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トランプ高原と香港デモ

2019-06-17 15:27:30 | アジア情勢複雑怪奇

イスラエルのネタニヤフが、ゴラン高原で新たな入植地を「トランプ高原」と名付け、お披露目をしている。

 

イスラエル、ゴラン高原の入植地「トランプ高原」と命名

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46178590X10C19A6EAF000/

【カイロ=飛田雅則】イスラエル政府は16日、同国北部のゴラン高原に新たに設ける入植地について、米トランプ大統領にちなんで「トランプ高原」と命名すると発表した。イスラエルは1967年の戦争でシリアからゴラン高原を奪い占領し、81年に併合を宣言した。国際社会が占領を認めないなか、今年3月にイスラエルの主権を認めたトランプ氏に謝意を示した形だ。

 

で、当のシオニストの米大統領トランプは、大変光栄だと喜んでいる模様。

現実問題として、シオニストというのはクリスチャンシオニストの方がユダヤシオニストより圧倒的に数が多く、トランプはクリスチャンシオニストが支持母体だからこうなるのは国内政治的にもまったく不思議でない。

 

で、香港で大騒ぎをしているのは、多分、各地にいる全米民主主義基金に関わる人々、つまりトロキスト支援の側なんだろうなといった趣。日本の報道をちらっと見たけど、理屈がとおってないが興奮しているというあの姿が特徴的だなと思った。このへんのが問題だという話はウクライナ危機の頃さんざん書いた。

パット・ブキャナンはアラブの春からウクライナでの破壊工作を前に、アメリカ製コミンテルンを連れ戻せと叫び、ウクライナの騒動を受けて、これらのNGOは、ロシアでは次から次へと活動禁止となっていった。

ロシア:活動禁止の外国NGOにまた一つ大物が

 

中国の環球時報の上の方にあがっていた1つの論説記事の最後では、

米国は中国の中核的利益のある他の地域でもこういう戦略を続けるだろう。台湾でも、南シナ海でも。

しかし、彼らは基本的な事実を見逃している。今日の中国は、香港をイギリスに割譲した時の国ではない。中国の中核的利益に挑戦することは、中国の人々に国民国家の主権、安全保障、開発に関わる利益を保護せざるを得ないと思わせることにしかならないだろう。

The US will continue its strategy in other areas which involve China's core interests, including the Taiwan question and the South China Sea issue. But they have overlooked a basic fact - today's China is no longer the country it was when it ceded Hong Kong to the UK. Challenging China's core interests will only compel the Chinese people to safeguard their national sovereignty, security and development interests.

http://www.globaltimes.cn/content/1154498.shtml

 

とあった。

まぁそうなるだろうなぁとも思ったし、ロシアと同期してるとも思った。

 

■ 総じていうなら

アメリカというのはUKで醸成されていったアングロ&シオニストさんの行動拠点みたいな位置付けで、頭はアメリカにはなかった、みたいな感じがする。

ネオコンの前身のトロキストは、中東からロシアにかけてを奪取するために、あたり一帯に存在していたユダヤ系の人たちをかき集めてロシア帝国略奪をしたコミュニストのムーブメントの残りもの。現地のISみたいなもの。

(スターリンはここから抜けてロシアはロシアだとロシアに拘ったロシア集団のリーダー。世界に打って出る気風が忘れられない残りのコミンテルンはアメリカにいたんですよ、ネトウヨ!)

そして、クリスチャンシオニストの方は、これを支援するために本国側の支援ユニットと考えればいいんじゃないか。

で、それを左右対立の中でそれぞれに、その時々のアジェンダを与えて騒がせる。

 

しかし発生史としては、

(A) プロテスタント勃興→クリスチャンシオニズム→(B) ユダヤシオニズム→(C) コミュニズム→(D)片割れとしてのトロキスト/ネオコン

 

(B)は英米本国から見て現地の活動。ISのようなもの。(C)は、系統樹として、他の要素(特定勢力のコントロールを目標とした「資本主義」という新規の潮流に対する各社会での抵抗など)が入るので、この中にだけ置くのは不適切。そして、だからこそここが、逆流する可能性(例:スターリンの一国で頑張るぞ宣言)を秘めていたため、(C)から(D)へと勢力が半減した。

