古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五章 浦證文・その十一

2011年07月29日 09時28分03秒 | 古文書の初歩

 

 

 

上の写真のはじめから(通算六ページ)

解読

 同日九ツ時比當浦金山沖へはしり寄候付色々

 招印ヲ上ケ候ヲ遠見御番所より見受候段

 浦方へ知らセ来候付早速漕舩数艘差

 出し、

読み方

 同日九ツ時頃、当浦金山沖へはしり寄り候に付き、色々

 招き印を上げ候を、遠見御番所より見受け候段、

 浦方へ知らせ来たり候に付き、早速漕ぎ船数艘差し

 出し、

解説 「九つ時」・・・十二時(昼)。 「比」・・・頃。 「はしり寄候付」・・・舟扁に風と書いて「はしる」、舟が帆走する事。漢字が出ないのではしりと書いています。寄りの次の候は二回目ですが、こういう候も有ります。 「色々」・・・難解字です。 「招き印」・・・救助要請の旗じるし。 「遠見御番所」・・・異国船など警戒の為、高台から海上を遠めがねで監視している所。藩の役所であるから、御番所と御をつける。 「より」・・・合成語。 「見受候段」・・・受と段の間に候が有ります。 「浦方」・・・浦の役人、この場合、大嶋浦庄屋。