中国での一帯一路フォーラムについて、何が書かれているのか日本語の記事をサーチしていないのでわからないのだが、どうせ失敗だ、失速だと書いてあるんだろうと想像。
で、いろいろ混乱、困難はあるでしょう、そりゃ。各国の利害が絡むんだから。しかし、こうやってユーラシアを共通の生存空間にしましょうというプロジェクトが立ち上がって潰れずに進んでいることが今日巨大な牽引力になっていることは疑いもない。
その間、昨日は正教会のカレンダーのイースターのイブに当たる日。モスクワでも大きなミサが開かれていた。
はじめて、2時間ほどの式典をほぼ全部見てしまった。いや~思うところがいっぱいある。
WATCH 2019 Easter Service in Moscow Led by Russian Orthodox Patriarch Kirill
https://sputniknews.com/russia/201904271074521816-easter-service-moscow-patriarch-live/
https://www.youtube.com/watch?v=qVxhXzu4qSM
前から何度も書いてるけどロシアの正教会が本格的に復活した意味は本当に大きい(別に潰れてたわけではないけどソ連が信仰者を認めていなかったからこっそり存在してた)。
プーチンもモスクワのミサに出ていたが、この人はユーラシアの極東の端に近い北京から一夜にしてヨーロッパロシア、すなわち現在の区分におけるユーラシアの西の端近くまで移動してたんだとちょっと驚く。
で、プーチンが移動したところが要するに現在のユーラシア空間の幅なわけで、ここを単なる金儲けの道具として誰のものでも関係ないだろと更地みたいに考える人たちのものとせず、文化、文明を生み出し人が生きる空間に戻そうというのが、言ってみれば、中国の大将とロシアの大将がやっていることと言えるでしょう。交易、交易と言っているのは、関係を築こう、関係を築こうといってるのと同じ。
プラクティカルにいえば、ムジャヒディーンとか投入した奴らケツを拭け、話はそれからだ、とか、イドリブにテロリストを潜り込ませても将来はない、まず諦めろ、とか言えますが(笑)。
それに対して、US/EU/JPの人でなし同盟とでも呼びたくなるような世界支配が諦められない一群は、昨日も今日もあきらめてない模様。
ベネズエラ、シリア、イラン、北朝鮮あたりをターゲットにして、かつ、ロシアを経済制裁することで、ユーラシア側が支えきれなくなることを目論んでいるんだろうと観測されている。
この図はゼロヘッジに出てた記事にあったもの。どこからだったか失念。趣旨はこの赤いところが上記の国々に対する経済戦争を本格化しているという記事だった。そんなところだね、実際。
shooting war(実弾使う戦争)とeconomic war(経済戦争)を組み合わせ相手を混乱させ、information war(情報戦争)によって、偽の出来事に記述するというのが西側のやり口ですね。
この人たちは自分たちが生きのびるために、他人が苦しむことを勝ちだと思うという、非常に特殊な思想を持った人たちだと最近ますますそう思ってる。
お互いに良い、と発想できなくなるドライバーが仕込まれている。
私はこれを以前、「西側という宗教」だと考えたわけですが、もっと詳細に見れば、これは自然に出来たものではなくちゃんと「布教」しながら出来たものだろうと最近はさらに考えるようになった。
そういえば、イスラエルとかパレスチナをご専門にしてらっしゃる板垣雄三先生の講演をネットで見た時、板垣先生が、欧米と日本はおかしい、ということを仕切りにおっしゃっていたが、僭越ながら私は多分似たことを考えているのではないかと思う。先生のご著書を読んでいないので雑駁な感触にすぎませんが。
これは資本主義のせいだと言う人が多いかもしれないけど、他人の不幸を宗教的情熱で追及するというのは、財やサービスによる利益の追求を超えているでしょう。利益ならもっと他の方法で追及できる場合でも、人が苦しむ、特に餓死させたり、空爆して木っ端みじんにしたりといういう行為に進もうとする。それは、各地にあるはずの道徳や則を超えている。
イラクを追い詰めるために制裁に制裁を重ねて、結果として医療品の不足から50万人もの子どもが死んだといわれているが、それはやるべきことだったのかと尋ねられて、1996年、マデリン・オルブライト国連大使(当時)は、
厳しい選択だと思うけれど、やるべき価値があった、と語った。
I think this is a very hard choice, but the price—we think the price is worth it.
Madeleine Albright - The deaths of 500,000 Iraqi children was worth it for Iraq's non existent WMD's
私はオルブライトのこの発言の頃アメリカ東部に住んでいた。当時この発言に驚いた人たちは大勢いた。大学のそばに住んでいたので、イラクを悪魔化していく傾向の中でもひときわ恐ろしいこの発言に抗議する人たちのチラシというかビラというかが電柱にたくさん貼られていたのを覚えている。しかし一方でテレビなどでは、黙っていたらヤラレルのだと言った人もいた。イラクはアメリカの反対側なのにアメリカに何が起こるというの?など思ったものだった。精神的にいかれているだろうと。
その後、911が来て、多くの人はこれをきっかけにアメリカがおかしくなったと表現するが、私は明確にそれは違うといいたい。既にその4、5年前からアメリカ社会は恐怖を振りまく人々の言辞によって、対立や憎悪が希望や問題解決に向かう考えを失わせていた。この間、ユーゴはNATO諸国によってずたずたに引き裂かれていた。
■ 共同しない共同謀議
で、要するに、ここ10年かそこら、クリスチャン&ユダヤのシオニズム、そしてその極端な派生としてのエバンジェリカルズと、ムスリムに植え付けたワッファービズムなどの過激思想を無効化していく、それを乗り越える、という趣旨に賛同している人たちが多数、各方面で増えている、活動している、という兆候はあると思うわけですよ。
ある種のconspiracy(共同謀議)的ですが、共同しない共同謀議のようなもの。
エバンジェリカルズなどはメインライン(主流)のクリスチャンから見れば到底クリスチャンとは呼べない、だからダメだという追い込み方をする人たちもいますが、それだけに集中しないのは、意識せずにそれらの邪悪信仰の流布に力を貸すようことになってる人を責めることはない、ってことじゃないですかね。だから人々が自主的にそこから出ればいい、と。
この先どのぐらいかかるのか、また挫折するのか、いろいろあると思うし、日々の出来事を見ると何も変わってないように見えることもあるけれど、でもよくよくタイムラインを引き延ばしてみれば実は変化は確実に起きている。私はこのことを喜びたい。A very happy Easter to you all!
・・・いやしかし、やっぱりここは、Khristos voskres! Voistinu voskres!!というべきか。
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