心が「茶の本」でその点を禅の精神の結晶であると世界に紹介しております。その茶室に通じるには待合から茶室へと導く庭の小道が露地といわれています。利休などは徹底的な侘しさを求め、露地を作るときのポイントを藤原定家の古歌を引用しております。
見わたせば花も紅葉もなかりけり 浦のとまやの秋の夕暮れ。
花もなければ紅葉もない、波うちぎわにはひっそりと一軒の小屋が立っているばかり、秋の夕暮れ時の微かな光の中に。
この歌のように心細さが感じられる寂しさです。利休はこの雰囲気が大切ということです。わび、さびの境地になる露地ですね。