シリアではシリアとトルコの国境が開いていることからまたぞろ何かごじゃごじゃが起こっている感じでそっちも気になるんだけど、熊本の地震も気になる。
気になったのは2つ。一つはまず政府の対応、もう一つは今般の地震の広がりor影響の可能性。
一つ目はまぁこの政権ってさ~という話。一言でいえば、属州民願望のある政権になっとるんやけど、いつからそんなんになりましてん?と驚く。
政権というか、政権とメディアの結託によってそうなってるって感じですね。ほんとにもう1930年代再び!なんですかね。で、私やその他多くの九州地区在住者以外の人が不満に思ったり気持ち悪がっているだけなら、まぁみんな我慢しましょうで済むけど、これよって被災地が影響を受けているだろうこれ、となるとそうはいかない。
言いたいことはこれにつきる。どういう政府だろうがどういう党だろうがいいから、とにかく被災してる人たちのご飯と水は素早くちゃんと確保してくださいよ、ほんとに、ということ。
でもって、それを運ぶのにわざわざ米軍を頼まないとならないほど日本には飛行機やらヘリやらが足りてないなんて話は聞いたこともないんだが、米軍さんにお願いしたらしいんだけど、結局これを呼び込むために初動を小出しにしてた疑惑は当然わく。
お願いする、どうする、みたいなことをやってみたり、予備役自衛官招集とかやってる場合なのそれ、とも思ったっす。手持ちの(つまり純粋に日本の)各県消防、各県警察、自衛隊が出る体制にどうしてなってないの?というのに私は驚く。
あいばさんが書いてらっしゃる(多少煽ってらっしゃるにせよ)通りに私も感じましたです。
「緊急事態条項」の格好のシミュレーション 予備兵召集!!
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/6b5736999de3f35cf8dd818e890c08b4
世界各国が支援に名乗りを上げている中、敢えて、支援の展開をサボタージュしながら、被災者の窮状を殊更に目立たせ、米軍のプレゼンスを高め、日本にとって、如何に米軍さまが重要であるかを教え込もうとしている。あまりにも、幼稚な宣伝手法だが、米軍と自衛隊の、テキパキと勇ましい姿を、テレビの画面を通じて、国民を洗脳しようと云うわけだが、戦時中の戦争ニュースさながら手法はあからさま過ぎる。常識的に、恥ずべき行為だが、安倍官邸は恥じる様子は見られない。フジテレには、以下のように報じていた。
まぁなんてか、大国の周辺の小国はデフォルトで緊急時には周辺の大国に助けてもらうことになってるんだけど(短期間で展開するための装備等リソースが足らないから)、日本は持ってるリソースからすればそんな必要があるとは到底思われていないのに、なぜだかそうなりたい、あえて私たちを属州化して~というメンタリティーを宿しているという、世界史上みたこともない国になってると思う。いやほんと、他に例が思い浮かばない。
孫崎享さんがツイッターでつぶやいてたけど、私も強烈な違和感を持ちます。
自衛隊はヘリを491機保有(輸送用270機)。何故日本政府は救援に米軍の助けを求めなければならないか、
http://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar1011759
孫崎 享 @magosaki_ukeru 4月17日
米軍支援、米軍星条旗新聞、「匿名条件の米国官僚によれば、日本政府が国務省に支援要請した」匿名そりゃそう。恥ずかしい事なんだから。世界で震災に見舞わる国は多いけど、米軍に助けて頂戴と災害国側から言う国ってそうないんじゃない。先ずは自力で頑張る。それでも支援をすると言ったら考える。
で、このメンタリティーを支えるために現実の震災対応に多少のタイムラグが発生しているのではないのかという疑惑あるのみならず、20年間ぐらい通しでみれば、結局のところ、最初自衛隊をプロモートする必要性によって、次に属州民化メンタリティーの活性化のために、自前の緊急事態対応ユニットの拡張がなされていなかったのではないのかとさえ疑っている私。
