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オバマ大統領サウジ訪問

2016-04-21 22:19:30 | 欧州情勢複雑怪奇

オバマ大統領がサウジアラビアを訪問している。これについてなぜだか日本ではよく記事が出ている気がする。そんなに気になるの?

サウジ国王、オバマ氏出迎えず…関係修復不透明
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160421-OYT1T50037.html?from=ytop_main6

見出しにあるように、関係修復は不透明であるようなのだがそれは例えば、

会談では、シリアのアサド政権と反政府勢力の停戦が崩壊の危機にあるシリア情勢や、イスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦についても協議した。ホワイトハウスは声明で、「両首脳は歴史的な友好と戦略的な関係を再確認した」と強調した。ただ、具体策は打ち出されなかった。

といった感じとはちょっと違うんじゃないのぉ~って感じ。

なぜなら、そのシリア危機、就中「イスラム国」のスポンサーだろう、サウジアラビア! ってのが世界の多くの人が見ている話しだから。

そして、その変奏というかある種のピークとしての911問題もまったくのサウジ問題なんですよね。

だから、読売が書くように「協議した」なんていう他人事の話じゃないわけです。

■ いやだから、ISは俺が作ったけどさ by サウジ

で、一昨日とても面白い記事が、なんとFinancial Timesに出ていて欧米メディアで、おおおお、となっている。

Mutual suspicion frays historic US-Saudi ties
David Gardner
April 20, 2016 5:34 am
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/876a971c-0644-11e6-a70d-4e39ac32c284.html#axzz46OMDwB1O

内容はこんな感じ。

サウジアラビアとアメリカの関係は、1945年ヤルタ会談からの帰りにフランクリン・ルーズベルトが中東に行ってサウジ王家のアブダル・アジズ・イブン・サウジに会ったところから始まる。

大まかにいえばアメリカがサウジに安全保障と王家の存続を保証する代わりに、サウジは妥当な価格で石油の流れを自由にしておくことになった。

そこから70年この関係は揺らいでる。

オバマのアメリカはシェール油で自立して湾岸の石油への依存度が低下し、さらにイランとの核問題が解決したことによって、サウジは激怒をはじめる。サウジ的には、こうすることによってシーアが強くなってくることを懸念しているから。イランのシーア派の勃興(サダムが転んだから)にもサウジは怒ってる。

しかしワシントンとリヤドの亀裂は、911の攻撃は主にサウジアラビア出身者によってなされたことを手始めに、大きくなるばかりだ。

2014年、イラクのモスルがISに落ちた後、サウジの外相アルファイサル王子は、ジョン・ケリーに対し、「ISは、あんたらのダアワ党支持に対する私たちの対応だ」と語りさえしたのだ。

After the Iraqi city of Mosul fell to a lightning Isis offensive in 2014, even the late Prince Saud al-Faisal, the respected Saudi foreign minister, remonstrated with John Kerry, US secretary of state, that “Daesh [Isis] is our [Sunni] response to your support for the Da’wa

と、地の文にしつつ、さりげなく、「ISは俺らが作った by サウジ」を強烈に示唆しちゃってる。

ちなみに、ダアワ党はイラクにおけるシーア派の政党のことで、つまりイランに繋がってるやつらをお前らアメリカが支援するから、中東がそんな構図になるなんて俺らは絶対許さん、だから対応したんだ、って話ですね。

いや、もうず~っと多くの人が言ってる話なんですよ。でも主流メディア発としては、おおお、でしょう。

■ オバマはワッハーブとか嫌いだからさ

さらにもう一つ。

オバマ氏は、先月発表になった、オバマ氏の考えが率直に表されていたアトランティック誌の記事にもあったように米国-サウジの同盟に熱意を持ったことはない。

それどころか、オバマ氏はワッハーブ主義を、世界中でイスラム過激派を煽るイデオロギーで、アラブ世界の近代化との出会いを阻むものだとみなしている。

ともあって、ワッハーブとサウジの話も書いちゃう。

いや、これも、みんな知ってました、の話なんだけど、通してみれば、サウジという存在が実際いろんな意味でとっても困った存在だったという暗黙の了解をまとめて書いちゃったという意味でとても珍しいと思う。

 

この会談の内容がどうなったのかは、多分徐々に事実を見ればわかる的に出てくるものだろうとは思うけど、とりあえず、「サウジタブー」が消えたんだなという点では目新しい。

■ お前もな、なんだけどね

しかし、この流れはよーく考えるとおかしい。だって、アメリカさん、あなたの立場はどうだったの?だから。

ひょっとしてサウジ、またはサウジとトルコを悪者にして、こいつらをなんとかしないとなんなくて困ってるんですよ by アメリカ、とかいう白々しい立場を取ろうとしているのか、とも見える。

それにくっついちゃったCIAとかネオコンとか、ほんとにねぇ、暴発ってやつです、はい。

とか?

できるかどうかはわからないけど。


 

歴史地震の話―語り継がれた南海地震
都司 嘉宣
高知新聞社

 

しずおかの文化新書10 千年に一度の大地震・大津波に備える~古文書・伝承に読む先人の教え~
都司 嘉宣,松田 香代子,鈴木 啓造,鈴木 大治,カーコスキー 朱美,鈴木 一記,八木 洋行
静岡県文化財団

 


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2 コメント

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『911とIS』に手の平返し (ローレライ)
2016-04-22 04:42:43
『911とIS』に手の平返し、『21世紀のパールハーバー』が暴露される!
返信する
頭隠してお尻がデカい (ブログ主)
2016-04-22 17:42:54
いやだって、もう隠せてないですよねこのへんは。
だけど、まさか正面切って、実はアルカイダは俺の知り合い、ごめん、とか言えないだろうし(笑)、このまま知らん顔して準事実にしちゃうんじゃないですかね。
返信する

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