DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

北朝鮮:米国との非核化協議中断を検討&朝露間交流

2019-03-16 16:27:53 | アジア情勢複雑怪奇

北朝鮮とアメリカの協議が成果なく終わった直後から、北朝鮮の金正恩がロシアを訪問するのではないかという噂が出ている。

金正恩のロシア訪問というのは前から出ている話で、しかし実現していない。他方で去年は韓国の文大統領がロシアを公式訪問していた。

その噂を背景にしつつ、北朝鮮の外務省が北朝鮮で会見を開いて、米国との非核化協議の中断を検討している旨を発表した。

北朝鮮、米国との非核化協議中断を検討 タス通信
https://www.afpbb.com/articles/-/3215998?cx_part=latest
2019年3月15日 17:28 発信地:ソウル/韓国 AFP

 

で、この記事のオリジナルになったTASSの記事によれば、北朝鮮の副首相は、ハノイサミットの不首尾を背景に次のアクションについてもうじき発表することになっていると語っているようだ。

According to the deputy minister, North Korean leader Kim Jong Un is set to make an official statement soon to announce his country’s further actions in the wake of the unsuccessful Hanoi summit.

http://tass.com/world/1048754

 

他方で、ロシアの方は、米朝対話の継続を希望すると外務省が発表している。

Russia calls for U.S. dialogue with North Korea to continue: RIA

https://www.reuters.com/article/us-northkorea-usa-russia/russia-calls-for-us-dialogue-with-north-korea-to-continue-ria-idUSKCN1QW1M0

MOSCOW (Reuters) - Russia wants dialogue between North Korea and the United States to continue, RIA news agency cited the Russian foreign ministry as saying on Friday. 

 

日本のNHKは、ロシアが北朝鮮への関与を強めている、という調子で書いている。

ロシアが北朝鮮と外務次官会談 米朝会談不調で半島関与強化か/nhk
2019年3月15日 10時41分米朝首脳会談
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190315/k10011848951000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_028

ロシアと北朝鮮の外務次官がモスクワで会談し、ロシア側が要請している北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長のロシア訪問の日程などについて意見を交わしたものとみられます。

ロシアのモルグロフ外務次官と、北朝鮮のイム・チョニル外務次官は14日、首都モスクワのロシア外務省の別館で会談しました。

(略)

ことしは、キム委員長の祖父にあたるキム・イルソン(金日成)主席が、旧ソビエトを初めて訪問してから70年という節目の年で、北朝鮮は、今月5日にモスクワで開かれた両国の交流行事に朝鮮労働党の幹部を派遣するなどロシアとの関係を重視する姿勢を示しています。

今回の会談の背景には、2回目の米朝首脳会談が物別れに終わったことを受けて、ロシアが朝鮮半島情勢への関与を強めるねらいがあるとみられます。

 

私が知る限りこの問題をロシアの側のアクションとして書いているのは日本だけって気がする。誰でも気づく通り、これは、北朝鮮がアメの態度を受けて、中露の露の方に助けを求めているといった感じで見るのが適切でしょう。

また、記事を読めば最後の「ロシアが~」に至るまで、北朝鮮の方が動いていると自分でも書いてる。

 

で、実際問題、中露のアプローチは、段階的に北朝鮮と米国間で信頼関係を作っていくしかありません、というもので、双方に行動の自粛なりを求めていくロードマップを作っている。

この2人が合意したところからこの段階的アプローチが中露の基本路線といっていいでしょう。

 

他方で、アメリカ、または日米の方は、北朝鮮が丸裸になれ、というもの。お前が丸裸になったら助けてやると言わんばかりの行動なのだが、今日誰でも知ってる通り、そうやってガーダッフィ―は凌辱されたわけだから、このスキームを信じる人はいない。アメリカ人でさえ、自分んとこの政権のやり方を信じてない。

 

さて現実はどうなのか。一見すると確かにハノイは失敗ってことになってるんだが、でも、米軍と韓国軍の演習が、斬首作戦たらいう、いかにもリビア侵略を思わせるような手ひどい奴から、通常の演習に変わったことを考えれば、実はロードマップは意識されていると考えることも可能かもしれない。

南北朝鮮、中露、米の5か国がどう評価しているのかは出てこないですが、観測としてはそう考えることは可能じゃないですかね。

中国もロシアも、朝鮮半島の問題は一晩では片付かないといったことをよく言ってますが、それは結局段階的に行くしかない、or 行っていると言ったも同然でしょう。

 

また、誰も言わない客観情勢としては、実のところ中露という陸軍の強い国が2枚かぶって北朝鮮の後ろについた以上、日米がぴーひゃら言ったところで陸上の戦争は非常に難しい。朝鮮戦争の時からそうだが、今もそうだと言ってもいいぐらい。

前から書いてますが北朝鮮を海側からだけで攻めるのは難しい。中国北東部(満洲)、ウラジオ側ががちがちになっているのみならず、地形がそもそも混合地形だから隠れるところが一杯ある。

ここらへんは日本が世界一よく知っているはずだが、知らん顔してるよね、ほんと。

 

■ ロシア&北朝鮮

ロシアと北朝鮮との間の交流は今に始まったことではないが、現在もぼちぼちいろんな方面で行われている。

ロシアと北朝鮮 国境の川に新たな橋の建設へ協議/nhk

2019年3月7日 5時58分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190307/k10011838611000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_002

ロシアと北朝鮮の閣僚が貿易や経済協力をめぐって会談し、両国の国境となっている川に車の通行が可能な橋を初めて架ける計画などについて意見を交わしました。

 

行政府の交流だけでなく地道に議会が交流しているのもちょっと目をひく。

State Duma delegation to set off for North Korea on April 12

http://tass.com/politics/1047309

 

また、ロシア正教会のキリル総主教が北朝鮮を訪問するらしい。正教会は既にロシアのみならずブルガリアとかルーマニアあたりも北朝鮮にコミュニティーを持っている。

Patriarch Kirill will visit North Korea. Russian orthodoxy in the East
AsiaNews-2019/03/05

http://asianews.it/news-en/Patriarch-Kirill-will-visit-North-Korea.-Russian-orthodoxy-in-the-East-46412.html

 

ニュースが無秩序に西側から流れてくるようになると、必ず、ほぼ必ず、クリスチャンシオニスト団体がNGOでござい、宗教団体でございといった善意を隠れ蓑に入ってくる。そしてここがひも付きになるってのが見えているので、このフェーズを軟着陸させることも重要だなとか思う。

 

そういうわけで、現在ロシアを中心に(おそらく中露連絡済で)北朝鮮で地味に行われていることは、大破局→傀儡設置→万歳、みたいなレジームチェンジ型の変革を阻止するための自力変革のような気がする。

大破局→傀儡設置→万歳、というのは、大破局→正しい指導者誕生、みたいな発想でもあるわけで、これこそボーンアゲインクリスチャン的でもあり、千年王国主義的でもありという感じ。やっぱりレジームチェンジ主義は粉砕されるべき。気持ちが悪い。

動乱期にオウムを振りまいた日本は何も言えないので、おとなしくしているのが吉でしょう。ほんと、罰当たりなことをしたもんですよ、これは。

 

■ オマケ

日本って、クリスチャンシオニストにやられちゃった国という方向から理解することもできるような気がする。日本の中の新興宗教の非常に多くは根幹がこれだろうなって感じ。せーちょーの人たちもこれだと思うんだな、私は。多分戦前から。


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一極・独占モデルには穴があ... | トップ | ベネズエラの停電は破壊行為... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事