DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

岸田外相、連休中に訪中

2016-04-27 16:41:54 | アジア情勢複雑怪奇

オーストラリアの潜水艦は、フランスの受注となった由。

北海道補選は自民側にかなりの緊張感があった由。あいばさんの記事が詳しく伝えている。

その間、2日前に出たこの記事は、どこかで続報が来るのかなと思ったのに全然来ない。なんででしょうか。

岸田外相「日中関係構築の歯車回したい」

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160425-00000054-jnn-pol

岸田外務大臣は都内で講演し、今週後半からの大型連休に中国を訪問し、停滞する日中の関係改善の流れを軌道に乗せたいという考えを示しました。

 

連休ということは4月29日あたりからのことを言うと思われますがその間中国では、アジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)が行われている。

で、28日には習近平国家主席が出席して談話を発表するという報道が1週間ぐらい前にあった。

外務省の陸慷報道官は22日、定例記者会見で、「習近平国家主席が28日に北京で開かれるアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)第5回定例外相会議の開幕式に出席し、談話を発表する」と発表しました。

http://japanese.cri.cn/2021/2016/04/22/161s248723.htm

 

でもって、ここにはロシアの外相ラブロフおじさんも行くと発表があった。

しかしその発表はモスクワ発ではなくて北京発で、中国外務省のスポークスマンが語ったという記事になっていて、その中ではラブロフ外相の訪問の主要議題は、夏に予定されているプーチン大統領の公式訪問の日程を詰めることになるだろうとある。

BEIJING, April 25. /TASS/. Russian Foreign Minister Sergey Lavrov will visit China on April 28-29 in the framework of preparations for an official visit of Russian President Vladimir Putin to Beijing in the summer, Chinese Foreign Ministry’s spokeswoman Hua Chunying said on Monday.

http://tass.ru/en/politics/872172

 

■ アジアはアジアで、が来るんでしょうか


アジア相互協力信頼醸成措置会議といえば、2年前、習主席が

「アジアの安全はアジアで」習主席、米排除を鮮明に CICA首脳会議

http://www.sankei.com/world/news/140521/wor1405210001-n1.html

 

と発言したというんで、産経が怒ったところ(笑)。アジアの安全はアジアで、って自分から言えない現在の日本がおかしいだけで、基本的に何が悪いのそれ、なんですが。あはは。

それはそれとして、これはつまり前回書いた、ロシア、インド、中国の外相たちが南シナ海問題について確認したスタンスと同じ、ですね。

RICとオーストラリアの潜水艦問題

そういうわけで、中国、ロシアは、一国だけが特権的な地位を持って世界中に首突っ込むの反対です、ってな立場にはブレはない。だからその代替案として地域ごとに信頼醸成のメカニズムを作ろうというのも別にへんじゃない。

 

■ なぜ岸ぽんは出かけるの?

むしろ、なぜ岸田外相が出かけるのか、という方が正しい問のような気もする。だって、今までつっぱてったところに自分から出かけるってのは、どうあれ一歩下がったことになるから。

G7に問題を持ち込んで南シナ海の話を世界的な問題にしようとした日本の立場を難詰されたばかりだし。

まぁその、アメリカに言われたって話だろうね、って感じか。)多分宏池会系が今後のための橋渡しって感じなんだと思う。)

で、なんでかというと、このままでは中露関係が周辺のもともと近い国を巻き込みつつ結構プラクティカルに頑丈になっちゃうから。つか、もうなってると思うけど。

そこで、日本に飛び込ませて日中友好ネタで、やっぱりアジアは日中韓が話し合ってこそどうしたこうしたという記事を出してロシア孤立化を演出する、って方向じゃないのかな。前にも書いたよね、これ。

アジア信頼醸成会議には韓国外交部も出席とあるし。(韓国、ロシア、中国はいずれもメンバーだけど、日本はオブザーバー。)

で、そんなことは先刻お見通しの中国、ロシアは、ではプーチン訪中だなになった、って感じ?

TASSの記事が北京の外交部の言をそのまま載せてるのは、イニシアチブはそっちですという意味かも。

で、これは中国から見ると、うししでこれでいいんだけど、ロシアから見ると、これじゃ中国に寄り過ぎままになっちゃうのも嫌だよな、ってんで、6月から7月にかけて、

6月から7月にかけて

ロシアのナルィシキン下院議長 日本を訪問
http://jp.sputniknews.com/politics/20160427/2033751.html#ixzz470s4L3jb

日本の方は、安倍ちゃんがソチに行く、岸ぽんが中国に行く、で両方に目配りしてます、になってるのかな。

ということで、日米同盟を出汁に日本の手足をもぎ取って、その上部に米中共同管理体制を置くという二重構造に揺るぎが見られているような気もしないでもない。
 

■ 三すくみの方がまったくまし

つまり、現状、日中で見ると日本が押し込まれている感じだけど、ロシアがおとなしく、しかしかなり持続的に決意を持って絡んで来てるので、ここが3すくみになっている。三すくみになれば、多少のブレはあっても敗者はいないってなゲームにできるチャンスがあるって感じじゃないかなぁとか思う。三すくみ

日本が苦しいのは、米中が影で仲良しってか話し合いが可能な関係なのに、その時々にあたかも日米 vs 中 であるかのような幻影で外交を組み立てさせられていることだと思うわけですね、私は。

ここに本当に現実に隣人である(その意味で互いに逃げられない)ロシアが入ると、3すくみになる。こうなるとアメリカは、ほんとは中国と、ほんとは日本とみたいな都合のいいポジションを取れない。少なくとも従来より取りづらい。私は東アジアの基本は三すくみ構造になる方が日本の今後にとっていいと思ってる方です。そうじゃないと長期的にはほぼ間違いなくチャイニーズに押し込まれます。
 


 

失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇
野中 郁次郎
ダイヤモンド社

 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一,寺本 義也,鎌田 伸一,杉之尾 孝生,村井 友秀,野中 郁次郎
中央公論社

 

 


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« RICとオーストラリアの潜水艦... | トップ | 沖縄と日琉同祖論 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『反中怨念外交』 (ローレライ)
2016-04-28 05:53:06
日本が『反中怨念外交』に取り付かれるとアメリカやロシアの食い物にされるくらいの冷静な認識は必要。
返信する
Unknown (和久希世)
2016-04-28 10:21:19
ロシアにとって日本は、そういう意味でも重要な国なのですね。
そして、日本にとってもロシアは、そういう意味でも重要だから、安倍総理はソチに行くと言っているのですね。

そこまで安倍総理が考えておられるかどうかは兎も角として・・・・・
返信する
反中でもないでしょう (ブログ主)
2016-04-28 23:01:58
安倍政権って別に反中でもないと思います。応援団は反中だけど。このへんがこの政権のわからないところ。
返信する
近隣の大国 (ブログ主)
2016-04-28 23:04:26
和久さんどうも。
安倍ちゃんが何を考えているのかわかりません。今年がどういう展開になるのかもわかりません。

でも、長期的に見て、近隣の大国をあたかも存在しないかのように、あるいは決して付き合えない人々のように扱ってきた日本の傾向は長持ちしないと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事