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大連立というより二正面作戦のようなドイツ

2017-08-24 23:38:32 | 欧州情勢複雑怪奇

昨日から今日にかけてはやたらにドイツもののニュースを見た。何か日本語になっているかなと思って探したが、こんな感じ。

ドイツ議会選まで1か月 首相率いる政党有利に

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170824/k10011109371000.html

最新の世論調査の各党の支持率は、メルケル首相率いる中道右派の「キリスト教民主・社会同盟」が38%で、中道左派の「社会民主党」の24%を大きく上回り、難民の受け入れに反対する新興の右派政党「ドイツのための選択肢」も9%にとどまっており、4期目を目指すメルケル首相の政党が選挙戦を有利に進めています。

いやもう、メルケル率いるCDUが勝つのは規定路線なので特にニュースでないっしょ。

そもそもドイツはCDUとSPDが大連立を組んでいるので、いわば挙国一致内閣を作っているようなもの。この様子ではCDUが単独過半数は今回も取れないようなので、引き続き大連立して、大西洋同盟の一角ですよ、と言いながらも大陸側も重要視という二正面作戦を取っていくのであろう、とも言えそう。

ドイツは昔軍事の二正面作戦で苦しんだわけだけど、外交の二正面作戦は結構有効でしたね。早く気がつけばよかったのに(笑)。

で、そのメルケルは、北朝鮮がらみでは、軍事で解決できない、と早々に語っていたのは前にも書いた通り。さらにもう一歩、北朝鮮問題では自動的に米の側に立つわけではない、とまで言ったらしい。

Germany ‘will not automatically side with US’ in war with N. Korea - Merkel 

https://www.rt.com/news/400738-germany-support-us-korea/

 

アフガンについても、米の増派はいいと思いますよ、でもドイツが同じように増派するわけではありませんという態度だった。ドイツは現在でもNATOの一角として1000人弱アフガニスタンに出している。

 

さらに、昨日一番驚いたのは、ドイツの社会民主党(SPD)の党首シュルツ氏が、

もし自分が首相になったら、ドイツにおいてあるアメリカの核兵器の撤去を求める、と語ったこと。

Social Democratic Party Leader Schulz Vows to Axe US Nukes in Germany if Elected

https://sputniknews.com/politics/201708231056731710-schulz-us-nukes-in-germany-out/

 

このへんは、SPD党首がいくらそう言っても、SPDが第1党になる見込みはほぼないのでなんでも言えるとも言えるが、しかし、核の撤去というのは、言えそうで言えない何かでしょう、これ。

なにか、タブーをぶち破ったような気もする。これをディーリンケ(一番左の党)が言っても誰も驚かないんだが、SPDの党首が選挙で騒いでいるというのが今日の新しいところ。

核の撤去の他にも、シュルツ氏は、トランプはGDPの2%を防衛費に使えと言って、メルケルはそれをドイツ国民に尋ねることもなく合意しちゃってる、という批判も展開している模様。

このへんは、アメリカ正面のメルケルが言えないことを、後ろでじゃかすか言って、ドイツ全体として喜んで2%を突破、みたいなことにならなければそれでOK、じゃないでしょうか。ドイツ国民は現状これ以上の軍事費増大に前向きではないと思えるし。

 

さらに、こんなニュースもある。

ドイツ中銀、フランスで預けていた金塊を本国に輸送 3年前倒し

http://www.afpbb.com/articles/-/3140253?cx_part=txt_topics

【8月24日 AFP】ドイツ連邦銀行(Bundesbank、中央銀行)は23日、フランスの中央銀行に預けていたすべての金塊をドイツ本国に輸送したと発表した。米国で保管していた一部金塊も国内に移したという。当初計画では2020年までに行われる予定だったが、3年前倒しで完了した

このニュースの中に面白い一段落があった。

ドイツは冷戦(Cold War)時に、旧ソ連の侵攻に備えて金塊を世界に分散させて保管。世界で最も流通量の多い通貨である米ドルを発行する米国のニューヨーク(New York)はうってつけの保管場所だった。

 

金(ゴールド)を盗んでいるのは西側の後ろってかディープの人たちでしょ(笑)! ロシアのロマノフの金塊はどこに行ったんだよ、だし、最近もリビアの金はどこに行ったのか誰も追及しない。ガーダフィーはアフリカ通貨の準備としてゴールドもマネーもいっぱい持ってた。これを盗んだのがヒラリー率いる一群だった。これは一体誰の儲けになっているのか。こっちの方が、誰が差別主義者で~とかいう話のための話よりずっと重要だろうが、誰も追わない。このへんこそタブー中のタブーなんでしょうね。

で、冷戦も終わったのでそのクソな理屈は通らなくなり、ドイツはそこを先途とゴールドの返還を求めた、と。

 

■ 総じていうなら

総じていうなら、ドイツは現在、英米がなぜ暴れているのかを理解しているって感じなんでしょうね。それは、「一帯一路」潰しに見られるように、大陸勢が固まることを海洋勢という名の東インド会社勢が嫌ってる、とはっきり認識しているんだと思うな。

北朝鮮問題もインド・中国の国境紛争も、ロシア・ドイツのパイプラインに対する反対も、みんな同根だわな、ってところ。

100年前の第一次世界大戦も鉄道問題が関係するという説は根強いのだが、だんだんと信憑性が出て来た気がする。


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1 コメント

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『与野党使い分け制』 (ローレライ)
2017-08-25 12:27:27
昔は日本も『与野党使い分け制』だったが『日本は硬直化した』から政策に幅がない。
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