宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

白山登拝記録6

2007-08-11 | Weblog
白山登拝記録6
運のいい話(最近の地図について)

白山登拝記録抄の箸やすめに一節。

白山室堂のし尿処理については山の保全から、
大変な労力がかけられています。
トイレはセンターの南北二ヶ所にあり、
南側は簡易水洗、北は昔ながらのボットン貯槽式で


簡易水洗については便槽で分解促進剤を投入して
水分はし尿処理槽で浄化、固形物はヘリで空輸して
麓の市ノ瀬に仮置きされた後に
バキュームカーで本格的なし尿処理施設に搬出されるようです。
使用済みのトイレットペーパーは焼却処分されるようです。
シーズンには毎日800人近くが滞在してますので
し尿処理は大変大きな問題でしょう。


南竜のキャンプセンターも清潔な簡易水洗のトイレになっていました。

ところで、今回の登拝にあわせて便利な山の地図を探したところ、
昭文社の「山と高原地図」43白山・荒島岳が手ごろで詳細だったので
服の腹に入れて携行していました。
この地図は石油から作られた合成樹脂を主原料として製造された
新素材で作られているすぐれものの地図です。

すぐれものの特性が最大限に発揮されたのは
登拝二日目の2007年7月31日朝、
別山に出発する前のことでした。
身を軽くする目的でセンター北側にある
例のボットントイレに行ったときのできごと。
いたす準備にとりかかったところ
お腹からハラリとひとひらの紙が・・・

どうすることもできず・・・
結局、同僚とセンターの若い方のご協力を得て救出に成功!
さすが新素材!!洗い流せばホーラ
なにごともなかったかのように・・・

「トンビ岩」まで地図をはためかせて
乾かしながら歩いたのは言うまでもありません。

白山登拝記録5

2007-08-11 | Weblog
白山登拝記録5

〈別山をめざす2〉

2007年7月30日

11:27 別山山頂に至る。標高2,399m。
    室堂より水平距離で5km。当然気持ち的にはよほど遠い距離。
    ガスで周囲何も見えず。


11:30 霧中、山頂直下の別山神社に参拝。
   『泰澄和尚伝記』(金沢文庫)によれば
    宰官身の聖観音が現れ自ら「小白山別山大行事」と告げたとされる。


    社殿の前に平成16年9月の銘のある「碑伝」が置かれている。
    碑伝は修験道の峰入り行で行場の祭祀箇所に奉納する木札のことで、
    札には「熊野修験/那智山/青岸渡海寺」と書かれている。
    青岸渡寺は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山にある
    那智熊野大社に隣接する熊野修験の一大道場であり、
    西国三十三カ所第1番札所の観音霊場の拠点にもなっている。
    那智は平安時代後半に流行した
    観音の浄土である補陀洛浄土への渡海の拠点ともなったところである。

    別山の本地佛が聖観音であるための由縁で
    現在も修験の聖地となっているのであろう。
    残念ながら視界不良で社殿周辺の調査は断念。
11:50 再びの念で下山。
12:05 岩室の退避小屋にて昼食。
    室堂でいただいた弁当はご飯とつけもの
    それにレトルトパックに筑前煮の餡かけが入ったもの。
    霧が濃く多少雨がパラつく。
12:20 退避小屋を出る。
12:30 御舎利山頂に至る。視界数メートル。
    上り口にチブリ尾根ルートとの分岐がある。
    霧が深いと見過ごすような分岐。
    山頂からそのまま北に降りて大屏風の行道へ
13:00 大屏風尾根筋の行道。 


    周辺の斜面にニッコウキズゲなどの花が咲き誇る。


    見上げた霧中に一筋の道。さながら極楽浄土の観。


13:15 道幅20cmのガレ場。道の脇は数百メートルの断崖。
    俄然緊張しながら重い足を一歩一歩進める。
13:30 天地の平場。
13:37 油坂の頭に至る。ガスが晴れない。
14:00 油坂を下りきる。ももがパンパン。膝が笑う。
    ここで本格的な雨天となったため合羽を着用。
    (天候が変わったのでなく
     雨雲下のレベルまで降りたということか?)
14:20 南竜ヶ馬場の木道。暑さでたまらず合羽を脱いぐ。
14:35 南竜小屋に戻る。ぎりぎりだった水の補給。
    本当にありがたいかぎり。
    携帯はここでは通じない。
14:45 南竜キャンプセンターを出発。エコーラインを目指す。
14:55 帽子を南竜に忘れたことに気づき後帰り。
15:10 エコーラインの難所の坂を登り始める。
    坂の最初は角度がきついためジグザク道。
    石段が丁寧に置かれた至極いきとどいた道。
    それを登りきれば長い登りの尾根道。
    ここでじわじわ消耗。心臓がきしむ。
    高い位置で携帯のアンテナが2本立ち
    室堂の仲間にメールで現状報告する。
15:50 長い木道、黒ボコからの道に合流。
16:05 室堂に帰着。ガス無く山頂が輝いて見える。