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イラン:基地があっても思うに任せないの by 米

2019-05-25 18:56:22 | アジア情勢複雑怪奇

安倍ポンが、6月にイランを訪問する説が浮上している模様。

首相、6月イラン訪問を検討 緊張緩和へ仲介めざす

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45258800U9A520C1EA3000/

安倍晋三首相は6月中旬にもイランを訪問しロウハニ大統領と会談する検討に入った。イランと米国との対立が激化し中東情勢が緊迫しており、イランと伝統的友好関係を保つ日本として、緊張緩和に向けた仲介をめざすとみられる。

イラン訪問が実現すれば、日本の現職首相として1978年の福田赳夫氏以来となる。27日に予定するトランプ米大統領との会談で訪問の意向を伝える見通し。サウジアラビアやイスラエルなど周辺国にも説明し、トランプ氏の反応と合わせて最終判断する。

 

トランプを助ける意味で、日本が仲介に回るという線はあり得ると思うけど、日本はこれまで関与してないし、そもそも、日本は伝統的にイランの友好国で、というけど現実にはイラン産石油を多くは買ってない。つまり、アメリカのポチ化が進んでいるので大した影響力を持った存在ではなくなってる。

でも、一つの駒としては有効かもしれないと一応思っておくことにする。

 

で、イランまわりの状況は、しかしながら、軍事的に本格的な戦争をアメリカが遂行できるとはほとんど考えられてないと思うの。

アメリカは各国を自分の支配下においてそこを相手にぶつけるというのが戦法だから、このようにイランの周りに基地を並べてはいる。

しかし、基地があってもそこの軍が同意しなきゃフルには使えない(日本のように手放しで外国軍による外国侵略を認めている国ばかりではない)。

 

 

 

この中で最も重要なのはトルコとパキスタンか。

トルコはなんせ現在S-400(ロシアのミサイル防衛システム)を度重なるアメリカの妨害と脅しにもめげず、一貫して、これはもう決まったことだとして購入を主張。もう納期が迫ってる。そして、トルコとイランはしっかりした関係なので、トルコをフルに使ってイラン攻撃とかできそうにない。

イラクはこう。

米とイランの戦争反対呼びかける大規模集会 イラクで開催/nhk
2019年5月25日 23時00分https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190525/k10011929461000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_009

 

そして、パキスタンが非常に重要な動きを見せた。パキスタンとイランは1カ月ぐらい前、自国の国境管理で協力しましょうとかなんとか言って関係を密にしだして、パキスタンのイムラン・カーン首相は今回も仲介する意思のあることを示していたりする。イランのザリフ外相がパキスタンで会ってる。

https://www.dawn.com/news/1484393

 

アフガニスタンは、またまたISが5000人ぐらい入ってきているとロシアの情報当局が発表していたが、それは一体どこから移動しているのだろう?ってのがかなり興味深い。

 

という状況なので、アメリカが大規模戦争を遂行できる情勢にはないんじゃなかろうか? とういうか、内陸部が思うにまかせないので、空母をアラビア海に出して「やってる感」を演出しているんじゃないかとさえ思う。

しかし、そこもイランは沿岸にミサイルを配備しているので、アメリカの空母打撃群にとって完全優位だ~というのは、トランプのホラとしてはいいとしても本当ではない。イランにとっては自国の目の前なんだから、いくらだって補給は効く。

どんな戦争ができるのか? サウジとイランでミサイルの応酬するとか? う~ん。

 

ミサイルといえば、イランの北側のカスピ海で、コルベット(非常に小型の軍用の船)からでも1500キロぐらい届くんだよ、カリブル(クラブ)ミサイルは、とか、対艦ミサイルはね最後のところで高速になるんだよ、とかいって演習しているロシアのカスピ小艦隊の存在もまったく関係ないとは言えない。

というか、両陣営とも知らん顔してるけどこの地域へのパワープロジェクション(力の投影)はかなり驚異的でしょう、ホントは。

ちなみにコルベットを多数用意するというのは、ロシアの国内水系を使ってカスピ海、黒海、バルト海に移動させられる、と考えているんじゃないかと想像してる。

 

ということで、イランの問題はメディアの見出しをにぎわせている感じとは異なり、やっぱり「レジームチェンジ」狙いだったものが、有能なイラン指導部と有能な近隣パートナーによって砕かれている、って感じじゃないのか? 

 

そして、もしパキスタンやトルコがイランと並ぶ姿勢を見せて、外で騒ぐアメリカに抗する感じになると、これはつまり、SCO(上海協力機構)が安定をもたらしているという恰好になっていく。

それはまずいので安倍でも出すか、なのかなという線もあるのかもしれない。

イランは表面で見えるよりずっと複雑で、そして必ずしもいわゆるthe West と敵対的ではないと思う。いろんなところで協力もしてたと思うんだな。この話は表面に見えているより複雑な話なんだろうという感じを私は持っている。

 

いずれにしても、へんな気起こして戦争なんかはじめられた日には、イランの終わりなんかじゃなくていろんな意味でアメリカの破産だと多くの人が思ってるのが興味深い。

現在のアメリカは、主要メディアの世論調査よりももっと反戦的、アンチウォーだと言っていいと思う。

多分、だから今度は南シナ海で「やってる感」なのかなと思ってみたりもする。こっちだと、折からの、やっぱり中国には負けたくないという漠然とした不安感を資産化できるから。しかしだ、こうやって下らないことをしていると、いつまでたっても軍とそれを支える情報、マスメディアの飯の種を供給することにしかならず、したがってアメリカ国内を再構築していくという話にはいつまでたっても届かない。

 

ネット上で拾ったんだけど、こういう追い込み方もいいと思うな。お前の手でさらに血を流すのか、っていう話。本当ですからね。

 


 


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