つまり、自衛隊、米軍を使いたくて使いたくて、日本国民に愛してもらいたくてもらいたくてという欲望に過剰に、不器用に拘ったために、その他に災害時の緊急事態対応ユニットなんか作ってそこが一次的、一義的に各種のユニット(警察、消防、つまりは各県の対応も含まれる)に対し、軍との調整を図りながら指示出来るとかいう体制を作れなかったんちゃうの、という話。
20年ぐらい前から10年ぐらい前には、日本は災害大国なんだから災害時の対応を立派にしておいて、これを世界各国での災害にも活用できればこれこそ大きな国際貢献ではないか、とか言う声も結構あったと記憶してる。最近聞かないけど。
私は、いつの時点でも自衛隊および旧軍の「兵隊さん」を国民として大事に思ってます。なんなら愛していると言ってもいいよ。でも、それと、将官および軍制の話は別です。問題の巣窟はこっちなんです。そして、どうやらこっちは戦前から何も変わってないようだったなぁなのが全く問題。
■ 機構の問題おさらい
とりあえずそこに行かずに、災害対応ユニットの話に戻すと、この問題は、別の言い方をすれば多くの人が昔っから言ってるみたいに、FEMAみたいなのどうして作れないんだろうって話でもある。FEMAには陰謀論がつきまとうけどそれはちょっと置いておいて災害対応のユニットであると考えてみると、
アメリカの場合、自己展開可能な組織は次の3つってことなんでしょうね。
(1) 連邦軍
(2) 州兵(National Gurad)
(3) FEMA
で、災害対応は、普通(3)が対応して、場合によっては大きな装備のある(2)とか(1)も入る、みたいな感じでやってると思う。
そういえば最近ロシアがNational Guardを作ったとか言う話が出ていたけど、ロシアも似てる。
National Guardを国家親衛隊とか訳すと、あれ何この素敵な響き(笑)とかになっちゃうんだけど(ナチス的だから)、でも要するに、国の警備隊ってことでしょう。だからアメリカ用に使う場合には、National Guardは州兵と訳される。
で、ロシアの場合は、National Guardという機構は創設だけど、実際には中味を見ると旧内務省軍や国境警備隊等を統合して指示系統を拡充一本化した、って話だと思います。
それによってロシアは、
(1) 国軍 外との戦争をする正規軍
(2) National Guard 国内およぼ国境の治安警備(ただし軍ではない、街で人を殺す権限は一般的にないからね、とわざわざ発表してた。つまりあくまで警察、せいぜい準軍であるということなんだと思う)
(3) 非常事態省 災害、非常事態への即応能力を有するところ
という具合に機能別の再編成がなされてるんだろうな、ってなところじゃないですかね。
(3)は国土が広いせいもあるんだろうけど炭鉱事故、洪水、大規模火災、大雪、地下鉄事故と過去1年ぐらいに見たものを思い出してみても非常に忙しそうだ。
(2)は自前の装備もいっぱいあるから実は中ぐらいの国の国軍より絶対強いとかねてから呼び声の高い(?)国境警備隊とかが含まれているし、折からの「カラー革命」阻止モードから考えても現状これは、多分、ロシア圏全域をカバーしたテロ対策特化軍みたいな気もする。
ついでにいえば、現在国防大臣、つまり(1)の長のショイグおじさんはむしろ(2)系統の整備に力を尽くして名をあげていって人気政治家になった人とみえるので、あわせて考えると現状の治安組織体制はかなり総合的に統合されているとみていいんじゃないかと思う。
で、それに対して日本は、(1)に(3)でも大活躍をさせるというのがなんか常態化してしまってる。そのたびになんて立派なんだとかやってるわけだけど、それってやっぱり最終的に機能から見てどうなのそれ、とか私は思うわけです、はい。
いや、例えば何も他に代替機関がないというのなら、自己完結能力のある軍が出張ってくるというのは大変ありがたいと思うし、大・大・大災害なら国内のすべての治安関係部隊をという話にもなるでしょう。しかし、日本の場合恒常的に災害に見舞われる国なんだから、専門的なユニットを立ち上げて別系統にしておいた方が効率的に決まってる。だって、目的が違うんだから。
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思えば、東日本の災害の時もどこがどうなのかはっきりせず、結局、オトモダチのおかげですみたいな話にしてますしね。