いやいや、ついにトランプは下院で弾劾された。
トランプ弾劾サーカス、ついに離れ業、といった趣き。よほどのサプライズがない限り上院の裁判は通らないものとは思うが、破廉恥には違いない。
すごいよね。ウクライナで無実の人々をさんざん殺して、国民の選んだ大統領を追い出してウクライナを支配下においた首班である米民主党が、知らん顔してトランプという、この件には何の利害もない人をなじってる。
米民主党はもうイカレタ人たちと在外ユダヤ人集団(ポーランド系、ウクライナ系と呼ばれることもある)にとっての単なる政治ツール。その他アメリカ人が信用する理由はない。
イギリスでは、女王が議会開会のスピーチ。「私の政府が最も優先しているのはEUから離れること」と明言してた。
my government、my ministers、my....と、全部、「私の政府」といった建付けで話すのがこの王朝のスピーチ。そしてそれを立憲王政じゃなくて、立憲民主主義とかいう人がいるのがかなり滑稽。
イギリスが誇りにしているのはparliamentary system(議会制度)であって民主主義じゃないしね、いいんじゃないの。
そしてロシアでは、プーチンが毎年恒例の、報道関係者とのマラソンインタビュー。
どれが一番人々にとって充足的でしょう? 他の2つと比べたら笑えるほどロシアが健全。
こんなに始終説明してるリーダーがいるってスゴイと思う。
ロシアは元老院優位の共和制指向と危機対応システム優位型の混在、イギリスはただの王政、アメリカはオリガルヒによる寡頭制
といった感じがする。
これでいいと思う。私は別に、民主的じゃない奴らには発言権はないとか、殺してもいいとかいう「リベラル」の主張に賛成していないですから、どこがどうでも基本的にどうでもいい。
その国の国民の不幸が最小になるような仕組みならまずそれが一番と思ってる。
その上で、できればこうしたらどうですか、とか、そうならないように手伝いますよ、とかいうのが隣近所のやることであって、お前ら民主的じゃないな、だったら死ねとかいう発想は、狂人の戯言。
西側諸国はここ何十年か「狂人」妄想の中にいる。しかも治すための糸口さえない。
■ 同盟国の中は結構厳しいよ:ドイツ
そんな西側さんですが、同盟国の中には、アメリカ様のおっしゃることに逆らうところが出てきているわけで、なかなか面白い。
まずドイツ。
ノルドストリーム2に関係した企業には制裁だ、とアメリカが軍事、安全保障面の法制度を使ってきた。
US Senate Passes Defence Budget Bill Stipulating Sanctions on Nord Stream 2
だがしかし、ドイツはそんな内政干渉はうけつけない、エネルギー方針はヨーロッパが決めるものであってワシントンが決めるものではないと大反発。
Germany rejects U.S. steps over Nord Stream 2 as 'interference'
また、もっと興味深いのは、ドイツの有力雑誌シュピーゲル誌が、マグニツキー法は嘘に基づいているといわんばかりの記事(Benjamin Bidder)を先月掲載し、怪しい雰囲気が漂ってる。
Anti-Russian sanctions based on fraudster’s tales? Spiegel finds Magnitsky narrative fed to West by Browder is riddled with lies
https://www.rt.com/news/474230-spiegel-magnitsky-browder-fraudster-west/
その記事に対してブラウダーという問題の男から反論があったが、それでもシュピーゲルは取り下げてない模様。
Germany’s Spiegel brushes off Browder’s complaint about ‘misrepresenting’ Magnitsky story
18 Dec, 2019 01:56
https://www.rt.com/news/476138-spiegel-browder-magnitsky-inconsistencies-story/
マグニツキー法というのは、セルゲイ・マグニツキーという弁護士がロシア当局による不法な行為によって死んだ、なんということだ、という流れからこの人の名を取ってできた、ロシアに資産凍結とかビザ発給の制限とかの制裁をかけることが可能になってる法律。
で、最初っから、そもそもこの男は正義の男じゃないだろ、ビル・ブラウダーというオリガルヒが横領事件に利用してるだけだろ、という話はもちろん出回っていたのだが、2012年アメリカはそのまま通してしまった。
ブラウダーは陰湿で魅力のない男なので、自分を高く売りつけたいんだろうなといつ見てもそう思う。自分で「プーチンの敵ナンバー1」とか言ってみたりする。
