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一極・独占モデルには穴があったなぁと思う今日この頃

2019-03-15 15:26:30 | アジア情勢複雑怪奇

ボーイングが事故機と同型機を下ろさない、FAAも問題なしと言っているという話は2日ほどの後に、トランプが、大統領令を使って737MAXの運航を停止したことで、なんとなく一時落着といった感じになった。

トランプ氏、ボーイング事故同型機の運航停止 大統領令で

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42437180U9A310C1000000/

 

こういうやり方は、FAAの独立性を損なうという意味で私は歓迎しない。ここでトランプに点を稼がせるような恰好になったのはボーイングも了解済みなんじゃなかろうかと考えたくなるところもある。だってボーイングは巨大な戦争ビジネス共同体の一角だから。

根本的に問題なのは737は優秀だったが根本的には古い時代のもので、それを改造しつつここまで来たがオリジナルとはだいぶ異なるものとなり、それをやりくりするためにソフトウェア制御していったことが、操縦の不都合となって表れた、って感じみたいだ。

ということは、新しく乗り出すには大きな金が必要になる、ってことかも。これは核兵器もそうだし、ミサイルシステムもそうでしょう。結局、トランプはそれらの防衛・重工長大企業系のために働いているとなるかもしれないな、と思ったりもする。

であれば、それってまるっきり安倍の後追い。

安倍とトランプを同じものに扱う気はまるでないんだが、確かに似ているところもある。軍事ビジネスに優しいところとか、株価で経済は良好ですと見せるとか、プロパガンダ部隊には強く宗教系が絡んでいるため充実しすぎて次第にボロが出て来るとか、親イスラエルだとか。

 

それはそれとして、安倍政権は経産省を中心とした原発産業屋が強く後押ししていたことは状況証拠から間違いない。311の事故以来もりあがった脱原発の世論に対して、そんなことを言う奴はバカといった調子で国内世論をぎゅうぎゅうに押し込める一方で、国外には「アンダーコントロール」などと嘘をつく。

そうして、それら原発を中心とした防衛・重厚長大企業の利益を守ろうとしている。製造で儲けて、運用で儲けて、事故しても儲けて、廃炉に向かうならもっと長く儲かるというスゴイ仕組み。

その一方で、国民はといえば、昨日宗純さんがまとめてらしたがこんな状況におかれている。

もしもメルトダウンすると半径250キロメートル人口では5000万人の退避が必要な4号基の燃料プールからの使用済み核燃料の『取り出し』が最優先した結果、無事取り出しに成功している。
(4号基に次いで最優先されていた)大爆発した3号基の建屋ビルの最上階にある使用済み燃料プールでは、566体の核燃料を冷却しながら保管している。新たな地震や津波に見舞われると冷却できなくなる恐れもあり、建屋近くの別の保管施設への搬出を急いでいるが、色々な不都合で今まで4度も延期されて1本も散り出してに成功していない。
もちろん1号基の392本、2号基の615本の核燃料棒は丸々手つかずで残ったままだった。
そもそも誰にでも簡単に取り出せるように燃料プールは青天井で蓋が無い構造だが、それでも4号基以外は1本も取り出せないのに、世界で誰一人成功したものが無い前代未聞、空前絶後の難事業である原子炉圧力容器からメルトダウンして外部に溶け落ちた核燃料デブリの取り出しなど『40年』どころか『400年』でも成功する可能性は低い。(今の技術力で『廃炉』は夢のまた夢で、チェルノブイリのように『石棺』にして閉じ込める以外の方法はないのである)

https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/45c3c49ca8a2ca219a3186bf74eb8456


とてつもない状況ではあるわけだが、これを飯の種、欲望全開のトリガーと考える人もいる。

その結果として、重厚長大系代表みたいな経団連会長は、原発に反対する人たちの反応をエモーショナルといい、そんな人たちと話せない、などという、と。

経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は11日、自ら必要性を訴えていたエネルギー・原発政策に関する国民的な議論をめぐり、「エモーショナル(感情的)な反対をする人たちと議論をしても意味がない。絶対いやだという方を説得する力はない」と語った。

https://www.asahi.com/articles/ASM3C663FM3CULFA01Q.html


何万人もの人が今後ほぼ永久に故郷に戻れず、日本国民は何百年もの間その土地を失い、滑稽なことだが、代償として、安全神話を振りまいた人たちの儲けに寄与していくことになる。

