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ロシアからUK政府への14の質問&UKは危険だ

2018-04-02 19:34:59 | 欧州情勢複雑怪奇

週末書けなかったので2.5日ぐらい遅れた情報なんだけど、

ロシア政府はUK政府に対してスクリパル氏の事件についての14の質問を突きつけている。

Moscow confronts London with 14 questions on ‘fabricated’ Skripal case
Published time: 31 Mar, 2018 16:51
Edited time: 31 Mar, 2018 19:23

https://www.rt.com/news/422871-russia-questions-uk-skripal-case/

 

中身は、日本の報道機関と違ってしばらくたつと消える(NHK)、有料の壁の向こうにいくといった仕様でもないのでコピペする必要はないと思うけど下に参考までに貼っておこう。

で、重要なのはまずなんといって1と2でしょう。

なぜ、英国領で傷ついた2人のロシア市民に対して、ロシアは領事館に条約で認められた自国市民へのアクセスを否定されたのか

1. Why has Russia been denied the right of consular access to the two Russian citizens, who came to harm on British territory?

そしてその結果として

この事件の犠牲者にどんな種類の解毒剤が与えられたのか? そのような解毒剤を事件現場の英国人医師はどのようにして入手できたのか?

2. What specific antidotes and in what form were the victims injected with? How did such antidotes come into the possession of British doctors at the scene of the incident?

 

なぜ重要かといって、この事件に限定されない枠組みで考えればわかる。ロシア市民が外国である英国で事件に巻き込まれ、病院に入れられているという。

そこにこの市民の権利が保障される大本の国であるロシア国家が接近できないということは、この市民の権利を守る究極的な主体は関与していないということ。

ちなみにスクリパル父はロシアとUKの二重国籍だが、娘はずっとロシア国籍。さらにロシアにはこの父の母も存命で親族も多数いるが、いっさい英政府から連絡されていない。

日本人が中国に旅行中、どうやら事件に巻き込まれた。病院に入ったと中国メディアは言う。しかし、日本の領事館、大使館の職員は会えない。それも1日や2日ではなくて、1カ月近く会えない。

異常事態でしょう、これは。

しかも、イギリスはもっと恐ろしいことをしていたフシがある。スクリパル親子は意識不明の重大だという触れ込みでいる間に、イギリスの裁判所が関与して、非公開で保護決定していた。目的は彼らから血液を採決すること。で、父親の方は二重国籍なのでイギリス市民として手続きし、娘の方は、意識不明であるとして要するに行為能力不存在を理由に弁護士を行政が選任してつける手続きを取った。しかし、大問題なのは、この人はロシア人であるにもかかわらず、ロシアの領事館には知らされずに手続きをしたこと。

そして、その上で、国内法的には適法である弁護士の関与手続きを経て、意識不明の親子から血液を採って、化学兵器禁止団体からの申し出に答えた。

これって、フェアかどうか判断できないどころか、恐ろしいことをしている可能性を考えざるを得ない。

つまり、病院に入れた親子になんらかの薬物を投与し、その上で採血することが可能だということ。

あるいは、麻原みたいな処遇にすることだってできるでしょう。

というわけで、在英ロシア大使館の問い合わせに答えなかったことの意味は限りなく大きい。

(しかし、ささやかな明るいニュースは、なぜ非公開の保護決定を私たちが知っているかといえば、イギリスの裁判所のこの件をさばいた判事さんが、政府機関が弁護士を連れてきて、ロシア人なのにロシアが関与していないことに疑義を持ったようで、まるめていえば、いずれにしてもこの決定は公開されるのでロシア大使館は知ることになるだろう、という文を入れて、決定を公開にしたから。このへん参照

 

しかし今もってこの親子がどうなっているのかは、全体としては謎のまま。ほとんど人身保護法令違反の案件だよなといった趣。

そこで、ロシア外務省は、サマースクールなどでイギリスに子どもを送ろうとしている親はよくよく考えるようにという広報をしてる。

Russia’s embassy advises parents against sending children to do summer courses in UK

http://tass.com/politics/997107

 

上の成り行きからすると当然ですね。自国民を守らせてもらえない国に、大人はおろか子どもを送り出せないでしょう。

さらに、在英ロシア大使館は、一般人にも、何か手元品に入れられるとか、意味不明な言いがかりで連行されるといったことも考えられるので注意するように、イギリス当局との間で悶着があった場合は記録しておくようにというお触れを出している。

これも当然でしょう。

正義が達成されない場になったイギリスに行くことは、非常に危険だと言うしかないでしょう。

そしてこれは、私が思うにひとりロシアだけの問題じゃないと思う。

あの狂ったメディアと情報機関の手にかかったら、どんな言いがかりをつけられて、人生を台無しにされるか知れたものではない。リスクを取りたくない人はイギリスには関わらないほうが良いといって差し支えない。

外交官、大使館同士の信頼関係を破壊するという行為の恐ろしさをまったく考えていないイギリスという国は、実に恐ろしい。

 

■ オマケ

ロシアからUKへの14の質問

https://www.rt.com/news/422871-russia-questions-uk-skripal-case/

1. Why has Russia been denied the right of consular access to the two Russian citizens, who came to harm on British territory?

2. What specific antidotes and in what form were the victims injected with? How did such antidotes come into the possession of British doctors at the scene of the incident?

3. On what grounds was France involved in technical cooperation in the investigation of the incident, in which Russian citizens were injured?

4. Did the UK notify the OPCW (Organization for the Prohibition of Chemical Weapons) of France’s involvement in the investigation of the Salisbury incident?

5. What does France have to do with the incident, involving two Russian citizens in the UK?

6. What rules of UK procedural legislation allow for the involvement of a foreign state in an internal investigation?

7. What evidence was handed over to France to be studied and for the investigation to be conducted?

8. Were the French experts present during the sampling of biomaterial from Sergei and Yulia Skripal?

9. Was the study of biomaterials from Sergei and Yulia Skripal conducted by the French experts and, if so, in which specific laboratories?

10. Does the UK have the materials involved in the investigation carried out by France?  

11. Have the results of the French investigation been presented to the OPCW Technical Secretariat?

12. Based on what attributes was the alleged “Russian origin” of the substance used in Salisbury established?

13. Does the UK have control samples of the chemical warfare agent, which British representatives refer to as “Novichok”?

14. Have the samples of a chemical warfare agent of the same type as “Novichok” (in accordance to British terminology) or its analogues been developed in the UK?

 

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3 コメント

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娘さんは意識を回復した (И.Симомура)
2018-04-02 20:49:13
四日前のインタファクス記事によると,娘さんの方は意識を取りもどし,会話もできるらしい.お父さんは重態だが安定した状態にあるという.ここまで書かれると英国諜報機関も迂闊なことはできないでしょう.
返信する
でもまだ主張のみ (ブログ主)
2018-04-02 21:10:53
Симомураさん、

とUK政府が言っているだけで、まだ誰も第三者またはロシア政府は会って確認していないと思います。

また1月もの間を考えると、彼女が表に出てきた時の彼女のマインドが彼女のものと考えることはできない可能性もあるかもしれません。
返信する
外交官追放 (私は黙らない)
2018-04-03 03:56:19
日本政府が、ロシア外交官追放に同調しなかったのは、この政府にしては珍しく賢明だったと思う。
返信する

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