古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十章 乍恐奉申上返答口上覚ひかえ其の三

2013年12月22日 08時11分04秒 | 古文書の初歩

 

「乍恐奉申上返答覚控」第一頁、上の四~五行目

 

解読 困窮仕候ニ付右山上ハ木為稼被呉候得者

    乍少々も稼も出来仕候得者、小前之者とも

 

読み 困窮仕り候に付き、右山上わ木稼がせ呉れられ候得ば

    少々乍らも稼ぎも出来仕り候得ば、小前の者共

解説 「仕候ニ付」・・・「候」の崩し方にも色々有りますが、ここの形は一般的な崩し方です。その次の「ニ」は分かりにくい。右の縦棒の様な形です。 「右山」・・・この「右」も分かりにくい、「土」に見えます。右に述べた山。幸右衛門所持の山。 「上ハ木」・・・うわ木。山に植えている樹木。第一行目の「上エ山」と同じく、「上ハ木」の「ハ」は読み方をあらわす送り仮名。 「為稼」・・・『かせがせ』。「為」は使役の助動詞。 「被呉」・・・『くれられ』。「被」は受け身の助動詞です。ここの「為」も「被」も難解です。 「呉」の下の小さい点が「候」で、「得」の次が「者」・・・変体仮名の「は」で、「候得者」は『そうらえば』と読みます。 五行目最初の字も難しい。「乍少々も」・・・少々乍らも。 「稼も出来」・・・「出」が難解です。 「仕候得者」・・・仕り候えば。ここの「候」は縦棒になっています。 「小前」・・・「前」がちょっと読めません。 「者」・・・ここの「者」はカナではなくて漢字の人をあらわす「者」です。 「者とも」・・・者ども。


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