金正恩とは私が直接対話しないとと言ってみたりパイプがないと言ってみたり、いい加減なことしかいわない安倍ぽんというか日本政府の外交なわけですが、そんな中、北朝鮮の中央通信社が日本の状況についてなかなかピントの合ったサマリーを書いていた。
日本は敗戦の教訓を銘記すべきだ
http://www.naenara.com.kp/ja/news/?19+780
日本で、コンピュータウイルスが戦争装備に登場するようになる。
日本防衛省は、2019年度内にコンピュータウイルスを開発、完成して防衛装備品に保有することを正式に決定した。
戦争国家、侵略国家らしい危険な発想だと言わざるを得ない。
共同通信は、「相手の情報通信ネットを妨げるためのコンピュータウイルスが防衛装備品になるのは初めて」と報じた。
これによって、2014年3月に「自衛隊」に発足したサイバー部隊は数年間に攻撃型武力としての態勢を整えて戦争の遂行に進入できるようになった。
このへんは、へんな国会答弁をしていた通り。サイバー空間での攻撃に向かうらしいわけですよ。
軍事大国化と海外膨張は、日本の変わらぬ野望である。
毎年、莫大な軍事費を支出してきた日本はこんにち、海外侵略戦争をいくらでも行える軍事的実体、危険な戦争勢力に成長した。
にもかかわらず、日本は軍事大国化に対するしつこい野望の下、今年も先端兵器の開発と購入、配備に熱を上げている。
ここも同意しますね、私は。実際、国土を守るというより外に出ようという装備をしていると思うもの。空母もその典型だし、ロケット開発は素晴らしいですねと報道するけどそれはミサイル開発の話なわけだがといつも思う。
ちなみに、ついこの間までの日本のJAXA設置法には、「平和の目的に限り」という文言が入って自らに縛りをかけていたわけですが、10年ぐらい前だったかに法改正されてこの部分が削除された。
「自衛隊」武力の戦争遂行の熟達と海外進出も、看過できない域に至っている。
準空母と呼ばれる海上「自衛隊」の艦船いずもが米海兵隊級である水陸機動団を乗せて数カ月間、インド太平洋方面の水域を奔走しながら中国けん制に目的を置いた合同軍事演習を行っており、「安全保障関連法」を口実にしてエジプトのシナイ半島にまで「自衛隊」の人員を派遣した。
去る8日には、日本参議院が「自衛隊」とフランス軍およびカナダ軍の間に食糧と弾薬、労力を互いに融通する「「物品役務相互提供協定(ACSA)」」の締結を承認した。
ここもナイスなサマリーでしょう。米軍とだけでなくNATOの中でも強烈に侵略モードを持っている国と協定を結んで外に出ようとしている。
このへんは前にも指摘した通り、NATOの一角としての日本を作っているということだと思います。しかし、みんな知ってるの、これ?? というのがものすごく問題。
NATOに日本政府代表部
理事会で開設同意
2018年5月26日 午前10時33分
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/334950
【ブリュッセル共同】欧米の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO、本部ブリュッセル)加盟国代表で構成する意思決定機関、北大西洋理事会は25日までに、ブリュッセルの在ベルギー日本大使館にNATO日本政府代表部を開設することに同意した。代表部大使は林肇駐ベルギー日本大使が兼任する。
日本政府は4月1日に施行された法律で、代表部設置を正式決定。設置日は「調整中」(政府関係者)とされる。同大使館には既にNATO担当の外交官がおり、増員は行わない方針。
日本は域外のパートナー国として、北朝鮮への対応などでNATOと関係を強化する。
NATOに日本政府代表部って三国同盟みたいだと思う
日本にはこうした件に関してジャーナリズムも論争フィールドも存在しないので、既成事実をただ後追いしているだけ。
北朝鮮から出た去年のこのサマリーもよかったです。
日本の「核の野望」はどんな野望なのだろう?
