ティラーソン米国務長官の東アジア訪問の意味はなんだろうといろんな噂が飛び交う中、今度はティラーソン、4月にモスクワ訪問か?の記事が出て来た。
Tillerson plans to skip NATO meeting, visit Russia in April
http://www.reuters.com/article/us-usa-trump-tillerson-idUSKBN16S04I?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=twitter&utm_medium=Social
4月5~6のNATO外相会議に出ないで、4月6~7日にフロリダで行われる習近平とトランプ会談に参加して、4月12日にモスクワに行く予定ではないか、という話らしい。
だから、よく見れば、NATO諸国をすっとばして習さんかよ、という記事にしてもいいと思うのだが、モスクワ訪問に焦点が来るというのがある意味で昨今のメディア状況を語っているとも言えるでしょうし、まぁなんてか問題は結局NATO東方拡大なんだということだとも言えるかもしれないですね。
ということで、今一生懸命やっているFBIがロシアの選挙介入がどうしたこうしたという、あいかわらずのネタはこれを阻止したかったのだが無駄だったって話だろうか。
トランプ陣営の共謀疑惑捜査=ロシア選挙介入、政権に打撃-FBI
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017032100215&g=int
■ メルケル、プーチンによろしくと言う
この成り行きを見て、これはドイツは読んでいたなと思った。
というのは、先々週あたりドイツの外相がモスクワを訪問し、その後にバイエルン州首相のゼーフォーファー氏がモスクワを訪問して、プーチンに会ったのだが、その時の挨拶で、
我が国首相(メルケルさんのこと)がくれぐれもよろしく伝えてくれるようにと言っています。首相はこのメッセージを伝え忘れないようにと私に何度も念を押し、5月初旬にはモスクワを訪問する意向だと言っています。
という下りがあった。
Allow me to convey particularly warm greetings from our Federal Chancellor [Angela Merkel]. She reminded me several times that I was not to forget to do this, and said that she would visit you in early May.
http://en.kremlin.ru/events/president/news/54052
ゼーフォーファー氏は去年もモスクワを訪問していて、その時にはメルケルから批判され、さらには米ネオコン勢にいろいろ嫌がらせされていたが、今回はメルケルがwarm greetings、心からのご挨拶を述べておいてちょうだいよ、と言い出したので、問題なしになった。立場を変えたのはメルケルの方。
そもそもゼーフォーファー氏は移民問題でドイツ周辺が沸騰した時ハンガリーのオルバン首相とも会っていたし、思えばネオコン/トロキスト方面のアジェンダでない方向を力づくで引っ張っていたいたような恰好ですね。いいですねこういうことができる人がいるって。
ドイツ・メルケル与党CDU内で異変
ドイツはこの他にも、大統領となったシュタインマイヤー氏がそう遠くない期間内にモスクワを訪問するだろうと言われている。この人はウクライナ危機以来何度も何度もモスクワに行っていた元外相。ドイツ国内の図でいえばメルケルがアメリカに向いて、外相がモスクワを見てウクライナ危機を乗り切ったみたいな感じ。
ということで、何が起こるのかわかりませんが、トランプ政権にとっての敵はつまるところ「メディア・諜報・軍産コングロマリット」みたいなものなんだろう、ってのがますます視覚化されてきている気がする春の雨って感じ。
■ オマケ
イギリスのボリス・ジョンソン外相は来週モスクワを訪問する予定だそうだ。モスクワに行くぞという話は2週間ぐらい前から出ていたが日程が決まりつつあるのかな?というところ。なぜ決まらないのかがむしろ謎だが。
MOSCOW, March 21. /TASS/. British Foreign Secretary Boris Johnson is
expected to visit Moscow next week to have talks with Russian Foreign
Minister Sergey Lavrov, a diplomatic source told TASS on Tuesday.
http://tass.com/politics/936618
上のティラーソンのモスクワ訪問については、クレムリンは沈黙している模様。大統領府広報のペシュコフさんは、米政権の正式の発表があるまで待ちましょう、と語っていると報じている。
http://tass.com/politics/936612
日ロ首脳、4月下旬に会談 安倍首相がロシア訪問
http://www.asahi.com/articles/ASK3N61NVK3NUTFK009.html
トランプ政権のこれからの方向はわかりにくいですが、彼が「メディア・軍産・諜報のコングロマリット」から悪魔化されているあいだは、彼の最初の公約はまだ命脈を保っているのだろうと思うしかありません。
よいサイトのご紹介に、いつもながら感謝。
セルビアも悪魔化されていましたね。
それはロシア大統領府のサイトです。
日頃西側メディアはクレムリンを悪魔化していますが、間違いなくどのジャーナリストもこのサイトを見てます。なぜならプーチンの公式声明みたいなものだから。でもって、ジャーナリストが見ているんだなといのがまるわかりなのは、しばしばそのまま引用しているのがわかるから。
つーわけで、プーチン大統領府はあえてメッセージを常に表示しているものと思います。見ろよ、と(笑)。