アフガニスタンの状況は、不透明なことばっかりだが、西側メディアが騒ぐほど混乱していないのではないのだろうか、といった感じがする。
そんな中、自衛隊の輸送機を出して邦人救出だとか言っていたけど、
アフガニスタン国外退避 自衛隊による輸送 きのうは行われず
このうち最初に現地に到着したC2輸送機が、現地時間の25日夜、カブールの空港に向かい、誘導などに当たる隊員を送り届けたということです。
C2輸送機は、退避を希望する人が空港にいればイスラマバードまで輸送する予定でしたが、空港に到着できた人はおらず、25日は輸送は行われませんでした。
C2輸送機は、退避を希望する人が空港にいればイスラマバードまで輸送する予定でしたが、空港に到着できた人はおらず、25日は輸送は行われませんでした。
だそうだ。
JICAの人とかは自主判断でパキスタンに行ったとかいう話もどこかで読んだので、既に概ね各自行動し終わっているということだろうか?
基本的に、アメリカの空輸を助ける目的でパキスタンに行ってるんだと思うけど、それほど需要がないということなのか? わかりません。
■ 旧ソ連各国
他方、ロシアは水曜日にイリューシンの大きいのを4機出して、ロシア市民だけでなく、キルギスタン、タジキスタン等の元ソ連だった国の人たち総勢500名をカブールから連れ出した。
Russian Military Plane Evacuates Hundreds from Afghanistan’s Kabul
WATCH Russian military planes evacuate hundreds from Afghanistan
途中、キルギスタン、タジキスタンでストップオーバーして、モスクワに帰るフライトだった模様。
これは一体どういう人たちなんでしょうかね。カブールの親戚の所に行ってたという人のコメントは見たけど、他の人がどういう人たちなのかは不明。
中に、ベラルーシはともかく、ウクライナ人も入っているらしい。まぁ、結局、これらすべての人は、IL-76の姿を見たら、あ、もう大丈夫、みたいな感じで安心するんだろうと思う。
でもって、今般、退避を決めて速攻で実行したのは、先行き不透明で、混乱、程度はいろいろだけど内戦の懸念が消えないからでしょう。プーチンが、ロシア軍をアフガニスタンに出す気はない、と明言していることと重ねると、助けに行かないから、前に退避させるという意味かと思ってみたりもする。
Russia not to draw its army into all-against-all conflict in Afghanistan — Putin
また、パシュトゥンの優越が確定すると、その他の人々は劣位に置かれ、部族社会のやり方だとおそらく市民は皆平等という建て付けにはならないから、今のうち旧ソ連中央アジア各国の人たちはアフガニスタンから撤退することを推奨する、みたい感じもあるんじゃなかろうか。部族社会って、「近代化」※しなかったという意味なので、一律に法が適用されるという概念が育たない(うらから見れば、適用されるべき法の下に平等、というのができない)。
※私はこれを、新しくなる、近代になる、と称するのは間違っていると思ってる。本当のところは、帝国クラスの大きな法域における法の一律適用による個人の平等化現象なんだろうと思う。コンスタンチノープルでもロシア帝国でも起きてる現象をWesternizeと呼ぶのはおかしいし、近代化もへん。
■ 1席6500ドル
他方、傭兵屋としておなじみの、ブラックウォーター創設者のエリック・プリンス が、カブールからの脱出で、1席6500ドル(約70万円 )という値を付けていたらしい。
ウォールストリートジャーナルが書いてる。
In Kabul, Private Rescue Efforts Grow Desperate as Time to Evacuate Afghans Runs Out
70万でどこまで行くんでしょうか? そのままロサンゼルスまで、とかのブッキングなんだろうか? それでファーストクラス待遇とかいうなら高くないんだろうけど、そんな席なの???
