FBI長官が、結論は夏と変わらないという書簡を公表したというのでまたまた大騒ぎになっている。
馬鹿げているのは、65万通を1週間かそこらで調べられないだろうと先週書いておきながら、メディア各社が、訴追はない、訴追はない、と書いていること。
自分で言ってておかしいと思わないんでしょうかね。
つまりこれは、FBIは司法省、オバマ政権そのものの圧力により、一応こういうことを言ったって話じゃないですかね。
で、現物は残るし、別に捜査を打ち切ったわけでもない。
wikileaksのリークものがなくなるわけでもない。数日おきにずっと増えている状況。
Secret World of US Election: Julian Assange talks to John Pilger (FULL INTERVIEW)
ということで、前から書いている通り、クリントンが死んでいようが、病気で動けないことが多いとかいう状態だろうが、犯罪者だろうがなんだろうが、とにかくクリントンを勝たせようとするエスタブリッシュメントの熱意は凄いですね、という話ですね。
米紙 クリントン候補支持57社 トランプ候補支持2社
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161107/k10010758741000.html
という状況ですから。
しかも、支持表明云々以前に、全体がクリントンびいきでこの選挙戦が行われていたわけなので、とうていこれは公平ではなかった。笑えるぐらい。
しかし、しかし、かつて2008年、2012年にロン・ポールが出馬した時に比べれば、トランプはメディアに載っただけでもすごかったと言える。
逆にいうなら、ロン・ポールの失敗を参考に、メディアを食らいつかせるような戦術に出たのがトランプのキャンペーンだったと言えると思う。
ロン・ポールの時のメディアは、敢然無視を決め込んでいて、画面上で、その世論調査に入ってる3位の人はロン・ポールだと見えているものでも、決してロン・ポールに言及しない、
各地で行われた討論会で、一般人がごーごー言いながら賛意を示したり、あるいは逆に反対を示したりする、ものすごい盛り上がりがあっても、あるいはそれを中継していても、ロン・ポールには言及しない、っていうものすごい体制でしたね、あれは。
で、一方で、一般人の多くはもはや主要メディアはダメだと諦め、それによってインターネット人口が劇的に増大したって感じ。日本との差異を感じるのは、アメリカ人のネットユーザーにはかなり年配の人が多いこと。
日本では、ユーザー数は多いかもしれないけど、結局のところ多くの大人はネットからニュースを取るといっても、ネットで朝日や日経を見る、というスタイルでしょ。これじゃインターネットになっても何も変わらない。
どうしてこうなるのかというと、日本語で読める非・主流のものがとても少ないから面白みを覚えられないってことじゃないですかね。
■ ヒラリー当選の方が混乱が大きいのでは?
で、ここでそうやって無理していったら、米の混迷の度合いは強まるだろうというのが私の考えですね。
隠せてない話を隠し続けるわけだから、それだけ米国民は米政府に不信感をもつ度合いが上昇する。何事も自然災害のごとく諦める日本人相手ならこれでもやれるだろうけど、そうはならないがアメリカでした、ってのも改めて世界中の人が知ったことかも。
1776 all over again! とか書いている人さえ見た。これでダメならもう一回革命だとか言ってるわけですよ。(日本では1776年の出来事を「革命」という字を避けたいからなのかアメリカ独立戦争、とか言うのが習わしですが、あれはアメリカの革命、というのが英米圏のスタンダード)
それはトランプびいきの人たちだけであって、残りは平気なのでは?というのは間違い。ヒラリーは、民主党の候補者選びの時点でバーニーに負けそうだった候補者なので、ヒラリーで安心できる人は、最大見積もっても1/4、という感じですから。
バーニーに行った人たちは、緑の党のジル・スタインに行く人と、後は寝ちゃうんじゃなかろうか。熱烈にバーニーを支持していた女優のスーザン・サランドンが、ヒラリーは腐ってると切って捨てて、なんとかしてトランプよりはヒラリーと言わせようとするキャスターを振り切っていたのが印象的。
党の選挙で圧勝した候補が本戦でも強いと言われる理由はこのへんですね。
ということで、私はトランプで押して行って、あれもこれも悪かったと、ヒラリーを中心にして(ホントはヒラリーだけじゃないわけだが)悪事を暴露して目先を変えて新しい時代に行こうぜ、というのが最も簡単じゃないのかなと思う。
しかし、ヒラリー無理押しで、アルカイダと共に歩む21世紀路線を行くらしい感じはあるわけで、どうなるんでしょうね。
宴の始末(19) アルカイダと歩む新しいアメリカ!
どうしてこうまで無理をするのかといえば、やっぱりサウジを手放せないってな話なのかなとも思いますね。いわゆるペトロダラー問題のこと。しかし、これは限界あるでしょう、やっぱり。
結局この件でドラスチックな変革を求められることが既定路線で、それを巡って、なんとかしてその前にこれをあれをとムダな抵抗をしている人たちが大勢いるという話なのではなかろうか。
ペトロダラー戦争――イラク戦争の秘密、そしてドルとエネルギーの未来 | |
ウィリアム・R・クラーク 高澤 洋志 | |
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山口 薫 | |
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