古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四十一章 乍恐御断書付 (有田文書)其の三十

2015年06月16日 08時34分50秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐御断書付」第五頁、上の六~七行目

 

解読 候様奉願上候。御糺ニ付、有躰

    書附を以奉願上候。以上

                       有田浦庄屋  吉左衛門 印

    巳十二月廿七日         同所肝煎    茂平   印

                        有田上村肝煎 藤三郎 印

               浦 儀惣次殿

読み (相片付)候様願い上げ奉り候。お糺しに付き、有り体 

     書付を以て願い上げ奉り候。以上

解説 「候様奉願上候」・・・この慣用文も読むのは難しいですが、文章の流れとして読みましょう。 「御糺ニ付」・・・「糺す」は追求する。質問する。事件に付き訊かれましたので。 「有躰」・・・『ありてい』。有りのまま。「躰」は「体」の旧字体。 「書附を以」・・・この「書」も超難解。文書にて。 「奉願上候」・・・ここの「奉」も読みにくい。 最後の「以上」は一文字にしか見えませんが、一応「以上」としました。 署名人は「有田浦庄屋・肝煎」と「有田上村肝煎」の連名になっています。「吉左衛門」は「左」が見えませんが、この様に読んでおきます。 「浦儀惣次殿」・・・江田組大庄屋。「儀惣次殿」も難しい。