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UKは、アジアにいるより家にいて by 米国防長官

2021-08-03 15:48:36 | アジア情勢複雑怪奇
ここしばらく、またイランとイスラエルの間で騒ぎが起きているけど、大きくなっていく気配はともあれないようだ。それはよかった。

そして、グレートでもない不実のアルビオンことイギリスが、空母クィーン・エリザベスを乗り回してアジアに来て、それを歴史的だ、素晴らしいと自画自賛している。

それを受けて、アメリカのオースチン国防長官が、メディアのインタビューで、空母云々は素晴らしいけど、でも、我々は世界中に展開しているわけで、UKには、アジアじゃなくて自分んちの近くにいてもらった方がいいんだけどね、と言ったというので小さなさざ波が立っている。

Britain ‘more helpful’ closer to home than in Asia, says US defence chief



イギリスは、アジアにいるより自分んちの近くにいる方がもっと役に立つ、と米国防長官が言った、

というタイトルになっているけど、最初のタイトルは、

US defence secretary questions Britains's pivot to Asia

(米国務長官、イギリスのアジア・シフトに疑問を呈す)

だったらしい。
それが、英側なのか子分勢からなのか知らないけど、抗議があってFinancial Timesが見出しを変えた模様。

どっちにしても、大して変わらない見出しだと思うけど、Pivot to Asiaという方針に疑義、の方が取り返しがつかない見出しではあるね。


で、これはやっぱり、米が、不実のアルビオン+イスラエルあたりが、悶着を作り出すことを懸念しているのではないのか、など思える。

米と英の違いは、

英は単なる放火魔だが、
米は放火魔の後に、消火活動もしないとならない

というところだと思う。

米は、腐っても責任者なので、アフガニスタンからの撤退のような面目ないことをやらないとならない。

だけど、放火魔のUKは、やったらやりっぱなし。そして、いい加減な話を作って、それが、the Westの方針、米覇権です、という設定を流布していく。この騙しこそ、the Westの最強のパワーだと思うけど、その本元は米というより英。




■ 6月16日

こうしたことは、この間書いた通り、

6月16日に、プーチンとバイデンが会談したことによる「流れ」の可視化の一端なのではないのか、など思ってみたりする。

6月16日、ジュネーブのお菓子屋は、ピースを寿いだ。だが、西側の多くのメディアはわけのわからない報道に終始した。



で、その意味を、こんな風に読み、言語化している人もいる。

この会談は、Voltaire Networkというフランス系の雑誌というかサイトを持っている、Thierry Meyssanによれば、ようやくアメリカがシリアの敗戦を認めたという意味だという。その敗戦を、戦勝国(シリア、ロシア、イラン)が敗戦国(西側全体+α)に指図するベルリン式じゃなくて、首脳会談してまとめるヤルタ式でやってるんだろ、と言ってる。

ティエリーの考えがすべて正しいという気はないんだけど、私は、今般のバイデン・プーチン会談は、きっかけは春先のウクライナでのNATO勢の大失敗だが根幹は地中海東岸問題だろう、と思ってるので、概ね見てるところ一緒なのかしら、など思ってみたりしてる。

「6月16日の意味 」
政治家のぐだぐだ & 変化と言論空間
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/598347bdb4642eb30039c5d7a85cba1b



要するに、シリア戦争とは、結果的にはシリアだけで止まったわけだけど、構想およびそのポテンシャリティーとしては、北アフリカ・シリア・中央アジアをつなぐ大戦争でしょう。

主たる戦力は、イスラム過激派とかジハード主義者に教唆された「シリアの反体制派」etcで、NATO諸国はそれを盛り立ててるお仕事についていた。

だから、シリア戦争を毎日見ていた人は誰でも知っている通り、イギリスとかフランスがテロリスト側について、航空機でシリア国の国軍と戦っていたし、テロリストを追い出すために出てきた国連特使が、お願いしますから出て行ってくださいと泣かんばかりに懇願するというシーンがあった。もし、本当にテロリストがテロリストであるのなら、こんなことはあり得ない。西側の傭兵だとわかっているからこそ、懇願になる。

