シリアは停戦できるのか、と書き連ねてきたけど、今般のロシアとアメリカの共同歩調による事態の解決に向けた取り組みは停戦というより、停戦させるための停止みたいな感じだろうなとか思ってる。
簡単にいえば、ロシアはシリア、イラン、ヒズボラという組みをまとめるから、アメリカはそれ以外の関係者をまとめろよ、って話でしょう。で、どちらが大変かといえばそんなことは言うまでもない(笑)。
前に書いた通りCIAとペンタゴンが別々のごひいきを持ち、その上で英仏あたりが絡み、ドイツとトルコがまた妙な結託したよなぁ的な状況なので、こっちを解くのはとても大変。でも、こっちこそ解かないとならない。
で、合意文書によって結局前から国連安保理でも決議していたのとほぼ同様のことを、アメリカチームは呑むことになって、それはつまり、ISとアルヌスラはシリアの安定化には関係ないグループになった、停戦しようがしまいがこいつらは「みんなの」敵、という扱いになった、ということですね。
アルヌスラってアルカイダのシリア支部なので、ここでようやくアメリカはアルカイダを敵にできたって、どうなのそれ、でしょう(笑)。もうすでにアメリカのメジャーなオールタナティブでは、アメリカのシリア政策は、つまるところアルカイダを庇ってロシアと核戦争も辞さずなのか、とあきれられていた。
Risking Nuclear War for Al Qaeda?
https://consortiumnews.com/2016/02/18/risking-nuclear-war-for-al-qaeda/
ということは、トルコやサウジが何をしようと、EU各国もアメリカ国民も、よーし戦争だ!とはなれない。へ?アルカイダのために戦争するの(爆笑)、だもの。シリア国内の惨状が報道に出て来たのも大きい。こんなに酷いことになってんだ、というところ。
そういうわけで、ここでトルコやサウジがわらわら言ってももうどうしようもない。
ということは、サウジは置いておくとして、トルコには動きがあるでしょう。で、それは、この間ローレライさんもおっしゃてましたが、トルコ軍動向に注目が集まる。
というところで、スプートニク。やっぱり網張ってんでしょうね。
トルコ軍はエルドアン大統領に不満を持っている
http://jp.sputniknews.com/middle_east/20160225/1676358.html#ixzz41CPTpPmD
トルコ軍参謀本部諜報局の元局長の話だけの、ある意味、やまをかけて来てるって感じの記事だけど、でもこれは嘘ではないでしょう。だってトルコって核になってるのはあんまり見えない支配者層と軍だから。むしろエルドアンはこれへの反逆者だった。
でも、でも、どのみちクルド部分を失うのであれば、エルドランにおっかぶせて失わせてから倒す方がトルコの安定にとってはいいという考えも成り立つよな、とかも思う。このへんも注目。
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