米大統領選の開票問題は引き続き、現職のトランプ大統領が不正に気がついたら連絡しろ、と国民に呼びかけ、国民の側でも結構な数の人がそれを楽しみにしている感じがする。
昨日あたりのニュースとしてはウィリアム・バー司法長官が、実体のある不正投票の申し立てについては捜査することを認めると通達したという話がとても大きいのではあるまいか。
それに呼応するように、司法省で不正投票の捜査を監督していたリチャード・プルガーという人が辞任した。
MORE: Barr's letter to prosecutors marks the first time he has addressed Trump's unsubstantiated claims of widespread voter fraud since Joe Biden won the election https://t.co/jCn8OmnPGS https://t.co/jCn8OmnPGS
— Reuters (@Reuters) November 10, 2020
Justice Department's election crimes chief resigns after Barr allows prosecutors to investigate voter fraud claims
https://www.nbcnews.com/politics/2020-election/doj-s-election-crimes-chief-resigns-after-barr-directs-prosecutors-n1247220
メディアは、トランプの言っていることは証拠がないと一刀両断に切り捨て、BBCのような外国メディアが勝手に「ファクトチェック」なんていうページを出してきたりしてもいた。
冷静に考えるまでもなく、こんなことを1日かそこらでBBCが判定できるわけはない。もちろん、NYTだってそう。
証拠は捜査権限がある人たちが確定してある程度確定となり、最終的には裁判がその証拠を取り上げるか否かが有罪の認定に関与していくものであって、申し立てを見た素人が大向うから「証拠はない」と言い切れる筋のものではない。
なんでこんな当たり前のことを私が書かないとならんのやねん、って感じよ。
■ 隠し事が多すぎて
で、大統領選挙の不正投票をめぐって多くの人が怒ってるというのが現在トップのレイヤーに来ている問題ではあるけど、思うに、これはもっとずっとレイヤーが重なってここまで来たわけですよ。
昨日シリアの話を書いたけど、この特筆すべき惨さと不正のコンボだったシリアでの戦いを、西側のメディアは嘘をつき通そうとしたがつき通せなかった。
2016年の大統領選というのは、アレッポが陥落するか否かといったドキドキするような局面で行われていたことを、今や多くの人は忘れている。
だが、当事者だったシリア人が忘れるわけもないし、それを見ていた私のような傍観者だって忘れてない。うっかりして忘れるけど完全に忘れたわけではない。
そして、メディアと国務省、CIAあたりが中心になってこの一件を伝えることを拒否し、伝わってくるものをロシアのプロパガンダとして処理することにした。
RTとかSputnikは、アメリカ、イギリスなどにおいて外国エージェントとして登録させられ、報道機関として扱わないようにする処遇を与えようとした。部分的にはそうなってる。だけど完全には成功しなかった。
それをやったらロシア国内に入り込んでいる自分たちのメディアに対しても全部同じ処置を取られることが目に見えていたから。
また、シリアでISを作ってシリア人を殺し、同時に米軍が支援していたクルド人にも軍備を与え、結果的に、CIAの抱えてるアルカイダ系と軍のクルドが対戦する羽目になるという、とんでもない事態もあった。
これは軍の上層部にとっては隠したい出来事だが、兵隊にとっては、とんでもない事態を誰かなんとかしてほしい、という出来事。
トランプが、軍の高官は俺を嫌いだが、兵隊はそうではないといったことを時々いうのはこのへんを意識してると思うな。
■ 頭隠して尻隠さず
シリアもそうだし、むろんウクライナもそう。これも、いつの間にか、プーチンがウクライナに侵略した話にしてみたりするわけですが、そうするためにどれだけ多くの嘘をつかないとならないかというと、実に大量。
弾劾裁判やってみたり、ロシア疑惑を作ってみたりと、過去4年間、西側メディアは考えてみれば嘘をつき通すことにどれだけのリソースを使ったものか。
2014年に西側がウクライナでクーデターをやった時期、ロシアはオリンピックをしていた。次に2018年にはFIFAのワールドカップがロシアであった。
これらの出来事に対しても、西側メディアは全力でロシアを悪魔化しようとした。金メダル取っても国歌を歌わせないとかいう、物凄い事態もありましたね、そういえば。
しかし、それもまた無理に無理を重ねた話。逆に、抵抗するロシアに好感を持つ人たちが現れ、少なくとも自分の国のメディアは何かおかしいと思った人を出すきっかけになったと思う。若者の感じ方をバカにすると痛い目にあうと思う。
といった過去の上に現在のレイヤーが載っているわけで、トランプの抵抗をトランプ支持者たちだけの大暴れと考えるのは間違ってるでしょう。
メディアを主体とする何かがとてつもなく不正なのだと感じている人は相当にいる。
アメリカ人だって全員が3日以上記憶できない人ばかりではない。
Симомура様
いろいろなお話ありがとうございます.その後調べてみますと,この Richter は The Globalist を立ち上げてその編集長をしており,アメリカとドイツの政界にしっかりと食い込んでいるかなりの "大物" でした.ドイツ言論界の寵児でもあるようで,こういった人物がナラティブを作っていることがわかります.
