古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十章 乍恐奉申上返答口上覚控え 其の五十六

2014年02月17日 07時59分43秒 | 古文書の初歩

「乍恐奉申上返答口上覚控え」第九頁、上の12~13頁

解読 不申近年ハ秋作も殊之外凶作打続候上

    當麦作不怪不作仕旁以弱百姓共至而

読み (遣わし)申さず、近年は秋作も殊のほか凶作打ち続き候上、

    当麦作不怪不作仕り、旁『かたがた』以て弱百姓ども至って

解説 「秋作」・・・秋の作物の収穫。稲作の事と思われます。 「殊之外」・・・教えて貰わねば読めません。 「凶作」・・・簡単な字ですが、読むのは困難です。 「打續候上」・・・「續」は「続」の旧字体です。 「當麦作」・・・今年の麦の作柄、取り入れ高。 「不怪不作」・・・「不怪」という熟語は辞書にありませんが、「疑わしくない」という意味で、「間違いのない不作」と解釈しておきます。 「旁以」・・・『かたがた以て』、どちらにしても。「旁」という字は「寺」の様にも見えます。 「弱百姓」の次は「共」、弱い百姓ども。 最後は「至而」・・・至って。たいへん。