いやもう、壮絶ですね。
昨日の国連安保理なんか、この感じが満載。
たまたま見た時オランダの代表がロシアを詰ってたけど、この人たち自分が何をやっているのか、その帰結がどうなるのかよくわかった上でやっているんだろうかと思ってみたり、要するにこれは日本がどうしても中国から引き上げられなかった時代と同じ感じなんだろうななどとも思った。
どうしても戦争したい、敵対したい、なんとかして永続させたい、と。
で、今日は今日とて、英米とフランス、ドイツがこぞって、ロシアの行動は英国の領土的一体性に対する侵害だ、ロシアは返答すべきだ、みたいなことを言ったらしい。
France, Germany, US, UK say Salisbury incident a violation of UK’s territorial integrity by Russia
https://www.rt.com/news/421396-nerve-agent-europe-use-skripal/
要するに、英国の領土をロシアは攻撃した、と言明したわけです。
だったらNATOがロシアに攻撃するしかないじゃんね(笑)。何をもたもたしているんでしょうか。
そんな危険な茶番の一方で、あまりのことにいろんな人が頑張って書いていることが非常に興味深くて、いやぁ勉強になるなぁとか思った。
今日は時間がないので詳述しないけど、
ロシアが使ったと言われている神経ガスNovichokは、実在が疑われているという説もあるらしい。
この神経ガスはロシアのスパイの化学者が、ソ連崩壊時アメリカ(または西側)に売り込んだもの。ソ連はおそるべき化学兵器プランを持っている、という触れ込みで、その中にこの神経ガスが入っていた。
しかし、それはこの化学者が本で組成を明らかにしているので、作ると思えば今やロシア以外でも作れる。
ちなみにこの化学者は現在アメリカ在住で、豪華なお家に住んでいるらしい。またかよ、って話ですね、ほんと。
また、おそるべきか否かはともかくソ連は化学兵器施設をソ連のあちこちに持っていた。問題のNovichokが作られていたのはウズベキスタン。そして、その施設はアメリカの監視の下に解体されている。当時はウズベクとかはアメリカに支配されているような状況だったため、西側の外交官も立ち会っている。
そのうちの一人が、イギリス政府の最近の行動に非常に批判的なクレイグ・マーレー氏。この人はセス・リッチあたりの問題で告発を始めた人でもあり、そのあたりから、結局今般の問題の後ろにいるのは、ソ連解体時にかかわったMI6の人たちを怪しいと睨んでいる模様。
Are 'Novichok' Poisons Real? - May's Claims Fall Apart
http://www.moonofalabama.org/2018/03/theresa-mays-novichok-claims-fall-apart.html#more
なんというか、過去数十年、後ろで行動していた人たちの行動が見えてくるようで、非常に興味深い展開だわ。
そして、どういうわけか、とにかく神経ガスに拘る西側というのも実に興味深い。この線から分析している人たちも出てきた。
もう一つ。兵器級の毒ガス、神経ガスについては、ロシアは化学兵器禁止機関という列記とした機関の立ち合いの下で、昨年2017年に全廃した。これは当時も記事になっている。
そして、アメリカ、イギリスなどはこの機関には加盟しているものの、お金がないだのなんだのと理由をつけて全廃しようとしていない。
去年この話が出た時、そういえばロシアの担当部署の副大臣だったかが、貧乏なロシアに出来て、どうして彼らに出来ないんでしょうね、それはやっぱり用事があるからですかね、と皮肉を言っていたことを思い出す。
というわけで、こっち方面の全廃を拒否したいという動機から、ロシアや北朝鮮の脅威がある以上、我々は化学兵器を必要としているのだ、と言いたいという方面からの要請もあるのかな、など考えてもみる。
いずれにしても、この先どうする気なんでしょうね、英米仏独は。
私たちはこの人たちのだらしなさのおかげで、死ななくてもいい人を死なせ、移動しなくてもいい人を遠くの国に追いやり、酷いことばっかりしているんだなと思う時、西側なるものの中に生まれた不幸をかみしめざるを得ない。愚かで軽薄な世紀だ。