古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五章 浦證文・その二

2011年07月20日 19時06分32秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

パソコンのディスプレー故障で、回復に手間取りました。今日二十日再開します。

上の写真の文書の第四行目から。

解読

 (土岐)山城守様毛利安房守様江戸御廻米并

 餅米姫路様御産物木綿松平左衛門尉様

 御産物青筵其外商人荷荒物数々江戸

読み方

 (土岐)山城の守(かみ)様、毛利安房の守(かみ)様、江戸御廻米並びに

 餅米、姫路様御産物、木綿、松平左衛門尉(さえもんのじょう)様

 御産物、青筵その外商人荷荒物数々、江戸(廻り)

解説

 「様」の崩しに注意。 江戸時代の官職名は「守」「介」「尉」(かみ・すけ・じょう)など色々ありますが、地位の高さはこの順です。 「左衛門尉様」・・・門の崩しも注意です。 「荷荒物」・・・物も読みにくい。

前回説明が洩れましたが、「浦證文」とは、江戸時代、廻船(諸国廻りの貨物船・商船)がしけ等で難破した際、船頭・水主達の命を守る為、積み荷を海へ捨てたりした時、近くの港に入り、そこの役人(庄屋・浦役人)の厳しい検査・事情聴取を受けて、その役人が作成する残り荷物や船具の目録兼証明書。この証文が無ければ、船頭水主の責任が問われます。 浦手形・浦切手とも言います。