古典文学の最高峰といえば平安時代に書かれた「源氏物語」があります。全54帖からなり、全編通じて約800首の和歌が登場します。その「源氏物語」には平安時代の流れのひとつとして「おもてなし」が四つの意味合いで使われております。まずは、
1)文化・教養・性格に由来する身のこなし、「振る舞い」については「胸あらはにばうぞくなるもてなしなり」=「だらしない」空蝉。
2)人に対する態度・あしらい。「世に例えにもなりぬべき御もてなしなり」=「世の中の話のたね」桐壺。
3)望む結果になるよう仕向ける。「少納言がもてなし心もとなき所なう心にくし」=「心憎し」葵
4)ものの上手な取り扱い方。「たをやかに使いなしたる撥(ばち)のもてなし、音を聞くよりまたありがたくなつかしくて」 若菜下
というように「おもてなし」のコトバを様々な場面で使いわけて違った意味を持たせています。さすが紫式部ですね。
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