■ なんで日本のジャーナリズムは沈黙なのか
で、どうして日本のジャーナリズムはこうしたことをしっかり追えていないのか。
ろくな議論もないままに、すっかり国の形が変わってる。
勇気がない、官邸が強すぎる、自民党はやくざものだとかとかいろいろあるんだろうけど、多分、最も大きな心理的な土壌は、だって中国が強くなるんだったら、アメリカと組むしかない、だから仕方がない、と天災でも見るように見過ごしているからでしょう。しかし、じゃあ組んだからといってそれでどうなんだ、がまったく考察されていない。
また、リベラル方面は、NATOと組むことをヨーロッパ各国と一緒だからいい、と思ってると思う。
つまり、後者は、純粋に軍事的な問題を直視せず、ある種、文明の選択的なことをしている気になっているんだと思う。すなわち、「脱亜入欧その2」。
しかしながら、再々書いてますが、日本がどれだけ野望を持っても、シナを撲滅したり、ロスケを解体したりはできそうにないわけ。
ということは、結果的には、頭の中では脱亜入欧して、先進的な欧州と組む俺たちカッコイー、かもしれないけど、現実には、単に中東で傭兵の足らないアメリカの下働きをさせられるとか、朝鮮にちょっかいを出して、いつまでも北東アジアに「朝鮮半島レジーム」を永らえさせるとか、といった実に不毛で、実に希望のない行動をするだけ。
私は、非武装論者じゃないから、日本本土(島嶼部をもちろん含む)を防衛するためにある程度の装備を持つというのは当然だろうと思ってる。しかし、今やってるのは、そういうのじゃないですからそこを問題視するし、危険視する。
国軍フェチの私としては、こんなの国軍じゃない!ともいつも思ってる。
そして、これらの国の形を変えるようなことを、芸能人のスキャンダルだの適当な政治家の馬鹿発言の応酬で紙面を埋めながら、影でこそこそやっていったこの20年かそこらの取り組みを情けなく思うし、まぁその、大日本帝国その2だったんだなと思うしかない国の形だわなって感じ。
■ こんな感じだったのかな、と
結局この20年ぐらい何をやっていたかというと、多分、ドイツの後追いなんじゃないかと思う。西ドイツは冷戦時代からNATOに入っていたけど、基本的に外に兵を出すような仕様にはなかっていなかった。その後いろいろあって、ユーゴ解体の時から兵を出してNATOの一角を占めることとなった(といっても、トルコ軍やイギリス軍みたいな実践使用向きではないんだが)。
これを、多分、日本の中のいくばくかは、「一人前の国」となったと取っているのではなかろうか?
NATOという枠組みの中に入ってりゃ、侵略行為だろうが泥棒だろうが大丈夫だろう、西側覇権の軍事ユニットだから責められることはない、という発想。
しかし、実際には、ドイツは単にまたもとの木阿弥で、ドイツ世界によるスラブ世界への侵攻が開始され、もちろん釣られた部分もあるが自らの「野望」に抗えなかったというのもあるでしょう。事実、メルケルはウクライナを奪取するというヒトラーも成功しなかったことを成功した、恐るべき侵略者になったわけで、これがドイツにとっての名誉になるとは到底思えない。
(ただ、この派手な紛争を通して、ドイツとロシアの間の地域に光があたり、今までなかなか見えなかったホンマもんの「ホロコースト」地帯がよく見えるようになったのは、予想外の前向きな副産物だと思う。そして、これが、西側が戦後作った様々な嘘の物語を壊していくドライブになってる。)
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東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい
ユーゴの成り立ちとその崩壊の歴史は、おそらく私にとって死ぬまでの重要なテーマの一つであり続けるでしょう。民族対立を越えようとする挑戦とその挫折そして崩壊がそこにありました。
バトラー氏の言を待つまでもなく戦争がビジネスであり、偽旗による誘導があり、裁判がショーであり、死して役目御免(無罪)とされる悪の指導者があり。あらゆるエッセンスがリアルに演じられる、それが戦争ですね。
さて、国土の外に向けた準備を防衛というのかどうか、言葉の綾以上に隠しきれない野望を愚かにも露呈している気がします。島国の日本らしいといえばらしいですね。
野望は秘めずに成せるわけがない。四海に守られてきたからこその愚かさでしょうね。
今年になって米朝会談から緊張緩和に流れが変わって、一体今はどうしゃべっているのかおかしいやら、情けないやら。
宗主国としてのプライドかも知りませんが韓国に対する鼻持ちならぬ態度も、やはり戦前の帝国への郷愁が強いのかも。
大正13年生まれの父の男子同級生は3割戦死していますし、母の兄嫁の兄弟も、特攻隊で二人死んで、庶民にはさんざんの時代だったと思います。
まずは隣国と仲良くしなきゃ始まらないと思います。