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クルドかトルコ、どっちを取るんだよ by エルドアン大統領

2016-02-08 05:44:43 | 欧州情勢複雑怪奇

トルコのエルドアン大統領が、ワシントンは俺を取るのかクルドを取るのかはっきりしろと脅しをかけた模様。

というのは、オバマ政権がクルド支配地域のコバニに特使を派遣したため。なんのためになのかはよくわからないけど、トルコにしてみれば、クルドはすべからくテロリストなので、そこと対話するとは何事かということらしい。

これはスプートニクの記事。
http://sputniknews.com/middleeast/20160207/1034375512/erdogan-us-turkey-kurds.html

こっちは、アメリカABC。
Erdogan: US Should Choose Between Turkey, Kurdish Forces
http://abcnews.go.com/International/wireStory/erdogan-us-choose-turkey-kurdish-forces-36770257

■ アレッポ陥落間近の衝撃

で、要するに、先週書いた通りアレッポをアサド側が落としそうなので、各方面が今後をにらんで動いている、あるいは、あきらめきれずになんとかしようとしている、ってことでしょうね。

シリア軍、奪還作戦鋭意進行中


アサド政権を退陣させるべきといいはって、退陣させた後はシリアを分割して、適当にジハードを置いて混乱させたままにしようとしていた勢力、つまり、トルコ、サウジ他湾岸諸国、イギリス、フランス、そしてアメリカは、どうやってこの局面を処理しようかと苦闘しているってことでしょう。各国に徹底抗戦派と妥協派がいるんだろうと思う。

これを側面支援し続けた欧米メディアが最高度に強行だったりもするし、このへんは現場を知らずに言われた通りに戦争を作ってきてしまってるので、引きようがない。

日本もその一カ国ですね。あいかわらず、英米紙とまったく同じ視点でちゃんと書くのね(笑)。NHKは安倍ちゃんに仕切られてると考えている人がいると思うけど、私はNHKの方が安倍ちゃんより強いと思うな。だってグローバリストの世界戦略の一つのツールでしょ、このへんって。私たちはただお金を払わされてるだけ。

トルコ国境にシリア避難民3万人余押し寄せ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160207/k10010400561000.html

(中略)シリア北部でアサド政権が大規模な軍事作戦を展開するなか、戦争に巻き込まれるのを逃れるため3万人余りの避難民がトルコとの国境付近に押し寄せていて人道状況の悪化が懸念されています。

人道状況の悪化が懸念されるなら、テロリストだの傭兵軍団を送り込んだ人たちをまず難詰したらいいんじゃないの。

取り返さなければテロリストは出て行ってくれないんだから、シリア政府軍は戦うしかないでしょ? 

あれか、日本に中国、韓国、アジア各地からの傭兵部隊が数も把握できないほど投入されて、北関東一体の街々が破壊され、占拠され、3年間持ちこたえた日本軍がこれではいかんと奮起して、アメリカ軍の支援を借りて宇都宮攻略を行っています、とかいう時に宇都宮市民が大攻勢を察知して大量に移動したら、人道上の危機が~とか書くんですかね、NHKは。まずは傭兵部隊出ていけ、って話でしょう。そもそも何用あってトルコは勝手にシリア国内に武器、弾薬を補給していいわけ?

頭使ってものを書けよ、キ印集団! というのが私が彼らに向けられる言葉ですね。この人たちは、シリアという国家が外国人によって無視され、破壊されたという点をまったく考慮していない。こんなことがあっていいのか!

まぁNHKだけじゃなくて、嘘を垂れ流している欧米主要メディアと同期してるので仕方がないといえば仕方はないんでしょう。とりわけ、ガーディアンあたりが酷かったなぁと思うわ。ウクライナでもそう。偽情報の発信源だったのはガーディアンが筆頭だと思う。

私がここで怒っても仕方ないわけですが、私はもう西側なる集団に絶望してる。どうにもならん、この嘘つき集団は。

ポール・クレーグ・ロバーツが、西側は自分たちが大事に育ててきた様々な価値さえぶちこわしにしているとどこかで書いていたけど、私もまるっきりそう思ってる。

■ で、アレッポ現状

それはともかく、アレッポは、先週書いた時にはトルコ側との供給ルートの遮断具合がわからなかったんだけど、どうやらかなりの程度ルート遮断に成功た模様。ということはアレッポ陥落はもはや事実上達成って感じみたいだ。

Al-Nusra Front Confirms Deaths of 300 Terrorists in Syria's Aleppo
http://sputniknews.com/middleeast/20160207/1034377265/colossal-crackdown-aleppo.html#ixzz3zWLK7crg

そこで、トルコ、サウジが何をしようとしているのかに現在注目が集まっている。狂人度上がってるので、トルコ、サウジによる本格的な攻撃の可能性は消えてない。どっちも装備はマジで立派な国だから大戦争の可能性はある。

消えてないし、NATOと旧ワルシャワ条約機構の諸国で締結されているOpen Sky Treatyとかいう約束ごとにもトルコが応じない事態が発生してロシア軍が会見をしていた。つまり、両側が怪しい動きはしないというのを見せるために相互に要求があったら偵察をするという体制になっていて、ロシアにも一年に何十回もこれらの締結国からの偵察機は飛んでいるし、トルコもやっているんだそうだ。それなのにトルコは今回これを拒否している。これは何かする気なのか、懸念しまっせ、by ロシア軍、ということらしい。

まぁこれはロシアにというより、アメリカに対する脅しのようなものかもしれない。上のように、俺を取らないんだったら、俺は暴発もできるんだぜ、みたいな。


そういうわけで、暴発危険性は一応あるようなんだけど、でもさ、それをやってどうするのよ、なんだよね。でもこれであきらめるような人々とは到底思えないので、おそらくオバマ政権が代ったらまた何か仕掛けてくるに違いない、とも言える。

いやしかし、よくぞよくぞここまであからさまな侵略行為をするものだと、週を追うごとに私は尚一層そう思う。

各紙おどろおどろしく書いてるけど、結局、あきれるほどの侵略行為と、あきれるほどの泥棒行為だからね、シリア問題って。で、私の評価ではこれはブッシュのイラク侵略より数段悪い。ブッシュはいくぞといって行ったが、リビア、シリアは嘘、捏造で、ストーリー作って自分をきれいに見せながらやってる点で性質が悪い。ヒラリーが勝てるわけないんだよ。

現代の盗賊≒NATO

現代の盗賊物語 (2)


 

現代思想 2015年10月臨時増刊号 総特集◎安保法案を問う
磯崎新,大友良英,斎藤貴男,奥田愛基,香山リカ,水野和夫,斎藤美奈子,ピーター・バラカン,茂木健一郎,池内了,雨宮処凛,北原みのり,森達也,想田和弘,伊藤真,板垣雄三,竹信三恵子,大内裕和,山口二郎,五野井郁夫,市野川容孝,木下ちがや,木村草太,松本卓也
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2 コメント

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反体制派というマジックワード (ブログ主)
2016-02-08 16:42:46
なるほど、と思いました。

日本って左右もリベラルも同じ「史観」ですからね、結局。白人の帝国主義に抗する我々、みたいなものの見方をするから抵抗者と聞くとそっちにつこうとする。

でも、rebelは欧米の苦肉の策の言い方ですので、中身はまるっきりのジハード&傭兵なんですが。
返信する
『西側製ポルポト派』 (ローレライ)
2016-02-08 08:15:07
『西側製ポルポト派』を送り込んだのが、リビアとシリアなんだが日本や欧米のリベラル派にもシンパがいてリクルートしている分『西側の反体制派の島流し』にもなっている。
返信する

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