国会で重要法案が出て来るとスキャンダルが出て来るという悪しき習慣はどうにかならないものかと思うが、他方で日産の中でゴーンに対するある種の抗議は確かにあったようでそれはそれで興味深い。でもさ、東京地検って一体何の役所なんだろうと笑いが出る。
そんな中、去年12月に、国防総省というより世界制覇軍とでも呼ぶべきペンタゴンが初の監査を受けるらしいという記事を書いたが、
ペンタゴン、ついに監査する気になった模様
1年経ってやったことはやった。
でも、不合格だったそうだが。
米国防総省、初の包括的会計検査で「不合格」 使途不明額は不明
https://jp.reuters.com/article/usa-pentagon-audit-idJPL4N1XR26I
約1200人の会計検査官らが武器システム、職員、資産などへの支出を対象に幅広い調査を行った。
副長官は会見で「監査で不合格となったが、合格するとは思っていなかった」と述べ、省内の財務問題に関して規律を改善する必要があることが分かったと説明。「2兆7000億ドル規模の政府機関の監査であり、実施したということが重要だ」と述べた。
最初から合格できると思ってなかったというのが大笑いなんだが、まぁ実際そうでしょう。みんな、使途不明金だらけし、原理原則なしに軍産と組んでんだろ、とほとんどすべてのアメリカ人が思ってると思う。
そもそも、ペンタゴンの予算が7000億ドルってことは、80兆円ぐらい。日本の現在の歳出が100兆、税収がその半分以下って感じだから、日本人が真面目に納税しても足らないぐらいの規模の軍なわけですよ。大爆笑ですね。一体全体どこにそんな「脅威」があるんだよ、と。
そんな金使って国内どこの都市に行っても万遍なくいわゆるスラム街があり、ホームレスがいる。どんな社会やねん、って感じ。
この国を訪問した人がこんな国になりたいなんて思うわけないだろ、とは20年ぐらい前から言われてる。チャイニーズやロシア・東欧諸国の人たちが一度はアメリカに行ってみたいとは思うものの、あるいは、自分が金持ちになりたい、私はアメで職を得たのでこれでいいわ、ということはあっても、この国は素晴らしいと言い出すかといったら、そんなわけないだろ、ということです。
で、お話戻って、監査はペンタゴンだけやっても意味ない。CIAを含む17もある諜報機関をまとめてやらないと逃げ道を作られてしまう。
そういえば、どうして現在のようにCIAの下請けみたいなのが広がったかのそのきっかけには、70年代にCIAの活動に疑いを持ったチャーチ委員会などの委員会が出来て、活動が制限されたことがあると言われている。
それで反省するのではなくて、それでは、じゃあ直接やらなきゃいいんだな、となっていって様々なNGOなどが使われていったという経緯がある。
軍の方は、自分がやってたところを日本だのNATO各国にやらせて、遠くからリモートで「子分組織」を従えるみたいな恰好を想定しているんだろうと思う。軍も諜報も込みだが。
だから、米の内部だけがキレイになったことを持って、アメリカは縮小しましたなんて考えるのはまったく間違ってる。
→対米自立を促す
→そうだわ、自分でやらないと
→自分で武器も揃えちゃう、訓練もしちゃう
という形にして、最終的な指揮権は米にある、ってのが彼らにとって望ましい恰好でしょう。
親会社とかホールディングスみたいな恰好を念頭においていると考えるとわかりやすい。
ということなので、だからこそ、情報統制に熱心なんだと思う。ものの考え方だけコントロールできれば、国民の支持を取り付けた恰好で、親会社が指示できるから。
逆に、そういう状態がイヤだと思うのなら、彼らからフィードされる情報ではない情報を入れて、分析する姿勢が非常に重要なのは論をまたない。
そこでは、中国の情報なんか、とか、ロシアの情報なんか、といった硬直した考えがブレーキになる。
といった感じですね。アメリカやイギリスの報道だけに頼って、分析能力を失っていることに気づくことに10年、本当に様々な見方ができるまでにまた1世代、といった感じで考えると自立ってとても大変なわけよね。
■ 関連情報
山火事より国体、空襲より国体
確かに戦争下請けブームもあり得ますね。
しかし、そこで一帯一路&ユーラシア連合(ロシア)のあくなき鉄道好きチームによる「インフラに金かけよう派」というアイデアが効くのかも。
これって要するに、戦争より生活だろ! という思想の流布とも言えるわけですよね。