古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五章 浦證文・その八

2011年07月26日 10時43分10秒 | 古文書の初歩

 

 

 

上の古文書の写真の第四行目から(通算第四ページ)

解読

 助命も無覚束深ク心配被致無詮方御太

 切之御米并荒荷等手当り次第刎捨

 危場被相凌居候内同日九ツ時頃より出シ風ニ

 吹変り追々遠沖江吹流さ連地山一圓

読み方

 (乗り組み)助命も覚束なく、深く心配致され、詮方なく御太

 切のお米並びに荒荷等、手当たり次第刎ね捨て

 危場相凌ぎ居られ候うち、同日九つ時頃より出し風に

 吹き変わり、追々遠沖へ吹き流され、地山一円・・・つづく

解説 「無覚束」・・・下から返って「おぼつかなく」。 「深ク」・・・「深」も崩しは難解です。 「無詮方」・・・下から返って「詮方無く」。仕方なく。 「太切」・・・大切と同じ。 「荒荷」・・・雑貨類。  「ホ」・・・等の崩し字。 「出し風」・・・帆船が出るのに都合のよい風。陸地から沖へ吹く風。 「遠沖」・・・「遠」の崩しは前にも出ましたが、難しいです。覚えましょう。 「連」・・・「れ」の変体仮名。 「一圓」・・・「圓」の崩しも注意が必要。