といったところだろうか。

 

ということで、アメリカの戦後政治というのは、要するに、トロキスト変形としてのネオコンと、クリスチャンシオニストが左右を作ってきたのだなと改めてよく見える時代となって、いやぁ、うれしいというべきか、悲しいというべきか(笑)。

実にまったく、馬鹿みたいというのが本当のところですね、私としては。

こんな集団のやることを自由だの民主主義だのという美辞麗句で飾ったことがすべての躓きの基。

といって別に自由とか民主主義というアイデアが悪いのではない。ただ、この人たちにとってそれは政治的スローガンに過ぎない。であれば、地球上の残りの人はあんまり信じないほうがいいよというお話。

自由と民主主義があればすべてうまく行くというのは、単なる思い込みに過ぎないでしょう。自由、ジャスティス/道徳、安定、繁栄、みたいなテーマならわかるけど。

 

ウクライナ危機の頃さんざん書いたのでこのテーマは飽きてるんだが、要するに、英米が主体となった過去150年の戦略は、各国の人々による人々のための統治にとっての敵だったということ。

だって、外国から巨額の資金を投入して政治状況を作って、クーデーターだの革命だのをさせるわけだから、国内の自発的な発展機会を奪ってるわけですよ。人に差異があるように、nationにもいろんな来歴と生き方がある。それを無視して、ごく少数の人たちの利益を得るために、大多数の人を犠牲にして変革を起こさせる。

こっちはだから、寡頭勢力による寡頭勢力のための支配が目標といったところ。当然、多くの人間はその犠牲となる。というか、寡頭勢力にとって一般人というのはモノでしかない。

 

■ オマケ

考えてみれば、オバマ時代は、トロキスト/ネオコンの活躍が異常に目立った。そして次のトランプはクリスチャンシオニストの時代となった。

次はどうするの? 他になんかあるの?

 


 

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4 コメント

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お題目としての自由、民主主義 (私は黙らない)
2019-06-18 03:34:07
本来、崇高な理念であるべき人間の自由や、民主主義を、侵略のお題目もどきに貶めてしまったこと。
香港を見ていると、アンビバレントな気持ちになる。
香港の「自由」を守ろうと、路上にでている無邪気な市民に対する同情と、その背後に対する疑心と。
中国政府による徹底した人民管理に対する抵抗なのだろうが、果たして、それがITの巨人達との官民一体の目に見えない徹底した監視とどちらが悪辣だろうか。(私はどちらも嫌だ。)
無邪気=無知では、踊らされるだけだ。背後に踊らされちゃいけない。
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自分が入植したら (私は黙らない)
2019-06-18 05:08:48
口だけでなく、まずは、自分の娘と娘婿引き連れて、自分が入植すれば。トランプ高原に。身をもって体現しないと。
口では煽るだけ煽るくせに、誰もそんな危険なところにはいかないよ。アメリカのシオニストは。
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Unknown (ローレライ)
2019-06-18 07:36:44
コミンテルンはアメリカが本部だった!スターリンは反主流派だった、という話。
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欧米白人の植民地主義の残滓 (宗純)
2019-06-18 09:27:43
仏教の生まれたインドは今ではヒンズーになったが、
同じようにユダヤ教徒だったパレスチナの住民が2000年後にはイスラム化するのは当然なのです。
白人のユダヤ教徒と欧米が無理やり作ったの人造国家イスラエルが、本物のユダヤ人(セム族)のパレスチナ人を徹底的に弾圧している植民地。その存在自体が今では時代遅れなので、遅かれ早かれ消滅する運命にある。

イギリスの植民地だった香港の方が、少し複雑ですが、今回の騒動の原因も植民地主義の残滓で、1997年に香港返還される3カ月前にイギリス当局が20カ国と逃亡犯引き渡し条約を結ぶが、そこに台湾と中国大陸を除くとの但し書きを注入したことが、そもそもの原因だった。まさに植民地の残滓。

ただし、今回では天安門事件から30年で盛り上がっている絶好のタイミングで提出されたのですから???
もし知らなかったとすれば香港当局は愚かすぎる。ほぼ痴呆状態。???
もし、意識してやったとしてら自作自演の摩訶不思議な騒動だ。いずれにしろ謎だらけ
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