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サウジのロシア投資とSCO

2015-07-07 21:03:09 | 欧州情勢複雑怪奇

どういうインプリケーションがあるのか未だはかり切れないながらも、サウジがロシアとの友好な関係が実体化していく模様。

Saudi Public Investment Fund to invest up to $ 10 billion in Russian economy
http://tass.ru/en/economy/806425

向こう4、5年で100億ドルをサウジアラビアがロシアのインフラ、農業分野等に投資する模様。

100億ドルってことは1兆2千億円とかそういう金額。小さいとは言わないでしょうね、やはり。

で、このお金はもちろんサウジのお金なんだけど、サウジのお金はアメリカ覇権が第2のポケット代わりに使ってたお金でもあるわけだよね。原油高でもうけたお金でムジャヒディーンからアルカイダまで、いやさらにはISまでか、なんせこのへんの誰だかわからない武装集団を作ってきた資金源の一部は確実にこのサウジのある意味で「余剰資金」なんだよね。

そしてそれらの資金によって養われたテロリストまたは武装集団は、直接、間接を問わずソ連、ロシアの弱体化に寄与していた。というかそれが狙いだった。

しかし今サウジがこうなってきた。王族も各人いろいろな考え、リンクがあるからそれによる変化だと言って言えないこともないだろうけど、スキーム的に変更があるということもあるのかもなぁ。

これは一体何なのか推測してみるに

  • サウジの保身。いわゆるネオコン、旧ボルシェビキ勢力以来100年間ロシアを狙い続けて来た勢力に陰りが見えるので、もう一緒にやんちゃやってられないのでロシアに挨拶してる。
  • アメリカ(非ネオコン)からのお使い。諸事情で金融制裁をやめられないので投資資金が the West からは行かない。サウジに金持たせるからそれでちょっと我慢してて。その代り、へんな気起こさないで。

へんな気に何が入るのか。なんだろうね。イランとのディールでなんらかの妥協をして、とか、表向きこうやってああやって、とかSCO(上海協力機構)がらみとか? いやそれも含めてイランがらみかなぁなど思う。ぶっちゃけ最近の事情はすべてイランの去就問題が根幹にあると思うわけですよ。

あと、基本的に、私はロシアと非ネオコンのアメリカは決して仲が悪いわけじゃないと思ってる。全体的に何かを落ち着かせる時に喧嘩しつつも協力しあう関係にあったと思うし、今もあると思う。

■ SCO

と、その上海協力機構(SCO)のサミットが今週後半ロシアで開催される。今回話題になるであろう議題は、昨年2014年末に正式に加盟申請を行ったインドとパキスタンの加盟問題でしょう。

そこで、奇妙な記事を発見。今日のスプートニク。

India, Pakistan Accession to SCO to Take Time
http://sputniknews.com/politics/20150707/1024305529.html#ixzz3fDGeHCVX

インド、パキスタンが正式なメンバーになるのには28の文書に署名しないとならず、時間がかかる。だから、加盟プロセスが終わるのは来年のインドでの会議になるだろう、とロシアの大統領補佐官が言っているという記事。つまり、今週加盟が成立だ!にはならないということになるんだろうか。

しかし、正式加盟は7月に承認される、という記事もある。

In early June, Pakistan's ambassador to Russia told Sputnik that the SCO Council of Foreign Ministers had decided to grant India and Pakistan the status of full members of the bloc, which is to be confirmed at the SCO summit in July.

 
単純に手続き上の話なのか、それとも重要部分であえてプロセスを止めていたりするのか、なんともいえない。
 
いずれにしても、インドのモディ首相は内陸側から、ロシアを訪問を開始した模様。ウズベキスタン、カザフスタン、ロシアでここでサミット。その後、タジキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、と計6か国を訪問するんだそうだ。
 
なんかこう、いよいよ版図的にモンゴル帝国再興か、みたい感じになってきて興味深い。
 
 



 

近代世界システム 1―農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立 (岩波現代選書 63)
川北 稔
岩波書店

 

近代世界システムIV―中道自由主義の勝利 1789-1914―
川北 稔
名古屋大学出版会

 


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