よくわからないけど、なんというか、アフガニスタンって結局こういう安全保障に名を借りた、インチキ屋の大乱痴気大会だったともいえるから驚きはしない。
■ ハイジャック説一転何もなし
さらには、ウクライナの飛行機がアフガニスタンで武装集団にハイジャックされたという説が流れていた。そして、その飛行機はイランに行ったという話だった。
しかし翌日話は一転して、ウクライナ外務省はそんなことはありません、ウクライナの飛行機は帰ってきましたといい、イランは、単にウクライナの飛行機が給油のために立ち寄った、とか言ってる。
あんな近いところで給油もないだろう、と疑うこともできる感じは残る。
また、メディアが書いただけじゃなくて、ハイジャック説は、そもそもウクライナ外務省の人が、正体不明の人たちがウクライナ機を取り押さえて、誰だか知らないグループを乗せてイランに行った、我々の飛行機は盗まれた、と言い出したのがきっかけ。
"Our plane was hijacked," Yenin explained. "Last Tuesday, we actually had our plane stolen – it flew to Iran with an unknown group of passengers on board, instead of taking Ukrainians out."
やばい金持ち軍団が、ウクライナ機を乗っ取ってイランに退避させた、みたいな感じのことが起こってもまったく不思議ではないと思う。もしそうなら、ウクライナなら後でごまかせる、と確信できる人たちの犯行でしょう。
■ 英仏独、延長したがる
ヨーロッパ方面は、NATO各国が統一的にやってるのかどうか、なんだかよくわからない。
イギリスは既に7000人ほど連れ出したと報じられていることから見ても、連れ出す気はある。
だがしかし、全体として、もっとたくさんの工作員を送り出しているわけで、それを急いで全撤退させたくないのが本音であるようにしか見えない。
英仏独は、バイデンが8月31日の期限厳守といっているが、延長しろ、と叫んでいる。
Germany, France raise idea of Kabul evacuations beyond August 31 deadline — as it happened
誰に何を言ってるんだろうねこの人たちは。アフガニスタンは、大統領が逃亡してそこを埋めたタリバン集団が現在デファクトの主で、住民から大きな反対もないんだから、まずは、タリバンさんのご都合を聞くのが他人の務めでしょう。
だがしかし、そんなことは考えてもいないのが西ヨーロッパの奴ら。
お前ら出ていけって言われてんねんで、と、まるっきり中国に居座った日本がここにいる!! よかったね、私たちだけじゃないわ!(笑)
アメリカというより、こっちの方が、日中戦争時の日本の事情によく似てる。アメリカは、だって、策を弄するつもりだろうがなんだろうか、ともあれ一回撤退を決断できちゃうんだもの。
ということで、何か、いろいろと思惑が走っている感じのするアフガン陥落ではある。
でも、どうあれ、私は、一回軍事占領状態を切ったのは評価する。NATO/USの嘘八百を言わせたままにしておくということは、現地民の命はものの数にも入らない状態を継続するということ。一回切れてよかった。
「近代国家」を国家の進化論で捉えていいだろうかという疑問。
新しくなる、近代になるというのとは違うというご指摘、その通りだと思います。
法の下に平等の理念は素晴らしい。
ですが、国家の進化形=近代国家という価値観を無理やり押し付けると破綻する国もあるのはアフガンだけではないですよね。
それと、近代国家と言われる国でも、法の下万人が平等というのは幻想に過ぎない。
とにかく、「近代国家」が国家が一番進化した形という価値観の押し付けが、ウザい。
それと、ブログ主さん、ちょっと変じゃないですか?
ほとんど一戦も交えない、タリバンの国取物語。
想定外だったの、やれCIAの情報収集能力不足だのと言われますが、ありえない。
政府軍が使い物にならないのは、常々言われていたことだし、現地にいれば、そんなこと誰だってわかったはずじゃない。バグラムから夜逃げすれば、あぁ、こりゃもうダメだってわかるに決まってるじゃない。
アメリカは知ってましたよね。おそらくタリバンへの国譲渡はシナリオ通りということですね。
タリバンはアフガニスタン人以外の出国を認めている、アフガニスタン人の出国は認めないと行っている、自衛隊はアフガン人連れ出すと撃墜される危険がある、現にフランスのアフガニスタン人拷問部隊などを乗せた飛行機はチャフやフレアをバラ撒巻いて離陸しています、アフガンからの輸送機にほとんど人が乗っていないという情報は正しいようです。
タリバンと一悶着起こしたいグループがテロを行っています。
空港内は米軍がアフガン人に向かって水平射撃を行ない、水食糧の不足した状況は、ゾンビZ状態とわれています。