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ロシア爆撃機、中国爆撃機

2017-08-27 14:46:38 | 太平洋情勢乱雑怪奇

25日付けの読売の記事。

中国爆撃機、紀伊半島沖に…防衛相「関心表明」

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170825-OYT1T50113.html

 小野寺防衛相は25日の記者会見で、中国軍の爆撃機「H6」6機が24日に沖縄本島と宮古島の間を通過して紀伊半島沖まで飛行したとして、外交ルートを通じて中国側に飛行の意図を確認する「関心表明」を行ったことを明らかにした。

領空侵犯しているわけではないので、強い抗議などもできず、でも一応何か言っておくことは重要だ、そうだそうだ、みたいな感じなんでしょう。

沖縄本島と宮古島の間をわざわざ通ってきているのが、できればそこを閉ざしてやりたいと思っている日本からすると腹立たしいというのもあるでしょう。

H-6 wiki

が、それはそれとして、今週日本近海を飛んだ爆撃機として世界中でニュースになっていたのはこれではなく、ロシアのT-95という長距離戦略爆撃機の方だと思う。

これこれ。

ロシア爆撃機が朝鮮半島付近飛行

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017082500260&g=int

 【モスクワ時事】ロシアのメディアが24日に報じたところによると、ロシア国防省は核搭載可能なTU95戦略爆撃機が太平洋や日本海、黄海などの上空を飛行したと発表した。通常任務で公海上空を飛行したと説明したが、日時は明かしていない。

私は、これについて、時事のおとなしい記事じゃなくて産経から色物みたいな記事が出てくることを楽しみにして、それが出てから何か書こうと思っていたのについに出なかったっぽい。

去年は、産経系列では、中国海軍と艦隊決戦するかのような爆笑記事を書いていたので、ロシアとの航空戦はどう書くのかとても楽しみにしていたのに、残念だ。

チャイナもシリア公式デビュー、そして日本は艦隊決戦

 

で、ツポレフ T-95はこんなの。

 

Tu-95が単独で飛んできたわけじゃなくてSu-35とかA-30を伴っていた模様。

当然考えられる通り、折から米と韓が行っている北朝鮮向けの演習を空からウォッチよ、という偵察ミッション、あたりが、フライトに対する直近の理由であろうと思う。しかしそうは言っても核ミサイル搭載可能のでかい爆撃機なわけですよ。だからこそニュースになる。

Tu-95は古い型だけど性能に問題があるわけじゃないし、大きいのでたくさん積める、使い出ある、というのもポイント高い。だから偵察にだっていいんじゃない、というのも一つの考え方かもしれない。

しかし、最近もシリア戦で古い機体をモダナイズし、そこに最新のミサイルを積んで登場していたことを考えると、やっぱりミサイルを積むことを想定しているからこその爆撃機、なんでしょう。

アラスカの米領付近でもインターセプトした、しない云々で多少ニュースになっていたことから考えるに、太平洋方面でもモダナイズした機体に最新のミサイルを積んで飛び回る可能性を示唆している、ってな感じなんでしょうか。

いろんなミサイルがあるけど、最近開発されているという話の音速の何倍たらいうハイパーソニックミサイルZirconが最近話題になっていることもここに重なってくるのかも。6月に実射成功したとかいう話が一部アメリカで出回っていた。

Zircon 

これによって何が示唆されるのか、あるいはどんなパワーが投影されるのか。

まず、そうでなくても「おまじない」みたいんだと言われ続けているミサイル防衛網に対するダメ押しアプローチかなぁ、と思う。Kalibrミサイル系統の神出鬼没作戦も有効だが、高速化したデカい奴、ってのも対策になるっしょ。

次に、空母は無事じゃねーからな、というのもあるでしょう。空母は場合によってはsitting duck(動かないアヒル→いいカモ)というのは昔から言われている通り。だからこそ艦載機の性能が問題になるが、しかし、遠くからミサイルが精度良く打てちゃうとしたら、この話もワヤになる。

これは別に新しい話じゃない。アメリカにはそもそも、ミサイル時代に空母に多額の金をつぎ込んだのは間違っていた、この路線をやめろーという説は前からある。

それかあらぬか、ロシアは、日本・グアム・ハワイ諸島のトライアングルを重爆撃機でパトロールするミッションを計画しているらしい。どこまで本当なのかは、今後を見ないとわからんけど。

The daily Izvestia newspaper reported in October last year that Russia was close to finishing setting up a new division of heavy bombers to patrol "the Japan-Guam-Hawaiian Islands triangle."