この状況を前にして、感情的に許せないという人がいることを私は大変結構、生きた反応をする人たちがいるのだなと思うが、経団連的にはそんな感情は捨てろということなんでしょうね。

そうして我が身の儲け以外何も頭にないことは明白だというのに、

11日の定例会見で中西氏は、記者団から「東日本大震災以降、原発に関する国民の意識が変わったのでは」と問われたのに対し、「再生エネルギーだけで日本の産業競争力を高めることができればいいが、技術開発が失敗したらどうするのか。いろんな手を打つのがリーダーの役目だ」と指摘。「多様なエネルギー源を確保しなければ日本は立ちゆかなくなる。福島の事故から何年たとうが変わらない」と話し、電力業界への積極的な投資を呼びかけた。

 

あたかもリーダーであるかのような、国を率いているかのようなことを言う。こんなに巨大な負債を抱えさせて、日本の競争力が心配ですもないでしょう。

 

この会長は頭が弱いのか、さらに面白いことを言っている。

原発の早期再稼働を求める立場から国民的議論を呼びかけた中西氏は2月、脱原発を求める民間団体から公開討論を求められたのに対し、「反原発を通す団体で議論にならない。水と油だ」などとして断った。「原発と原爆が結びついている人に『違う』ということは難しい」とも発言し、釈明に追われている。

原発稼働によってプルトニウムを貯め込んで、原発運用を通して核技術を貯め込んで、あわせて日本の核抑止なのだというのは、別に市民団体が言ったことではなくて、むしろ日本の支配層の見解なんじゃないの?

私は、前から、日本に必要なのは脳みそであって核兵器ではないという主張を持っているので、これらの意味不明なプルトニウム貯め込みが日本の立場の向上につながることはないと考えています。

ミサイルにしても核兵器にしても、どういうシナリオでどういう効果を求めて使うのかを練り込まないと意味がないし、結局行きつく先は、そんなものを使ったら双方が破壊的な被害を受けるので使えない、使わないですむよう話し合ったり、喧嘩したりしつつ行くしかないとなる。関税や制裁を通して経済的に圧迫してみるというのも、目的と効果の問題如何では許容される(現在のアメリカのやり方はまったくの行き過ぎだが)。

日本のおじちゃんたちの考え方って、高いピアノを買うとピアニストになれると思ってる人のようだなとしばしば思う。それ持ってどう使うのかがまったく考えていない。

 

で、アメの様子も日本の様子も根本的に似てるかもなと思うわけですよ。それは結局、一極支配メンタリティーがもたらした不都合なんじゃなかろうか。

一極支配は、内部から崩壊する、誰もチェックしない体制だから自堕落に陥る、と前に書いたことがあったけど、この意味は、マネジメントが崩壊するだけでなく、新しいものを見据えられなくなるという意味でもあると思う。

現在のパラダイムにおいて一極を妄想しているわけだから、このパラダイムを変えられない。すると、事情が変わっていることを小手先で何とかしようとし続ける。言うことを聞かない奴が悪いという思考方法に陥る。脅迫、買収は簡単だ。すると、言うことを聞く奴しか残らない。ところで、言うことを聞く奴はそれで満足できている奴なわけだから、新しい潮目も見えていないか、見たくもない奴であり、総じていえば能力が低い可能性が高い。となった場合、この妄想系には進歩は期待できない。

という感じ。

 

いやしかし、原発の負の遺産は巨大だ。どこが真珠湾だったのかというと、やっぱり2004年の「19兆円の請求書―止まらない核燃料サイクル」と呼ばれる一部官僚たちによる反発のあたりじゃなかろうか。あのへんで、もう後には戻れない!とかいう方針を取ったことから、現在の敗戦までは一直線だと思う。

(追記:このいわば善意の官僚たちが反発した結果、カウンタークーデターみたいにして現在の極端に親原発、親日米一体、みたいな人たちが天下を取った。

と考えてくると、あれは226事件となるのかも。そして2011年の震災を受けて賠償法を改正して東電・経産省無答責状態を作って現在がある。真珠湾は憲法改正と読むべきかもしれないが、安倍体制そのものという気もする。4選とか言ってるし。)

 


 


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