自転車の場合はまさにこの大腿四頭筋や下腿三頭筋の伸張性収縮を反復する運動になるわけですから、脚や腿の筋肉痛に悩まされることになるのです。
痛みのメカニズムについてはいくつかの仮説があるのですが、統一された学説となるには至っていないため、ここでは説明を控えさえ手頂きます。
筋肉痛が運動の翌々日以降に発生すると「年取った証拠」などと揶揄されることがあります。私くらいの年齢になると半ば諦めの境地になりますが、これは「筋肉痛の加齢遅延説」とも呼ばれ、様々な仮説が立てられています。けれども、科学的にこれを証明したデータはないというのが実情のようです。
尚、遅発性筋肉痛は年齢に関係なく、弱く長い負荷の運動では早く痛みが出て、強く短い負荷の運動では遅く出るという傾向があります。これには、加齢により肉体のパフォーマンスが徐々に落ちるため、若年時には強く感じなかった運動が"強い負荷"となってしまうことにより、筋肉痛が遅く出るという流れで、加齢遅延説を生む背景になっていると指摘する専門家もいます。
通常は筋線維とその周りの結合組織の回復過程が終息するに伴い、筋肉痛も自然に解消の方向に進むのですが、あえて痛みを和らげる方法を挙げるとすれば、安静にして筋肉の疲れを取る、入浴などで筋肉を温め疲れが取れやすくするといった「消極的休息」の他、軽度の運動やストレッチング、マッサージなどで血行をよくする「積極的休息」が挙げられます。
何はともあれ「痛み」は誰にとっても不快なものですから、できるだけ筋肉痛にならないためにはどうすればいいかを考えることが、自転車通勤を長く続けるヒントになると思います。
ここで知っておきたいことは、筋肉痛の強さは運動量や運動時間に単純比例するものではないということです。有効なトレーニングには必ずしも筋肉痛は必要ないのです。筋肉痛の原因となる伸張性収縮を極力起こさないように運動を行えば、筋肉痛を抑えることが出来る理屈です。
筋力強化や筋肥大を目的としてハードなトレーニングを行えば、誰でも通常は筋肉痛につながります。自転車通勤でも例外ではありません。重たいギアをギシギシ踏んでいれば伸張性収縮は大きくなり、筋肉痛を引き起こすことになりますが、多段ギア付き自転車でギアを軽くして走れば脚や腿にかかる負荷は減りますから、筋肉痛も起き難くなるという理屈です。
自転車通勤歴5年の私でも、アウターギアを無理に使えば太腿がパンパンになり、筋肉痛もでます。ところが、今のようにケイデンスを高めにしていてもミドルギアで比較的軽いギアを選択している限り、よほど風の強い中やきつい登り坂を走らない限り筋肉痛になることはまずありません。
何度も書いて来たことですが、ギアを落としケイデンスを上げる走りが、心臓にも筋肉にも負荷をかけない理想的な走りになるのです。ちなみに心臓は心筋という筋肉の塊ですが、筋肉痛はないそうです。
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