しかし、要するに、ロシア当局から脱税と横領で有罪判決を受けている男。この判決は本人不在の判決なので、文句があるなら争ったらいいわけだが、その代りにアメリカと欧州各国で対ロシアで制裁をかけろとロビー活動に専念している。
ついでにいえば、上の記事を開けるとブラウダーの写真が出てるんだけど、こんなに悪相な男もそうはいないというほど悪相。見たらお祓いしたいぐらい。
■ 同盟国の中は結構厳しいよ:トルコ
ドイツは、ブラウダーに触っているという点で実は非常に怖い線を歩んでいるわけだが、トルコの方は、もっと物理的に怖いことを言っている。
トルコ、米制裁ならインジルリク空軍基地閉鎖も=エルドアン氏
https://jp.reuters.com/article/turkey-usa-sanctions-incirlik-idJPKBN1YK075
[イスタンブール 15日 ロイター] - 米国がトルコ制裁をちらつかせるとともに、約1世紀前のオスマン帝国によるアルメニア人殺害事件を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定する決議案を米上院が可決したことについて、トルコのエルドアン大統領は15日、対抗措置として米国の核弾頭が配備されているトルコ南部インジルリク空軍基地を閉鎖する可能性があると述べた。
エルドアン氏はテレビで「必要とあればインジルリクを閉鎖する」と発言。「米国がこうした制裁の実施をちらつかせれば、もちろんわが国は報復する」とし、必要ならギョルジュク海軍基地も閉鎖できると述べた。
インジルリクは戦術核も置いてある重要な基地。そしてNATOの対ロシアのミサイル防衛網の重要な一部分。
米国防総省の消息筋はアフガニスタン、コソボ、イラクにおけるトルコの役割を指摘した。トルコ南部アダナ県インジルリクの航空基地は米空軍によって使用されている。米空軍は、トルコ南東部マラチヤ県のキュレジク近郊にあるレーダー基地でミサイル攻撃の早期発見作業を行っている。この作業は欧州のNATOミサイル防衛システムの一部分を成す。
https://jp.sputniknews.com/politics/201912166939302/
位置関係はこんな感じ。しみじみ、「東西冷戦の終結」とはNATOの東方拡大でしたというだけの話。
で、トルコの発言はブラフだと誰もが思うわけだが、でも、エルドアンを狙ったクーデター未遂事件の際には、これらのトルコ内の米軍基地は水やら電気を止められて嫌がらせをされていたので、米軍としてはあんまり安心してないところはあるでしょう。
実際問題、トルコ軍は強い軍なので、本当に追い出すとなったら武力衝突で追い出される可能性が考えられる基地の1つではなかろうか(米軍が数値でいくら大きくても現地にいる人は圧倒的に少数)。その際に、むしろ核を取られたりしたらどうするんだろうかと楽しく想像してしまう。
そして話題のS-400というミサイル防衛システムは現在テスト期間中で来年4月が本格稼働と言われている。
■ 実はMADじゃない
そうなったら、上のミサイルシステムはどういう変化をもたらすのか。まだどこからもあんまり真剣なものが出てきている感じはしない。ひたすら、F-35のデータがロシアに見られちゃうとかいう話をしている。それ、重要かぁ???
そこではなくて、やっぱり、本当にミサイル合戦になったら確かにロシアもただではすまないが、欧州側の被害の方が甚大だろうと考えるのが正常な判断でしかなくなるな、ということの方が重大ではないの?
なぜなら、ロシアの防衛システムの方が優秀で、かつ、ロシアのハイパーソニック(超音速)ミサイルにマッチできるものは現在どこにも存在しないから。
つまり、撃ちあいを想定した場合、欧州または米国の破壊は確実だが、ロシアはいくらかでも防衛できる可能性がある状態。
つまりつまり、本当は、相互確証破壊(MAD)ではない、と言っていいんだろうと思う。どちらも被害があるんですからね、とは嘘ではないにせよ。
それを考慮に入れるとトルコがバランスしようとするのは、実に当然だと言えるでしょう。なんで劣ったシステムを持って強い奴に向かって行って自分がターゲットになるような真似をしないとならないんだね、と。
トルコは軍人が一杯いる国なので気づく人も多いし、早い、騙せない、とも言えますね。
というわけで、弾劾サーカスやろうが、Brexitやろうが、優位性を失っていく事態への対処にはならないんだけどね。
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今までは、何百年か昔の失恋の逆恨みがロシアイジメの始まりだって聞いたような気がして、バカバカしい話しですがなんとなくそれを信じてました。
これからも頑張ってください、楽しみにしてます。