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古文書の初歩の学習

第十三章・網代黒山松一件御通詞控その一当月

2012年11月26日 07時02分17秒 | 古文書の初歩

 

 

  網代黒山松一件第一ページ、上の画像の表題と一行目

 

解読     乍恐口上

     一 当月廿五日之大時気ニ網代之内黒山と申場所

読み    恐れ乍ら口上

   一つ 当月二十五日の大シケに網代の内黒山と申す場所

 

解説  「乍恐口上」・・・前の十二章と殆ど同じで、中の「奉願」『願い奉る』が無い表題です。「御願い」する内容では無いわけです。 「口上」は口頭で伝える事ですが、この場合は「口上書」『こうじょうがき』の略で、口で伝える事を文章にしたもの。 「一」・・・『ひとつがき』と読みます。項目毎に「一」で始まり、各項目は最後まで「一『ひとつ』」で始まります。 「当月」・・・「当」の崩しは特徴的です。 「廿五日」・・・「五」の下部の横棒は省略されています。 「之」は縦に細長く伸びています。 「時気」・・・『しけ』「大時化」 「網代之内黒山と申す場所」・・・『あじろ』と言うのは、海面のみでなく、山(陸地)も含む一帯のことを指す事が分かります。元もと網を入れる漁場を意味したものが、魚を釣る・貝を獲る・海草を採る・すべての漁業を含む様になった言葉です。現代の「漁業権」の様なもの。沿岸漁業では、魚付き保安林と言って、海近くの繁茂した山林の下に魚が集まる習性が有る為、勝手な伐採等は禁じられているところも有ります。  「申」は「P」の形。 


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