昨日のニュースの続き。
ドイツ中銀が、フランス中銀からゴールドを回収したという話。
大連立というより二正面作戦のようなドイツ
前にもアメリカ中銀に返せといって、ぐだぐだ言っていたような話は聞いた。さてしかし、それでドイツのゴールドは全量帰ったのだろうか?
今日のスプートニクの国際版(英語)にそのあたりの話が出ていた。
Gold Fever: Bild Issues 'Semi-Fake News' on Return of Precious Ingots to Germany
https://sputniknews.com/europe/201708251056780624-germany-gold-reserves-return-bundesbank/
ドイツのゴールドを祖国に戻せ運動のアクティビストの人のお話。ポイントはこんな感じ。
- ドイツの新聞Bildは半分だけ本当のことを書いた。ドイツのゴールドが全部戻ったかのような表現をしているが、実際にドイツの地に戻ったのは半分だ
- ブンデスバンク(ドイツ連銀)は、ゴールドをドイツに戻す計画を遅くとも2020年までに完了すると言ったので、この計画が前倒しになったといっても3年だけだ
- ゴールドを移送するというのは物体をA地点からB地点に運ぶだけなんだから、そんなに時間がかかることがおかしい。民間業者なら数日で終わるような重量だ
- 2012年まで、ドイツではドイツのゴールドがどこにあるのか全然話題になっていなかった。「我々のゴールドを祖国に戻す」運動が始まってはじめて大衆はそれを知り、民衆の圧力になっていった
- パリ保管の分が戻った現在、ドイツのゴールドは、フランクフルト(ドイツ)とニューヨーク、ロンドンに保管されている
ということは、残りの50%はニューヨーク、ロンドンの中央銀行ってことになるんでしょうね。
でもって、これって何かこう、示唆されているものが巨大な気がする。で、ここ数年この話は時々紙面をにぎわせているわけだが、結局アメの中銀、すなわちFRBは返していないってことでOKなんだろうか?
アメリカの核を移動させるぞ、という話と何か表裏のような気もしてくる。
金(ゴールド)の切れ目が縁の切れ目みたいな?
いや、切れはしないだろうけど、争いがあることは明白なんでしょう。
いやいやしかし、ロシア、中国なんかから考えると、自国の金を自分んちに置けないって、その話が既に何事なんでしょう、って感じ。
で、日本のゴールドはどこにあるんでしょう? どうなっているんだと知ることぐらい知ってもいいんじゃなかろうか。
このあたり、やっぱり日本って微妙に、国民主権になったのがつい最近、って感じが色濃く反映している気がする。だって、国民一人ひとりが束になって「我々のゴールド」とかいう認識を持って、日本銀行に詰め寄るよう国会議員を動かす、とかあり得るだろうか?
この話はいろいろと興味深い。
■ オマケ
結局ね、錯誤の問題だと思うんですよね。
この図が大事。
米軍の基地がおかれているところは、いろいろ言っても半独立国なわけですよ。自分たちの政策を自分たちで決定できない、少なくとも暴力込みで押さえつけられているんだから。それを「同盟」と呼ぶのはまったくのなんてか、言葉の綾というより詐欺みたいなものでしょ。だけど、それは一方的にあっちが悪いんじゃなくて、こっちもまた、同盟と聞いたらなんだか安心しちゃった、みたいな愚かしさがあった。
今すぐ止めようという気はないけど、このへんから気づくことがとても大事だと思う。
ドイツは、ソ連がなくなっても米が居座っているという事態が明白なので、この話があまりにもクリアになったというのが日本との大きな差異を生んだ大きな動機だと思う。
「ソフト占領」:米の占領下にあり続けるドイツ