もともとNATOがウクライナを拠点化して、8年かけてウクライナ軍を作って、NATOウクライナがドンバスをいじくり倒して、さらにロシアを攻撃する恰好にした、というのが現在のいわゆる「ウクライナ問題」なわけです。
NATOの長も自分で2014年から鍛えてましたと言ってる。
How they built the proxy army against #Russia: #NATO boss @jensstoltenberg - although #Ukraine is not a #NATO member we have armed and trained them since the #Kiev coup of 2014. pic.twitter.com/R4O12ulGSz
— tim anderson (@timand2037) September 11, 2022
だがしかし、夏までは、一応建前として、ウクライナとロシアが戦い、ウクライナには西側諸国がついてますよ、という形からの報道が多かった。
それがだんだんにバレて来て、最近のヘルソンとハリコフ郊外の、いうところのウクライナ側のカウンターアタックは計画から装備、情報までみんなペンタゴン、もしくはNATOがやっておるなというのがまるわかりになるのみならず、自分からも、アメリカは情報共有しております、とか言い出している。
NYTにも出ていたそうだ。
Ukraine and US increased intel-sharing prior to counteroffensive – NYT
これは、ヘルソンは大失敗だったがハリコフ郊外の方では、アメリカが本気だしたからウクライナは勝ってる、というストーリーにしたいのかしら、など思った。
なんというか、これってまぁ、金の話でしょう。
NATOの側はあと5年はウクライナに軍備を出したいとか言ってる人もいたぐらいなので、そういう予算組ありきで、この予算組が「もっともらしい」ものとして各国民に受け止められるように情報操作をしよう、ということ。
これは5年か10年か知りませんが、長い戦争になるでしょう。その間に一体どれだけの人間が死ぬか知れたものではないですが、ロシアは引けないのでやるしかありません。
そして、現実には、NATOがロシアを攻めているのに、ロシアに兵を引けというのが西側各国の人々なので、西側には終わりにするように政府に働きかける人もあまりいない、頼りにならない、という構図です。
■ バトルと戦争
それはそれとして、西側のプロパガンダの「うまさ」は結局のところ、多くの人間のもろさ、弱さを熟知しているからこそ成り立つんだなぁなどと思った。
今回などまさにそうで、確かにウクライナは小さな「バトル」に勝ったと言ってもいいでしょう(実のところトラップだったかもしれない可能性はまだ捨てきれないが)。でも、そこを見て、ウクライナが戦争に勝つ、まで思いをはせてしまうのは、まったく行き過ぎ。
それを言うなら、1943年にスターリングラードで負けた後も、ドイツ軍はたくさんのバトルに勝って、ロシア、ウクライナの兵隊、民間人を多数殺害していたし、自分の兵隊も死んだ。
1943年には、今まさにNATOウクライナとロシアが戦ってるドンバス地域でドイツ、ルーマニアなどの軍を率いたマンシュタインはいくつかのバトルに勝った。しかし次第に負けていく。
1945年になってもハンガリー、オーストラリアと移動する中でドイツ軍はソ連兵を大量に殺害していた。ここでも、小さなバトルには勝っていた。
しかし、それでドイツは勝った?
散発的、局地的な抵抗と、全体的に覆すことが可能な戦力とは異なる。
同様に、戦争全体としてみた時、事実上NATOのユニット、なんならNATO最強部隊と呼んで差し支えないだろうウクライナ軍(この軍ほど実践を積んでいる軍はNATOには他に存在しない)がロシア軍を撤退させることが可能であるようには見えない。
なによりもまず、マリウポリを含むドンバスの人たちがロシア連合軍の撤退を望んでいない。
※ロシア連合軍の撤退でひょっとしてまた残された人がNATOウクライナ軍にいじめられているんじゃないかと心配していたのだが、問題の地域は大人口のところではないので既に親ロシアの人たちはロシアに避難していたようだ。意思で残った親ウクライナの民間人がNATOウクライナ軍とどうなるのかは、知らない。
■ 長い戦争
ということで、NATO側は引く気はないので、このままロシアは作戦行動を続ける。
多分、NATOの「つもり」案では、俺らみたいな大金持ち軍があっちでもこっちでも火をつけていけば、ロシアはフルに動員する必要性が出てくる、そうなったら最後、ロシア国内はぐじゃぐじゃになる、経済どころではない、そこで、動乱となるはずだ、って感じじゃないですかね。
多くの人がこれだけ言っても、一般人が全然本気にしていないやにみえる重要な事実は、アメリカをはじめとするNATO諸国の外交方針は、過去15年ぐらい、ロシアを混乱させて反プーチンを煽って、レジームチェンジさせることが殆ど至上命題みたいになっている、ってところ。
ずーーーーっとこれをやってる。
プラクティカルにはロシアというより、ロシアとカザフスタンあたりが本当は最も大きな獲物なんだろうと思う。そこでそこを取るためにこそ黒海、カスピ海は重要。で、黒海に拘ってる。
私はこの案は上手くいかないだろうと思ってるけど、西側の人間はうまくいくはずだという想定の下に生きることを余儀なくされているので、今後も付き合わざるを得ない。付き合いたくないならって、政権交代なんかしても無理で、それこそ革命が必要なぐらいだと思う。西側というエンティティーはそのぐらい大変な圧力をかける集合体だね。しかし、域内の人間の多くはそれに気づかないのがすごいよなぁって感じ。
つくづく、そうでない世界が大きく育ってきて人間としてよかったなぁと思う。西側では良い人間は生きられない。欧州文明(European civilization)は西側(the West)に殺されつつある。
■ オマケ
9月11日の日経のトップページの一部。
小さない街の攻防でロシア軍が戦略的に引き上げた事象に
あたかも東部から撤退したかのような見出しを付けてる。
マスターの方にこういうのを引き出す都合があって、何千人かのウクライナ人を犠牲にして特攻をかました、ということなんじゃないのかな。ここ数日、常ならぬガセ情報が出回って、かつ、ここまで冷静だった人までおかしい。何かあったんじゃないかと興味深く思ってる。
もう気分が悪い。
一般世界民は気が付かないうちに戦争に巻き込まれているのが現実。己の無知と認識の甘さ、気が付くのが遅すぎました。
日本、韓国、ドイツ、プーチン大統領が公言するように新植民地主義下の植民地、如何に生き延びるか、これが大問題。老いた身をいたわることも出来ず、見えぬ不安に突入、虚しい。