August 24, 2017 / 4:34 PM / 4 hours ago
Russian nuclear bombers fly near North Korea in rare show of force

https://www.reuters.com/article/us-russia-southkorea-bombers-idUSKCN1B40MP

 

全体としてみると、日本が、中国が太平洋に出てくる、けしからん、けしからん、けしからんと大陸方面に目をくぎ付けにして妄想しているうちに、いや俺らもカムチャッカがあるので最初っから太平洋関係者なんですわ、と背中でロシアが言う、みたい感じか。あはは。

そのうちロシア海軍の将校が、「ハワイをやれないか」と言い出す、みたいな(笑)。でもエネルギー大国だし、我慢強いという評判を取り続けている人たちなので「今やらないと」という博打をうちそうもないのが問題か。いや問題じゃないんだが。

 

それで日本は何をしているのかと思えば、アジア・アフリカ成長回廊、たらいう構想の下に、やたらにインドに入れ込んでいる。この赤線ルートが大事らしいんです。

 

日本の報道だけ見てると、商売の話を中心に据えていた印象。例えばこれ。

モディ首相は23日、インド西部ガンディナガルで行われたアフリカ開発銀行年次総会の開会式で、日米との協力が深化していることを訴えた。

日印は首脳会談で、アジアとアフリカの産業回廊などの開発を促進することで合意しており、JETRO(日本貿易振興機構)やインド政府系シンクタンクは会議中の24日、「アジア・アフリカ成長回廊」の未来像を作り上げていくことを発表した。

http://www.sankei.com/world/news/170527/wor1705270058-n1.html

 

でもこれ、安全保障の話、どこに軍のリソースを投入するかの話が先に来ている印象は絶大。安倍ちゃん時代に最も「成果」があったのは、インドをアメリカ側に引っ張て来た、繋ぎとめた、ってことじゃないかと思ってみたりもする。

安倍ちゃんというのは、西側覇権、西側というシステムのために精一杯尽力しているという印象ですね。日本の首相じゃない、世界(アングロ・シオニスト・アメリカ世界)のための安倍なのだ、とか思ってそうだ。

で、日本国内で一体全体自分たちの安全保障がインドの動向と密接にかかわる可能性がある、と理解している人はどれだけいるんだろう? 

インドとくっつくと騒ぎだした頃私が真っ先に思ったのは、これって現代のインパール作戦なんやろか、ということ。前回も今回も、中国と上手く行かなくなって活路を見出すような心情からインドに目が向く、というパターン。不吉。

 

■ オマケ

そういえば、妙な事故が続いた米海軍。スプートニクにこんなことまで書かれてしまう始末。

米海軍第7艦隊 戦わずして破砕か

https://jp.sputniknews.com/opinion/201708244017706/

戦闘以外の事故だの座礁だの修理だのによって、アメさんの艦隊が大変らしい。

ぶっちゃけ、アメさんの軍組織は士気を維持できなくなっている点が、隠れた(隠れてないけど)大問題だと思うなぁ。そりゃあなた、16年も意味不明な戦争で民間人殺しに勤しみ、アフガニスタンではCIAの麻薬フィールドの確保かよ、と言われてみたり、去年はアルカイダの空軍となってみたりとか、もう、むちゃくちゃなわけで、真面目にやってられるかよ、と思わない兵隊はいないという感じでしょう。一方で、高級将校は軍産に天下り、政権に入り込みとおいしい地位の確保に余念がない。

これをなんとかする、ってのはそう簡単なことじゃないと思う。


 

 


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2 コメント

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『ソウル経由東京急行』 (ローレライ)
2017-08-27 15:33:44
『ソウル経由東京急行』についているは無視する日本マスメディアだが『中国特急と相互乗り入れ』とハッキリ報道すべきだが『ロシア方面は無視』なのが日本の防衛マスメディア。
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『8月24日、遠海訓練を実施する中国空軍の中国空軍報道官の申進科大佐』 (ローレライ)
2017-08-27 15:43:21
『8月24日、遠海訓練を実施する中国空軍の中国空軍報道官の申進科大佐』「どのような妨害に遭っても、中国空軍はこれまで通り行う。中国空軍が実施した日常的な遠海訓練は関連の国際法と国際実践に基づいた、実践能力を高め、強軍を推進するために必要な訓練だと述べた。japanese.china.org.cn/politics/txt/2017-08/25/content_50003667.htm

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月25日さん☆より


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