東ドイツの出身ではないかというお話ですが,なぜか生い立ちについては隠しているようで,1959 年生まれということ以外にはボン大学を卒業してからのことしかわかっていません.しかし,90 年代には「東ドイツのためのブランディング」(蔵権様のコメントにもありました「ブランディング」ですね)を行ったということですから,何かつながりがあったのかもしれません.
この Die Welt の文章の中で Richter は「多くの高等教育を受けた都市のユダヤ人たちがロシアを去ってアメリカに行った.このことがアメリカを利し,ロシアをだめにした」と書き,そして続けて驚くべきことを書いています.「このことを背景にして見ると,ロシアは果たして文化的にヨーロッパの一部といえるのかどうか,という疑問がより一層明確になってくる.ロシアの体制は "文化的" とは言えないのだ.」と.
都市にユダヤ人が闊歩していることがヨーロッパ的で文化的で,そうでなければ野蛮な国,ということが彼の主張のようです.
ユダヤ(一部でしょうが)とナチはどこかでつながっているという感が一層強くなって来ました.
お久しぶりです。いやほんとに、一部ドイツ人の傲慢さこそ、多分今日の本当の問題だと最近しみじみ思ってます。
結局、これは伝統的なドイツの東方侵略構想の反映にすぎなかった。それに多くの人たちが気づいてなかった。では一体このドイツ集団とは何ものなんだ、と考えると結局、ドイツ系ユダヤ人(いわゆるアシュケナージ)の一群に思い当たるしかないのかなってところです。
スウェーデン、イギリス、フランスも同期してますが、後者2つは一般人が結構強い政体だというのがドイツ&スウェーデンあたりと異なるんじゃないのかな、などとも思います。
さて,Yandex Zen を見ていると興味深い記事がありました.
https://zen.yandex.ru/media/iren_adler/die-welt-russkim-doljno-byt-ujasno-stydno-5fa4655f47a34812ce0f1946
これは Die Welt に掲載された Richter なる人物の書いたものを俎上に上げたものですが,要するにこの人物は「ロシアが幸福になるためには近代化が必要だ.そのためにはプーチンのレジームを打ちこわし,ドイツと一緒に歩むのだ.」と言っており,最後には「ベラルーシの人々はそれが分かっているからデモをしているけれど,ロシア人は何もわかっていないから行動しない」と「嘆いて」見せています.
勿論,この記事ではそれぞれの文章をを検証して誤りを指摘しているのですが,興味深いのはこの Richter なる人物の言っていることが 80 年前のナチのプロパガンダポスターと同じであるという指摘です.確かにこのポスターの「スターリン」を「プーチン」に「ボリシェヴィズム」を「プーチニズム」に置き換えるだけで,言っていることが全く同じ,というわけです.
ナチはドイツにしっかりと残っているということがよくわかります.
オハイオとフロリダを制したものが勝つ
等々トランプに当てはまるのでトランプが勝つと考えています。
かつてのナチスは家父長制で権威主義的なプロイセンドイツの国民性をマーケティングしたからあのようなイメージになったが、ターゲットにしたユーザー好みの仕立てに仕上げてるだけなので、基本リベラルなアメリカ人をターゲットにすれば、ドイツのナチスとは異なったブランディングになる。オリガーキによる国家の簒奪という目的が達成されるなら、ナチでも、共産主義でも、リベラルでもブランディングはなんでも良い。ナチスの背後にいたオリガーキの存在を観せないでナチスのイメージが仕上がっているので、違うブランディングを見せられるとすっかり騙されてしまう。