日本の閣僚は連休を利用して海外に逃げ回るらしいが、日本が頼みとして、ぶら下がってぶら下がっておすがりしているアメリカの駐露大使ジョン・ハンツマンは、「前方作戦外交」なる語を使って、ロシアとシリアを恫喝している。強そう?
地中海を進む20万トンの外交があれば-私はこれを外交と呼ぶ、これは前方作戦外交だ-他に何も言うことはない
When you have 200,000 tons of diplomacy that is cruising in the Mediterranean – this is what I call diplomacy, this is forward operating diplomacy – nothing else needs to be said.
https://www.rt.com/news/457380-mediterranean-aicraft-carriers-diplomacy/
とCNNで言った模様。これはもう、愚の骨頂の発言としてファイルしておこう。
何が20万トンかというと空母ね。米第六艦隊が東地中海に行って、ひょっとしたら黒海にいってロシアのクリミアを脅かすと言ってるわけ。まだクリミアが諦めきれない強盗集団なのであった。
で、前方作戦外交、カッコいい!とか軽く反応する手合いもいるけど、もう、こいつらアホやとがっくり来てるアメリカ人の方がそりゃ多い。
要するに、外交ができないどころか、殴り込みこそ外交だと本気で言ってしまってるって、困惑させられるでしょう、普通に。
また、不穏当なだけでなく、殴り込み、軍事制圧で住民鎮圧、勝利みたいなのって、二線級、三戦級の軍相手なら可能かもしれないが(それでも10年後イラクは抵抗してるが)、同格の軍相手にはどうしようもないから止めろと誰か言ってやれというお話でもある。
アメリカ人の軍事に詳しい人はかねがね、空母はミサイルの餌食と思ってるから、20万トンの金属くずになるだけだろなどという反応も見られるぐらいで、実のところアメリカでもたいして受けてない。
実際もう、空母頼みで世界展開するのは危険すぎるという議論は何十年もやってるが止められない。これがカッコいいと思う世代が全員引退するまで終わらないと言われて久しい。
こういうの。
冷静に考えれば、1万人の要員を擁した空母だろうがなんだろうが、軍事大国の主要基地にはそれを優に上回る火力、機動力があるんだから、近づけば近づくほど不利になると思うんだが、それでも俺らは強いと思う根拠は何?
黒海までわざわざ出かけて行ってロシア軍を挑発して、事件を起こして、全面戦争だ~~とかいう妄想? もう迷惑極まりない。
いやしかし、この間のボーイングの事故の時、ボーイング自体も問題だけどFAAがプレッシャーに転んでる様を見て、振り返った時あれで凋落が確実なのだと思い知ったことになるだろう、とか言ってるアメリカ人がいたんですが(マックス・カイザーの番組のステイシー)、この大使もその続きだと思う。
というか、ボルトン&ペンスのベネズエラ恐喝強盗事件もおぞましいわけで、2019年はアメリカにとっての恥辱の年になっている。多分、1年では済まないと思う。
■ イージスアショアで強くなったぞぉ!
アメリカの馬鹿さ加減にあきれていたところ、日本では、イージスアショア2基お買い上げだそうだ。
イージスシステム日本、米国と「イージスアショア」の2基分の契約を結ぶ
イージスアショアについては再々書いている通り、北朝鮮相手なんてのは真っ赤な嘘で、ロシア、中国向けです。
これは欧州側が、最初はイランのミサイルが~とかいって導入させて、バレルと、そうだロシアは敵だ~とか言い出した手口とパラレル。
日本はずっと、NATOと一緒にロシアの周辺を崩すことに腐心している国なんです。
しかし安倍がロシアに平和条約をとかいって、カマかけてるのは、要するにロシア側の準備を遅らせるためだったと思います。しかし、あたり前だがロシアは馬鹿ではない。
単に、見ている人、気づいている人は、日本ってほんとタチの悪い国と思われてるだけでしょう。
これは終戦時とまったくよく似てる。終戦時もソ連に仲介してもらってとかいう、アホみたいなことを言って国内をだまくらかして、実際には日本の上層部というか上級国民はアメリカからの回答待ちで終戦工作を進めていた。バーンズ回答ってやつですね。
で、それはともかくイージスアショアの導入は日本のためになることは何かあるのか。ない。アメリカの防衛利権には寄与し、それこからおこぼれで儲かる人は日本にもいるでしょうが。
そして、こういう配置を積極的に進め、戦闘機を新規発注し、空母を持ち、その上で憲法を改正すると日本は名実共に一人前の交戦国になる。アメリカがやってるから付き合ってる、場所として使われているという言い訳が成り立たない。
このことは何を意味するか。中露は遠慮なく在日米軍基地を叩く戦略を現実のものとして扱うだろうということじゃないでしょうか。
つまりね。今までは、アメリカがいろいろやってるけど、場所としての日本は9条を持って専守防衛だと言ってるし、国民もそんなに好戦的じゃなかった(戦後の国民ね)。だから、実のところ日本周辺では何も起きてないに等しいでしょ。
それが日本が自分でプレーするわけだから、あっちだって正規に構える。
米軍基地のあるところ、つまり日本全土は全部ミサイルのターゲットとなる可能性が増加する。または、潜在的にはそういうことだということでしょう。INF全廃も痛い。
在韓米軍置き去りのシナリオが現実味を帯びるともいうかも。
いやいやいや具体的に考えれば考えるほどアホ、アホ、アホ以外の何もない。ほんと、どうしてこんなことをしているのだろうかと我が国ながら嘆かわしい。
だってこれで強くなるなんてことはないわけですよ。
日本にイージスアショアを配備させる最大の目的は、日本の隷属化の完成みたいなもんですかね。つまり、中露にターゲットにさせることがむしろ目的みたいなもの。
そして、これがはっきりわかれば別の方策(北東アジアとして平和構想を考えよう、みたいない)もあるが、日本国民は軍事知識ゼロのとてつもないおバカさん国家になっているので、中露が悪い人なので、正義の兵器イージスアショア、正義のヘリ空母、正義のF-35、正義の・・・を買って安心する。
なんか、壺を買うと幸福になれるみたいな話に思えてきた(笑)。霊感商法かこれは。
■ 利益集団&犯罪者集団の抵抗
なんてかこう、日米欧は困った人たちになったもんだなとしみじみそう思う。
冷静とか合理的とかいう人たちがいなくなってるというか、上につけない、リーダーになれなくなってる状況は痛い。霊感商法に煽られるがごとく意味不明に軍備をさせられ、その嘘を助けるために国内の言論が封殺され、各国がさらにアホになるといった感じね。
これもそれもあれも、NATOという既に冷戦期から犯罪者集団だったものを生かしたことが最大の原因でしょう。というか、それがバレるのがイヤで解体しなかったというのもあるのかもしれない。思いの他、90年代の前半にはその悪事が露呈していた(当時まだ1950年代に生きていた人たちがいるからインタビューなども集められていた)のを最近知った。
で、当然、極東だってこれがあるんだと思うんです。同じように。
何をしようとしているのか透かしみえそうですね