シリアというれっきとした国の中に、フランスのセメント屋ラファージュ が、巨大な構築物を建てていたのもご承知の通り。

フランスでは、ラファージュ社が過激派に金出していたところまでは普通に報道されていた。そして、どうやらそのラファージュの工場が、シリアでの秘密部隊の基地として使用されていたらしい。

だが、ロシア軍の参戦によって、すべてはチャラになった。みんな壊された。

ウクライナは、まったく余計な余波だと思うんですよ、私は。つまり、シリアからロシアを引かせるために、2014年2月にウクライナで紛争を作ったつもりが、ロシアは乗ってくれず、ウクライナでの紛争を凍結して、2015年10月にはきっちりシリア国の要請により参戦したということ。


そんな中で、英は、別の「転進」を考えて、自分のところとオーストラリア、カナダ、NZをつないで、大ブリテンの連合を考えてる。つまり、アジアに活路を見出そうとしている。それがつまり、Pivot to Asiaで、上述の通り、米国防省はあまり喜んでない模様。

日本は、この中東大合戦(のつもり)の参加国には違いないですから、この敗北を受けて方針を転換しないとならない。そこで、ブリテンと一緒に、日英同盟を組もう、なんてことを考えている人たちがいるようだ、ってところだと思う。


思えば、6月末の、プーチンの発言はこの状況を丁寧に教えてくれていたんだと思う。

英艦船を沈めてもWW3にはならなかったでしょう by プーチン


つまり、放火魔のイギリスが火をつけても、米はその話に乗らないだろう、だから第三次世界大戦にはならなかったと思うよ、ってことでしょ。

これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦を振り返ってみて、もうあんな犠牲を払いたくないと思うのなら、関係当事国は考えてみなさないよ、という意味かもしれないね。

だって、どっちもブリテンが鍵だから。


■ オマケ

ここ10年かそこら、対米依存からの脱却といったことがしばしば語られてきた。冷戦時代からしたら、驚くほど語られた。

それはそれで当然そうあるべきでしょう。今更何を言ってんだ、でもある。

だがしかし、その意味が、日英同盟だの、英の子分諸国の1つになることなのだとしたら、多分、さらにもっと悪い可能性がある。なぜなら、上で書いたように、米は腐っても放火魔+消火担当者だが、英は放火魔でしかないから。

したがって、対米依存からの脱却だろ、と持ってこられたら、その意図は何かを聞き分ける必要がある。

■ オマケ2

ドイツも、フリゲート艦を南シナ海に送るようだ。こっちもアジア・シフトなんですかね。

‘Flying the flag’: Germany sends warship to South China Sea for first time in two decades amid rising tensions

黒海はどうなったんだ、黒海は。

思えば、7月末のロシア海軍の日には、パキスタン軍が軍艦を出してきて、ペテルブルグでロシア海軍と一緒にパレードをしていた。インド軍、イラン軍もいたんじゃないかという説もある(私は未確認)。

NATOチームは、黒海からアラビア海は面倒くさいからパスして、みんなして南シナ海で気勢を上げてみる、みたいなフザケタことしかできないのか?

いやいやもう、北大西洋条約機構どころか、インド洋機構とか西太平洋機構になるんだろうか。そんならいっそのこと、東インド会社と名乗ればいいと思う(笑)。それが本名でしょ、だって。大笑い。



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2 コメント

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アメリカ次第の英仏 (金 国鎮)
2021-08-04 22:46:22
アメリカのオースチン国防長官が良いことを言った。

英仏は中東でも東アジアでもアメリカを巻き込んで
利権をあさる集団。
東アジアに英空母が来て喜んでいるのは日本だけだ
というのが明らかになってきた。
仏の艦艇も同様に東アジアに来ると言っている。
何処まで行っても英仏はハイエナだ。

ドイツ艦艇の動きが気になるね。
政治的にドイツは重要な位置を占めている。
中国とロシアと更にアメリカが裏で組めば
さて日本はどうするだろうか。
返信する
イランの空母もバルト海訪問 (ローレライ)
2021-08-04 20:14:49
イギリスの空母ほど注目されないイランの空母もバルト海訪問してしていてコロナのワクチンでもキューバと共同生産しているが日本では注目されずワクチンの無い日本が輸入ワクチンをイランに送っても野党は質問しない!
返信する

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