DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

アメリカは左翼なんです

2014-02-24 08:40:11 | 太平洋情勢乱雑怪奇

またまた見応えのある討論だった。

1/3【討論!】安倍外交とは何か[桜H26/2/22](+ 再生リスト)

なんといっても、今回の出演者はみんな年季の入った人ばかりで大変聞きごたえがあった。

特に、時節柄、元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏のコメントは非常に理解できるし、私もだいたい賛成だなと思うことが多かった。

なかでも、「アメリカは左翼なんです」という力説は、その通りだと思う。

左翼といってもいろいろあるが、私の考えでは、アメリカは最も罪深い左翼だと思う。それは、計画経済をするとか極端な平等主義でモラルを失うとかなんとかいう左翼ではない。アメリカにあるのは、勝手な理屈で他人の国の政権をひっくるがえすことにものすごいドラマと喜びを感じる左翼、レジーム・チェンジを見ることに喜びを感じる左翼だ。

さらに、この傾向が罪深いのは、自分たちは他人の国のインチキな「フリーダム・ファイター」の活躍を映画でも見るみたいに喜ぶが、なぜそうなったのかには全く興味がないこと。適当にあてがわれた「敵」を独裁者とみなして熱心にはやしたてる。そして、その結果としてその国がIMFに送られるとか、別の独裁者を抱えるとかしても、それについてはもう全然知ったことではない。つまり、全くの無責任なのだ。

今回もウクライナの動向についても、そこら中で一般人による、自由の戦士のウクライナの反政府主義者が独裁者の国家をひっくり返した、おめでとう! がんばれ、みたいなコメントを見ることができる。さもなければ、せいぜいプーチンは独裁者だ、そのうち戦車が来るぞ、みたいな冷やかしで楽しむ。

しかし、ヤヌコビッチ大統領は、他のウクライナの政治家と同様に汚職にまみれてはいえるだろうが、別に独裁者ではなかっただろう。そもそも議会が機能していることでそれはわかる。しかし、アメリカの大衆はそれを見ていても見ない。

また、首都の一カ所を多数の男女が反政府を叫びながら占拠していたらどこの国でもしかるべき期間内に退去させられるのが普通だと思うが、それを応援し、最後にどうしてそうなったのか不明な過激派騒ぎを見て、自由の戦士が戦ったと喜ぶ。悪しき政権を倒すためには武器を持った市民は当然なのだ。

このセンスが私には信じられない。余程のことがない限りこれはまったく民主的でも自由を重んじる態度でもないだろう。

しかしこれがアメリカの大衆の現実だ。だから、ここから外国人である私たちが学べることは、まず彼らの声を期待してはいけないということ。

今はウクライナという遠い国が話題だが、これは1930年代に日本に向けられた、理由もない対日蔑視、チャイナの人民がんばれというプロパガンダ作戦とまったく同様の構図なのだと知るべきだ。

アメリカの国防総省は比較的まともな部門だと思うし、共和党の一部にもちゃんとしたモラルのある人はいる。アメリカ人の大衆にもまともな人はいる。しかし、抑えておかなければならないのは、彼らは彼らのあのどデカいメディアと強固な「自由の戦士」思考の教育の成果の前では無力だということ。前にも書いたけど、中国とアメリカは本当によく似ている。

そういうわけで、今回の討論でみなさんが話している通り、インドとの関係強化とロシアとの関係改善を念頭にして、今すぐにでなくとも一歩づつ、いや三歩ぐらいづつのペースで対米依存度を低めることに努力すべき。それしか日本が生き残れる道はない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自分でついた嘘に呑まれるア... | トップ | プーチンはアメリカ右派の希... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

太平洋情勢乱雑怪奇」カテゴリの最新記事